STAY HOME、こんな時だから家で聴きたい5曲

STAY HOME、こんな時だから家で聴きたい5曲
“緊急事態宣言”が徐々に解除されながら、不要不急の外出は引き続き自粛。会社はリモートワークが推奨され、学校の本格的な始業もまだまだ。平穏な日常が戻るには、もう少し時間がかかりそうな昨今。CDのリリースが延期され、フェスは軒並み中止を発表。ライヴハウスの営業再開もまだ先になりそうで、僕も含めた音楽関係者や音楽ファンは不安や苛立ちを溜め込んでると思いますが。こんな時に気持ちをアゲてくれたり、穏やかにしてくれたり、楽しくさせてくれるのも音楽。今回はこんな時だからこそ、家で聴きたい最新5曲をセレクトしました。
「夜明け待つ」収録配信楽曲「夜明け待つ」/TOTALFAT
「あなたへ」収録配信楽曲「あなたへ」/BLUE ENCOUNT
「惡 -Justice-」収録アルバム『惡』/MUCC
「Summers」収録アルバム『湘南乃風 ~四方戦風~』/湘南乃風
「Waiting For The End」収録配信楽曲「Waiting For The End」/Left Behind

「夜明け待つ」('20)/TOTALFAT

「夜明け待つ」収録配信楽曲「夜明け待つ」/TOTALFAT

「夜明け待つ」収録配信楽曲「夜明け待つ」/TOTALFAT

営業自粛要請で営業再開の目処も立たないライヴハウス。ステージに立つことのできないミュージシャン。そして、ライヴに行くことのできない音楽ファン。窮地に立たされたライヴハウスシーンや耐え忍ぶ仲間たちへの想いを込めた、TOTALFATの新曲。性急なビートと熱いサウンドに、《さあ 始まりはすぐそこさ》と前向きな言葉たちを乗せたこの曲。そう、スネたってイジケたって、何も変わらない。今僕らにできることは、心の居場所を守り抜くことだけ。夜明けの日は近いと信じて待ち続ける僕らに、《何を奪われたとしてもこの灯火は消させない》の歌詞が本当に心強い。この曲を生で聴ける日が一刻も早く来ますように。待ち合わせはライヴハウスで!

「あなたへ」('20)/BLUE ENCOUNT

「あなたへ」収録配信楽曲「あなたへ」/BLUE ENCOUNT

「あなたへ」収録配信楽曲「あなたへ」/BLUE ENCOUNT

触れなくてもずっと温かい、離れててもずっとここにある、あなたという存在。大切な人に会いたくても会えない現状にもぴったりな、BLUE ENCOUNTの新曲。初めて聴いた時、《こんな日々がずっと続くって どっかで思ってた》と学校生活を描写した歌詞に、忘れかけてた懐かしい感覚が妙にリアルに蘇る感覚があったのだが、曲ができた経緯を聞いて納得。TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」のリスナーから寄せられたメッセージをもとに、“絆”をテーマに作られた曲なのだそう。アコギの温かいサウンドに乗せて、近くから語りかけるような歌で始まるミディアムなバラードソングは、どんな時も味方でいてくれた“あなた”という存在に、それぞれが誰かの顔を頭に浮かべながら聴ける胸アツ楽曲。

「惡 -Justice-」('20)/MUCC

「惡 -Justice-」収録アルバム『惡』/MUCC

「惡 -Justice-」収録アルバム『惡』/MUCC

6月10日にリリースされる、MUCCの最新アルバム『惡』から先行配信された「惡 -Justice」と「アルファ」。どちらもこの騒動が始まりかけた3月に完成したばかりだという、限りなく現在に近い気持ちを歌った新曲。心掻きむしるヘヴィなサウンドに乗せ、狂った世界に悪と正義を問いかける「惡 -Justice」は世相とハマりすぎていて、ハッとさせられることや考えさせられることも多く、まさに今聴くべき楽曲。ドラマチックな曲調に苦しくも美しく愛を歌った「アルファ」は聴く者が抱える不安や孤独、言葉にできない感情を受け止めてくれるやさしさと温かさがあり、今この曲に救われる人はきっと多いであろう楽曲。《いつかこの霧は晴れるから》の言葉は力強く、眩い光が照らす始まりを予感させてくれる。

「Summers」('20)/湘南乃風

「Summers」収録アルバム『湘南乃風 ~四方戦風~』/湘南乃風

「Summers」収録アルバム『湘南乃風 ~四方戦風~』/湘南乃風

2年の充電期間を経て、最新アルバム『四方戦風』をリリースした湘南乃風。充電期間中、個々の活動で蓄えた経験とスキルを持ち寄って、復活の狼煙を上げた4人がアルバムに込めたエネルギーはとてつもないものになっているが。無条件でブチアガるハイテンションなサマーチューン「Summers」を聴いて、湘南乃風は夏を歌わせたら最強&最高だな!と改めて思わされた。そして、本来ならこの曲を聴いて夏を想像して、“今年の夏は何しよう?”なんてウキウキしたいところだが。この状況下、そういう気分にもなれないというのも正直なところ。ということでオススメしたいのが、SHCK EYE考案のこの曲を使ったタオル・エクササイズ。YouTubeで期間限定公開されてる公式動画で「Summers」に合わせてタオル回して、STAY HOMEの運動不足を解消しよう!

「Waiting For The End」('20)
/Left Behind

「Waiting For The End」収録配信楽曲「Waiting For The End」/Left Behind

「Waiting For The End」収録配信楽曲「Waiting For The End」/Left Behind

STAY HOME期間中に大流行したのが、うちの奥さんも毎日やってる「2週間で10kg痩せるダンス」動画のFitz and the Tantrumsの「HandClap」と、Nintendo Switchの「あつまれ どうぶつの森」ですが。大人気の「あつ森」を使ったMVが密かな話題になっているのが、ウェストバージニア出身の5人組ヘヴィメタリック・ハードコアバンド、Left Behindの「Waiting For The End」。“ライヴができない期間もファンと交流したい”と、SNSでファンから「あつ森」の映像を募集し、自身の楽曲のMVとして編集。ライヴシーンやヘドバン、サークルモッシュ、虫取り網で叩き合うシーンや、蜂やタランチュラに噛まれるシーンなど、ほのぼのとした島のヘヴィでショッキングなシーンを編集したMVは衝撃&爆笑! 自宅での演奏を重ねたMVを公開するなど、こんな状況下でもさまざまなアイデアで発信を続けるミュージシャンたち。近い将来、この経験を笑って話せる日が来るように心から祈ってます。

TEXT:フジジュン(おばけえんとつ)

フジジュン プロフィール:1975年、長野県生まれ。『イカ天』の影響でロックに目覚めて、雑誌『宝島』を教科書に育った、ロックとお笑い好きのおもしろライター。オリコン株式会社や『インディーズマガジン』を経て、00年よりライター、編集者、デザイナー、ラジオDJ、漫画原作者として活動。12年に(株)FUJIJUN WORKSを立ち上げ、バカ社長(クレイジーSKB公認)に就任。メジャー、インディーズ問わず、邦楽ロックが得意分野だが、EBiDANなど若い男の子も大好き。笑いやバカの要素を含むバンドは大好物。

OKMusic編集部

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