ロックの進化にも
多大な貢献を果たした
キング・カーティスの
『ライヴ・アット・
フィルモア・ウエスト』

『LIVE AT FILLMORE WEST』(’71)/King Curtis
音楽のいろいろな聴き方
逆に、どんな時でもと言うか、心の状態に関係なくいつでも受け入れられる曲もある。よく知られている曲を思いつくまま挙げてみると、カーリー・サイモン「You’re So Vein」、アレサ・フランクリン「Baby, Baby, Baby」、スージー・ボガス「Someday Soon」、キャロル・キング「It’s Too Late」、ジャクソン・ブラウン「Rock Me On The Water」、バッド・フィンガー「No Matter What」などがある。
もうひとつのタイプとしては、そんなに数は多くないが、いつ聴いても何度聴いても鳥肌が立つほど感動する曲である。ここにはタワー・オブ・パワー「What Is Hip」、ジェームズ・ブラッド・ウルマー「Black Rock」、リトル・フィート「Dixie Chicken」、ベック・ボガート&アピス「Superstition」、レッド・ツェッペリン「Whole Lotta Love」、イエス「Round About」、クルセイダーズの「Spiral」、そして、このタイプにキング・カーティスの代表作として知られる本作『ライヴ・アット・フィルモア・ウエスト』に収録された「Memphis Soul Stew」も入る。
良い曲だと感じるのか、すごい曲だと感じるのかは、もちろん人によって違うだろうが。僕にとってはメロディーが良い曲と演奏が良い(すごい)曲に分かれるようだ。よく考えてみると、鳥肌モノのほうはベースとドラムを担当するミュージシャンがどちらも抜きん出た存在であることと、グループのコンビネーションが素晴らしいものばかりである。