6月にピッタリ! “6”がタイトルや
歌詞に入った5曲

唐突だが、世界的な大スター・LADY GAGAのアメリカ5公演にサポートアクトして抜擢されたBABYMETALのニュースには心底驚いた。そんな彼女たちの2月に出た1stアルバムに『4の歌』という曲がある。4という数字を絡めた言葉遊びみたいな歌詞で、これがもうポップかつキュートな超名曲なのだ。ということで、今回は6月に引っ掛けて、数字の6が入ってる曲名や歌詞を選んでみた。特にメタル系バンドが好んで使う数字でもあるし、これ以外にもたくさんそういう楽曲はある。そこは筆者のテイストも入っているので、ご了承を。かなりサタニックな曲調が多めになったけれど(冷汗)、数字が入ってる楽曲はそれだけでキャッチーな輝きを放つのも事実。では、どうぞ!

1.「Heretic Anthem」/SLIPKNOT

今年11月にSLIPKNOTがオーガナイザーを務めたダーク・カーニバル『KNOT FEST』が、90年代ヘヴィ・ロック/ラップ・メタルの代表格のKORN、LIMP BIZKITを従えて開催される。これは本当に楽しみ! で、なぜこんな前置きをしたのかと言えば、6が入った歌詞で真っ先に思い浮かべたのはSLIPKNOTだから。自らの地元名を冠した2ndアルバム『IOWA』は、デビュー作を凌ぐ激越サウンドを叩き付け、00年代の牽引するバンドへ一気に登り詰めた。その中の「Heretic Anthem」という曲に「If you're 555,them Im 666」という歌詞がある。この文字面を見るだけで、コリィ・テイラー(Vo)の咆哮する姿が脳裏を過る人もいるだろう。ご存知の方も多いと思うが、666は反キリスト、悪魔を意味するシンボリックな数字として使用されている。

2.「The Number Of The Beast」/IR
ON MAIDEN

NWOBHM(ニュー・ウェーヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)の先陣を切り、今なお英国を象徴するメタル・バンドとして君臨しているIRON MAIDEN。元SAMSONのブルース・ディッキンソン(Vo)加入後、初となる名作3rdアルバム『THE NUMBER OF THE BEAST(邦題:魔力の刻印)』の表題曲に「666 the number of the beast」とそのままの歌詞があり、これは『新約聖書』の「ヨハネの黙示録」(第13章18節)にある「ここに知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くがよい。その数字とは、人間を指すものである。そして、それは666である」から引用されたもので、曲のイントロにもこのフレーズが挿入されている。メイデンの代表曲のひとつだ。

3.「HYDRA-666-」/DIR EN GREY

今年は京(Vo)がsukekiyoという名の新バンドを立ち上げ、レコ発ライヴでは終始、観客が沈黙を貫く異例のショウを披露したばかり。本体のDIR EN GREYのほうは最新作『DUM SPIRO SPERO』の集大成と言える日本武道館2デイズを大成功に収めた。今回取り上げた曲は2ndアルバム『MACABRE』に収録され、その後シングル「DOZING GREEN」のカップリング曲で新アレンジされて再録した曲(リマスタリング盤の7thアルバム『UROBOROS』にも収録)。メンバー的には特に悪魔的な意味合いで666と付けたようではないようだが、邪悪で呪術的なムード漂う異端のヘヴィネスに漲っている。京の歌声にも戦慄を覚える。

4.「FUCKMYLIFE666」/AGAINST ME!

THE GASLIGHT ANTHEMとともにフォークパンク・ブームを牽引したフロリダ発の4人組、AGAINST ME!。12年にフロントマン・Tom Gabel(Vo)がトランス・ジェンダーを告白し、名前もLaura Jane Graceと改名し、女性として生きることを表明して話題を呼んだ。彼…いや、彼女には妻も娘もいる。家族の温かい協力を得て、生活を送っているようだ。僕も大好きなバンドだけに、この突然の告白にはビックリ仰天。そして、晴れて女性になった後の最新作が『TRANSGENDER DYSPHORIA BLUES』である。なんと直球のアルバム名! この「FUCKMYLIFE666」はリリック・ビデオも作成され、内容はトランス・ジェンダーの人物が登場する。つまり、それはLaura自身のこと。その赤裸々ぶりが、またカッコ良い。

5.「I'll sleep When I'm dead」/B
ON JOVI

“俺は死んだら、寝るんだからな!”と曲名でも宣言している通り、死ぬまでずっとロックし続けるんだ、と力強く宣言した歌詞が印象的。全米、全英でチャート1位を獲得した大ヒット作『NEW JERSEY』の後、ジョンはソロ作『BLAZE OF GLORY』を一枚挟み、解散の危機を乗り越え、ようやく発売されたのが5thアルバム『KEEP THE FAITH』だ。煌びやかなハードロック路線は影を潜め、ブルージーな大人の味わいが浮上した。「I'll sleep When I'm dead」は鍵盤を用いた軽快なロックンロール・ナンバーで、ここに「6 feet under」という歌詞が出てくる。"6フィート下"とは死体を埋める穴の深さのことで、死を意味するフレーズだ。SIX FEET UNDERという米デスメタル・バンドもいるし、coldrainにも「Six Feet Under」という名曲がある。よく耳にする語彙と言えるだろう。

著者:荒金良介

OKMusic編集部

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