仏コメディ映画の愛すべき鬼才、
ジャック・タチの世界を彩った、
楽しさあふれるサウンドトラック

『ぼくの伯父さん〜ジャック・タチ作品集(原題:Music From The Films Of Jacques Tati)』('95)/オリジナル・サウンドトラック
ジャック・タチは喜劇映画監督という大きな括りで紹介されている一方、コメディ俳優として自身の作品をはじめ、多くの他の監督作品に出演している人だ。とはいえ、残した作品の数は多くないし、映画史に残る名作、問題作を撮ったわけでもない。俳優として、歴代のコメディアンに名を連ねる…というほどの仕事も残していない。それでいて、世界中の映画好きから彼はリスペクトされているのはなぜなのだろうか(日本でも2014年に『ジャック・タチ映画祭』が開催されている)。映画についても専門外、門外漢なので詳しく書けないのだが、主に活動し、作品を発表していた時期(50年代〜60年代)、そして「プレイタイム」のような斬新な作風から、彼はヌーベルヴァーグの作家のひとり、あるいはその潮流を代表するジャン・リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォーといった人たちに影響を与えた存在だとも言われている。