ジョー・サトリアーニ主催の
神業ギタリストを集めたG3ツアー。
その記念すべき第一作目となる
『G3ライヴ』

『G3 Live In Concert』(’97)/Joe Satriani, Eric Johnson, Steve Vai
世代によって変わる
ギタリストのテクニック
クラプトン世代(40年代生まれ)のギタリストたちは、その多くがロックンロールやブルース、カントリーといったルーツミュージックに影響されているのに比べて、G3のメンバーは子供の頃からすでにハードロックやプログレが存在していたのである。当たり前のことなのだが、この生年の違いがギタープレイに大きな影響を与えることになる。中でも、ブラックモア、ベック、ジミヘンらが生み出したロックそのもののギタープレイが、G3世代のハードロック系ギタリストに与えた影響は計り知れない。
僕も世代的にG3世代なので、その辺りの事情はよく分かる。ジミヘンの「フォクシー・レディ」(‘67)、ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を(原題:Whole Lotta Love)」(‘69)やパープルの「ハイウェイ・スター」(’72)などは“ロックそのもの”であり、思春期にこれらのレコードを浴びるように聴いていれば、もともとはフュージョン音楽であるロックがルーツ音楽のように身についてしまう。
40年代に生まれたクラプトン世代のアーティストたちは、ブルース、カントリー、ロックンロール、R&B、ジャズ、クラシックなど、もう一世代昔の音楽を聴き、それらを昇華させてハードロックやプログレを生み出すことになるのである。G3世代のアーティストたちが、ブラックモアやジミヘンらに影響を受けているように、クラプトン世代はレス・ポール(1915年)、B・B・キング(1925年)、チェット・アトキンス(1924年)、ボ・ディドリー(1928年)、チャック・ベリー(1926年)、ちょっと若いがジェリー・リード(1937年)、ジェームス・バートン(1939年)といったギタリストに影響されている。