世界中で大きな成功を収めた
レッド・ツェッペリンの
最高傑作『IV』

『IV』(’71)/Led Zeppelin

『IV』(’71)/Led Zeppelin

1969年、革命的なサウンドで華々しくデビューしたレッド・ツェッペリン。それから71年までの3年間に、数多くのツアーをこなしながら4枚ものアルバムをリリースしている。これはデビュー時から彼らがいかに多くのアイデアを持っていたかを示す証明になるだろう。ツェッペリンはハードロックやヘヴィメタルの元祖と言われることが多いが、実際にはブルースやブリティッシュトラッドのほか、カントリー、フォーク、ブルーグラス、ソウル、民族音楽など、さまざまな音楽をバックボーンに、多彩かつ重厚なサウンドを創造したグループだ。多くの音楽的側面を持つ彼らだが、今回取り上げるのは彼らの作品中、最もよく知られたタイトルのない4thアルバム(通称『IV』)で、本作にはロックのアンセムとして知られる「天国への階段(原題:Stairway to Heaven)」が収められている。

レッド・ツェッペリンの魅力

ツェッペリンのサウンドは重低音のリズムセクションと突き抜けるようなハイノートのヴォーカル、そして独特の覚えやすいギターリフが大きな特徴だと言われているが、彼らの魅力は実はそれだけにとどまらない。69年当時、デビューアルバムに収められた「グッド・タイムス・バッド・タイムス」や「コミュニケーション・ブレイクダウン」の印象があまりに強烈だっただけに、リスナー側がグループの音楽性を固定的に捉えてしまったのかもしれない。

しかし、彼らのリズム面に着目してみると、ジェームス・ブラウンやミーターズのようなファンクからの影響が大きいことがわかる。『II』(’69)所収の「レモン・ソング」を聴けば、ベースはジェリー・ジェモットやチャック・レイニーを彷彿させるし、ドラムはバーナード・パーディの跳ね方に近い。

面白いのは彼らがブルースをやってもツェッペリンならではのサウンドになっているところ。当時のイギリスのルーツロッカーたちは、いかに本場(アメリカ)の音楽(ブルースでもカントリーでも)に近づけられるかで競い合っていた感があって、例えばフリートウッド・マックの初期のサウンドと比べてみると、ツェッペリンのブルースはリズムのキレが良すぎてキワモノだと思われたかもしれない。それだけ、ジョン・ポール・ジョーンズとジョン・ボーナムのリズムは独特の世界を持っていた。特にボーナムのドラムは、彼以降のロックドラムの在り方を変えた先駆的なプレイだと言ってもいいだろう。

複数の楽器をこなすメンバー

もうひとつ、ツェッペリンの音楽的な魅力は多彩な楽器の使い方にある。ジミー・ペイジがブリティッシュトラッドに影響を受けていることはよく知られているが、変則チューニングのアコースティックギターの他、ペダルスティールやバンジョーなど、カントリー系の楽器をよく使っていることは、あまり語られてこなかった。これは当時共演もしていたヘッズ・ハンズ&フィート(スーパーギタリスト、アルバート・リー在籍)の影響であるかもしれない。後にペイジはストリングベンダー(バーズのクラレンス・ホワイトとジーン・パースンズが開発した装置)を使うことになるのだが、そのことからも彼が相当のカントリーファンであることが分かる。

また、ジョン・ポール・ジョーンズもベースだけでなく、ハモンドオルガンやシンセなどのほか珍しくフラットマンドリンを効果的に使っている。彼は後にアメリカでブルーグラスやオールドタイムのグループのプロデュースを担当しており、彼がフラットマンドリンを使っているのはペイジ同様、カントリー系の音楽に親近感を持っているからのようだ。

曲によってさまざまな楽器を使い分けるのはブリティッシュロックグループにしては珍しく、ツェッペリンならではの特徴と言えるだろう。

OKMusic編集部

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