「9月よ、さようなら」というタイミ
ングで聴きたい5曲

9月も終わりが近づいて来ました。かなり過ごしやすかった日々が続いた印象ですが、これからさらに本格的な秋に突入するということで、ざっくりと「9月」をテーマに自由に、あるいは拡大解釈して、この季節に聴いてみたい楽曲をチョイスしてみました。邦楽、洋楽共に新譜のリリース・ラッシュで、個人的にも財布のお金が付いていかず、あれも聴きたい、これも聴きたいとなって、逆に聴く時間がない状態に陥っています。この時期だからこそ音楽とじっくり向き合う時間を作りたいものです!

1.「ライジングレインボウ」(’15)/
ミソッカス

名古屋を拠点に置く鍵盤奏者を含む5人組が、今年メジャー第一弾シングル「ライジングレインボウ」で遂にデビュー。彼らは自ら“90'Sの忘れ形見”と名乗っている。古き良き、近くて遠い90'S J-POPが放っていたメロディー感を大事にしているバンドなのだ。90'S…そう、“9”という数字も入っているし、哀愁たっぷりのサウンドはこの時期に聴きたくなってしまう(かなり強引ですが)。このシングル表題曲はMVも衝撃的で、メンバーが戦隊モノに扮して大暴れする内容で、こちらも必見! もちろんスペーシーな鍵盤を含め、つい口ずさみたくなるキャッチーな歌メロは拳をギュッと握りしめ、腹にグッと力が入るエネルギーに満ちている。スリリングなギターソロもポイント高し!

2.「Tears Fall」(’15)/CROSSFAIT
H

Kazuki(Gu)の脳内出血というバンド最大の危機を乗り越え、メジャー1stアルバム『XENO』を完成させたCROSSFAITH。9月1日には日本テレビ系『スッキリ!!』でメンバー5人が勢揃いし、元気な勇姿と激烈なパフォーマンスを見せてくれた。さらに付け加えるなら、彼らのようなラウドな音楽性を掲げたバンドが普通にお茶の間で観ることができるとは…また時代がひとつ動いたなという印象を受けた。今回取り上げるのはバンド初のバラード・ナンバーで、病気療養中にKazukiが作り上げた楽曲である。不安や孤独と闘いながら、ありのままの心情を綴った曲調だけに、とてもエモーショナルで聴く者のハートを鷲掴みにする。

3.「September」(’78)/Earth, Win
d & Fire

ベタではあるが、ここは曲名通りに直球の選曲。バンドは知らなくてもこの曲は聴いたことがある、という人も多いだろう。それこそお茶の間レベルで、テレビやCMで使われ、また深夜のラジオでも好んで使われることが多い大ヒット曲である。個人的にはラジオ『オールナイトニッポン』でよく耳にした記憶がある。特にとんねるずが担当していた時代は、自分はまだ中学生だったわけだが、音楽をまったく知らなくても、この曲が放つ気持ちいいリズム、心地良い浮遊感に身を委ねていた。なにより、夜のしっとりした空気感と絶妙にマッチしていたのだ。なので、この曲を聴くと深夜ラジオを思い出す。もちろんディスコ・ソングとして有名な一曲なので、ぜひこれを機に若い人にも聴いてほしい。

4.「Happy Song」(’15)/BRING ME
THE HORIZON

今年、BABYMETALが出演したことでも話題を呼んだイギリスの有名なロックフェス『READING AND LEEDS FESTIVAL』。3日間開催の2日目のヘッドライナーを務めたのがMETALLICAで、そのトリ前の重要なポジションに付いたのがUK産のBRING ME THE HORIZONだ。初期はゴリゴリのヘヴィな音像で、“デスコアの新鋭”としてここ日本でも紹介されていた。が、このニューアルバム『THAT'S THE SPIRIT』で大化けした。脱メタルコアを図り、完全にスタジアム/アリーナ・ロックを見据えた曲調へとシフト。歌心は全開になり、ビッグコーラスを取り入れたスケール感は、“秋の晴れやかな空の下”で聴きたい。

5.「If Eternity Should Fail」(’15
)/IRON MEIDEN

約5年振りに届いたニューアルバム『THE BOOK OF SOULS』を、毎日聴き込んでいる日々が続いる。なぜなら、10分越えの楽曲が3曲(13分、18分とか!)もあり、2枚組仕様の大作だから。聴き応えも十分で、まったく飽きが来ない素晴らしさなのだ。まさに今作は“秋の夜長”にじっくり聴きたくなる作品と言えるだろう。オープニング曲「If Eternity Should Fail」から8分越えの長尺チューンで、癌治療を克服したブルース・ディッキンソン(Vo)の勇壮な歌声で幕を開ける(シビれます!)。来年は日本の地に来る予定もありそうなので、今作と過去のカタログを聴き込むことをオススメしたい。

著者:荒金良介

OKMusic編集部

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