暑い日が続くと、テンションが自然と上がってきます。アーティストでも音源リリースにあわせ、季節を重んじる人たちも多くて、特に夏はイメージが沸きやすいのかもしれません。やはり夏はガツン!と脳内に響くような、激しい曲を聴きたくなるものです。聴いてるだけで体中のエネルギーが倍増するようなパワフルな曲調に身を委ねて、暑さを乗り越えたい。そんなあたなに贈る5曲です。意図的ではないのですが、なぜかミクスチャー系バンドが多くなりました。

1.「Goes On」(’07)/10-FEET

もうすぐ約5年振り(!)に10-FEETのニューシングル「アンテナテラス」が出ます。特に表題曲は超絶エモーショナルで、10-FEETファンならば納得の仕上がりと言える素晴しさ。全3曲とも“らしくて”、かつ“今までにない”サウンドになってます。それで、ここでは彼らのライヴでも必須のキラーチューンであり、夏に持って来いの曲を紹介します。07年にリリースされた10枚目のシングルで、ジャケもアンプから波が飛び出し、サーファーがその波に乗っているという、何とも夏らしいアートワークです。曲調は2ビートを用いた激走ナンバーですが、歌詞は10-FEETらしく、《人が海のように大きくなれたら 人が波のように優しくなれたら》の歌詞はライヴで聴いてもグッとくるパートです。

2.「NO PUNCH,NO LIFE!!」(’16)/S
HIMA

北九州発の4人組、SHIMAの1stアルバム『WRAINBOW』がとてもいい。音楽的にはマキシマム ザ ホルモンなどが好きな人には絶対お薦めしたいバンドだ。ヘヴィとポップの両極に振り切れたサウンドは、喜怒哀楽の感情を全て詰め込んだようなバラエティーさ。作品トータルにおいても、これから暑くなってくる季節にぴったりの発汗作用満載の熱い曲調ばかりです。とりわけこの曲は、曲名からも何となく察しがつくかもしれないが、《パンチ出す為にバンジージャンプ》と冒頭からぶっ飛んだファニーな歌詞にツボを突かれる。グルービーでポップでノリがいい曲調で、EGACCHO(Vo)独自の言語センスも炸裂している。他に人名や地名を用いた楽曲もあり、最高です。

3.「Smells Like Unknown」(’15)/
a crowd of rebellion

昨年、『Ozzfest JAPAN 2015』のオープニング・アクトにも抜擢された新潟発の5人組。今月出る1stアルバム『Xanthium』(ザンティウムと読む)が狂いすぎてて(褒め言葉)、聴いてびっくりした次第。間違いなくバンドの最高傑作と言える内容なのだ。鼓膜をつんざくラウド感、絶品のメロディーライン、さらにゲーム音楽、異国風ビート、和的テイストも取り込み、1曲の中でめまぐるしく展開する曲調は、Fear,and Loathing in Las Vegasに匹敵する楽曲密度を誇る。ここで取り上げる曲は前作『Daphne』に入っていたものだが、今作にも収録されている楽曲だ。ヘヴィさの中で抜けるような爽快なキャッチーさを放つ曲調で、夏に合う高揚感を運んでくれる曲だなと解釈している。ぜひ聴いてみてください!

4.「By The Way」 (’02)/RED HOT
CHILI PEPPERS

今年5年振りに『FUJI ROCK FESTIVAL '16』で来日するレッド・ホット・チリペッパーズ。6月にニューアルバム『The Getaway』も出たタイミングであり、どんなパフォーマンスをしてくれるのか興味深いところだ。本題に入るが、暑い夏にはカラッとしたレッチリの音色がよく似合う。いや、無性に聴きたくなってしまうのだ。最新作を聴き込んでいる人も多いかもしれないが、ここではライヴでも必ずやってくれるだろう、この曲を選んでみた。02年に出たアルバム『BY THE WAY』表題曲で、レッチリ知らなくてもどこかで耳にしたことがある!という人も多いだろう。軽快なリズム、跳ねるグルーブ感といい、体が反応せずにはいられない名曲中の名曲だ。この曲を機に他の作品にも手を伸ばしてください。どれも夏っぽさに浸れる作品ばかりですから。

5.「Attitude」(’15)/BAD BRAINS

USハードコアの発火点であり、イアン・マッケイ(マイナー・スレット)、ヘンリー・ロリンズ(ブラック・フラッグ)、ビースティー・ボーイズにも多大な刺激を与えたワシントンDC発のバッド・ブレインズ。この度、彼らのドキュメンタリー映画『バンド・イン・DC』が日本でも上映(7月から)されることになった。映画を観ると、破天荒かつ無軌道なバッド・ブレインズのサウンドがいかに革新的であったかがよく分かるし、その一方でH.R.(Vo)の奇行っぷりに爆笑せずにはいられないシーンもあり、ハードコア/パンク・ファンならばぜひ観てほしい。映画の中にも彼らの曲が使用され、特に初期の曲はエネルギーのカタマリであり、凄まじいパワーで聴く者を制圧する。この曲も実にバッド・ブレインズらしいナンバーで、聴くだけでテンションが上がること間違いなし!

著者:荒金良介

OKMusic編集部

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