ギャング・オブ・フォーの
『エンターテイメント!』は、
数あるUKポストパンク作品の中でも
最重要アルバムのひとつ
ギャング・オブ・フォーのデビュー
本作『エンターテイメント!』について
アルバム収録曲は全部で12曲。前述の「Damaged Goods」はニューウェイブの香りもする本作中最もキャッチーなナンバーであるものの、ギルの鋭いギターはここでも容赦ない切り口で攻めている。唯一、出自が分かるのは「Glass」で、この曲のイントロとサビはバーズの「ロックンロール・スター」をモチーフにしている。バーズ好きのマイケル・スタイプ(REM)がギャング・オブ・フォーを好きなのは、案外そういうところかもしれない。アルバムの中で占有率が高いのは土着ファンク系のナンバーで、やっぱり彼らの代表的なスタイルである。
ニルヴァーナ、レッチリ、REMなど、オルタナティブ世代のスーパーグループが本作に影響されているのはよく知られているが、『エンターテイメント!』には普遍的なパワーがあり、そのサウンドは時代を超えた現代でも大きな影響力を持つことが分かる。故カート・コバーンは本作をオールタイムベスト50の一枚に挙げているし、レッチリのフリーは本作のベースを聴いて自分のプレイスタイルを見出したと語っている。彼らの音楽を聴いたことがないなら、この機会にぜひ聴いてください。
なお、『40TH Anniversary Japan Tour The Classic Album Played In Full』と題された来日公演は3月12日・13日の2日間(どちらも東京)となっている。
TEXT:河崎直人