グラスゴー出身で
英フォーク・ロックを代表する
シンガーソングライター、
ラブ・ノークスを今再び
充実のアメリカ録音の2枚も
ノークスを知る必聴盤
※注1/スワンプ・ロック 米国南部のカントリーやブルース、R&Bの影響を感じさせるアーシーなサウンドを特徴としている。
これと言ったヒットに恵まれていないのに、ワーナーがノークスにチャンスを与えたというか、そこまで後押ししたのはなぜだったのだろう。過去の諸作にある楽曲のクオリティーが非常に高いこと、微妙にアメリカ指向の音楽性があること。パンク/ニューウェイブ・ムーブメントが起こる以前のシンガーソングライター、西海岸フォークロック、AOR路線などがチャートを賑わせるなど土壌は揃っているのだから、「あいつもそろそろブレークするんじゃないか」と期待したのかもしれない。過去の、特にプロデューサーに恵まれたところを見ると(5作目はテリー・メルチャー)、関係者間で彼の評判はことのほか良かったのではないか。しかし、このワーナーでの2作も当時はそれほど売れたわけではなく、というか酷な言い方をすれば、またしても不発だった。