桜という言葉が歌詞にある
“桜”縛りの洋楽5曲

東京の桜の状態はすでに葉桜となりつつありますが、これからお花見シーズンが始まる東北・北海道方面では桜の開花を心待ちにしている人たちが多いことでしょう。さて、『桜』とは日本の代名詞であり、日本を象徴する存在でもありますよね。日本では古代から歌に詠まれてきた桜ですが、海外でも歌詞に綴られた楽曲が結構あるんです! そこで今回は歌詞に注目して選んだ「『桜』が歌詞にある“桜”縛りの洋楽5曲」をご紹介します。

「Cedarwood Road」収録アルバム『SONGS OF INNOCENCE』/U2

「Cedarwood Road」(’14)/U2

「Cedarwood Road」収録アルバム『SONGS OF INNOCENCE』/U2

「Cedarwood Road」収録アルバム『SONGS OF INNOCENCE』/U2

この楽曲タイトルの「セダーウッド・ロード」とは、U2のフロントマンであるボノが幼少期に過ごした家の住所を指している。海外では道路の名前を住所にすることが多く、ボノの故郷アイルランドに実在する道なのでリリース当時は新聞アイリッシュ・タイムズでもそのことについて取り上げられたりもした作品。気になる桜は《And that cherry blossom tree Was a gateway to the sun》(意訳/そしてあの桜の木は太陽への入り口だった)と冒頭ブロックに登場。全体としては、恐れを感じながらも真の友情を必死に探し求めていた若き日々の胸の内の葛藤が綴られていて、ボノの実体験と捉えることもできる。ここでの桜は恐れを抜け出して見つけた希望(=太陽)への扉として描かれている。

「Being Beige」(’14)
/The Smashing Pumpkins

「Being Beige」収録アルバム『Monuments To An Elegy』/The Smashing Pumpkins

「Being Beige」収録アルバム『Monuments To An Elegy』/The Smashing Pumpkins

スマパンワールドでは桜がどのように登場しているかというと、冒頭ブロックで《Cherry blossom, this is goodbye》(意訳/桜、これでサヨウナラ)と別れの場面で唐突に登場している。当初はこの楽曲歌詞で多用されている《World's On Fire》というフレーズがタイトル表記だったものが、後に現在のものに変更されたようだ。リリース当時、雑誌のインタビューでバンドのリーダーであるビリー・コーガンは「人はみんな楽曲について説明を求めてくるけれど、正直言ってそれはできない。でも、もしこの歌詞が誠実であるとするなら、それはきっと我々の宇宙の中に不都合な何かがあるということだろう。それでも愛さなければならないんだ」と語っている。スマパンらしいとしか言えない一曲。

「Centuries」(’15)/Fall Out Boy

「Centuries」収録アルバム『American Beauty_American Psycho』/Fall Out Boy

「Centuries」収録アルバム『American Beauty_American Psycho』/Fall Out Boy

お次はフォール・アウト・ボーイの「Centuries」は、再始動後のアルバム2作目『American Beauty/American Psycho』に収録されたリードシングル。何世紀にも渡って自分の名を歴史に残したい、みんなに自分の名を知ってほしいという野望を持つ男の物語の中で、桜は次のように歌われている。《And you're a cherry blossom You're about to bloom You look so pretty, but you're gone so soon》(意訳/君は桜だ/今、咲き誇ろうとしている/見た目も可憐だ/けれど、君はすぐに散ってしまうんだ)。日本人ならずとも桜の花の美しさと、その命の短さとを上手くのせたリリックは読み応えがある。MVでは古代コロッセオを思わせる円形闘技場でメンバーによる男の戦いが描かれているのでそちらも見てほしい。

「Nobody Loved You」(’98)
/Manic Street Preachers

「Nobody Loved You」収録アルバム『This Is My Truth Tell Me Yours』/Manic Street Preachers

「Nobody Loved You」収録アルバム『This Is My Truth Tell Me Yours』/Manic Street Preachers

日本でのみシングルカットされた楽曲で、本国ではトリプルプラチナ・アルバム『This Is My Truth Tell Me Yours』に収録されている。なぜ日本オンリーだったかと言えば、きっと“桜(cherry blossom)”が4回も登場するからだろう。当時はCMにも起用されていたが、あれからもう20回以上も桜のシーズンを経たのかと思うと時の流れのはやさにクラクラしてしまう。先にも書いたがこの楽曲で桜は何度も出てくるので意訳はしないが、桜の儚さを引き合いにした深い愛が描かれている。95年に失踪したマニックスのメンバーのリッチー・エドワーズに向けたメッセージとも言われているので、ぜひじっくりと耳を傾けてほしい。

「Poor Butterfly」(’95)
/Tony Bennett

「Poor Butterfly」収録アルバム『Here's to the Ladies』/Tony Bennett

「Poor Butterfly」収録アルバム『Here's to the Ladies』/Tony Bennett

今回紹介するのは、比較的新しいバージョンの「プア・バタフライ」。こちらは24年前にリリースされたトニーベネットによるもので、この曲を収録した彼のアルバム『Here's to the Ladies』は1997年のグラミーで最優秀トラディショナル・ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞した。オリジナルは遡ること100年以上前の1917年、ジョンゴードンによる作詞で、プッチーニのオペラ『マダム・バタフライ』からインスパイアされたもの。冒頭では《There's a story told of a little Japanese Sitting demurely 'neath the cherry blossom trees Miss Butterfly her name, a sweet little innocent child was she》(意訳/桜の木の下に控え目に座っている小さな日本人の物語がある。彼女の名前は蝶々夫人、小さくてかわいらしい無垢な子どもだ)と描かれている。

TEXT:早乙女ゆうこ

早乙女ゆうこ プロフィール:栃木県佐野市出身。音楽を軸に、コンサート制作アシスタント通訳、音楽プロモーション、海外情報リサーチ、翻訳、TV番組進行台本や音楽情報ウェブサイト等でコラムや記事を執筆するなどの業務を担うパラレルワーカー。

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