秋の枯れた心を再燃させてくれる、再
結成バンドの激アツチューン5選

太陽が照りつける季節がすぎ、朝夕と肌寒いくらいの昨今。日照時間が減ると神経伝達物質であるセロトニンが生成しづらくなり、気持ちがアガらなくなってくるのだそうですが。そんな秋の枯れた心を燃え上がらせてくれるのが、青春時代に夢中になったロックバンドたちの大活躍!  X JAPANがマジソン・スクエア・ガーデンでのライヴを大成功させたり、筋肉少女帯の最新アルバムが20年ぶりのオリコン10位ランクインしたりと、80~90年代にキラキラ輝いていたロックスターたちが変わらず輝き続けている姿を見ると、俺も頑張らなきゃ! と奮起させられます。今回は再結成バンドに焦点を当て、バンドの今を象徴する曲をピックアップ。心枯らしてる場合じゃねぇぞ!

「労働讃歌」('14)/筋肉少女帯

10月8日にリリースされたばかり、筋肉少女帯の4年4カ月ぶりとなる最新アルバム『THE SHOW MUST GO ON』。1994年発売のアルバム『レティクル座妄想』以来、実に20年半ぶりのオリコントップ10入りとなったこのアルバム。1991年に発表されたクィーンの名曲も思い出されるこのタイトルには「何があっても、ショーは続けなければならない」という意味が込められていて、《お客様は神様です》と始まる「オーディエンス・イズ・ゴッド」で始まる今作はライヴを容易に想像させる構成。20年ぶりのチャートインは、フェスやワンマンで全盛期を知らない世代にもその存在をしっかりアピールし、現在の筋少のカッコ良さを知らしめた結果でもあるのだろう。このアルバムに収録された「労働讃歌」は作詞をオーケンが手がけ、ももいろクローバーZに提供した曲の逆輸入的カバー。明朗快活なももクロバージョンと比べ、大人の悲哀が滲み出ているところもなんとも良い。労働者諸君よ、拳を突き上げろ!

「WAO!」('00)/ユニコーン

ブームと言えるほど、様々なバンドの再結成が続いた00年代後半。このバンドだけはないだろうと誰もが思っていたところに2009年1月、しれっと再始動を発表。シングル「WAO!」、アルバム『シャンブル』を連続リリースすると、新作を掲げての全国ツアーをすぐさまスタート! 1993年の解散から、約16年のブランクを一切感じさせない、現役バリバリのステージでファンを圧倒させたユニコーン。復活の狼煙を上げた1発目のシングル「WAO!」を聴いた時、悪ノリに近いノリの良さと多分に加えられた遊び心、そして楽曲の完成度の高さに「これはユニコーン以外の何者でもない!」と驚かされて興奮したのをよく覚えてるし、どうせ再結成するなら現在進行形を見せたいという姿勢にものすごくユニコーンらしさを感じた。ちなみにABEDONがヴォーカルを取るこの曲、シングル曲で奥田民生以外がメインヴォーカルを取る曲は初めての試み。再結成第一弾シングルに、そんな挑戦もしれっと入れてるところがまたニクい!

「青春」('08)/JUN SKY WALKER(S)

1997年1月に解散を発表し、同年6月、日比谷野外音楽堂でのライヴにて解散したJUN SKY WALKER(S)。2007年9月に再結成を発表し、20周年記念ツアーを開催。そして、2008年9月にリリースされた12年ぶりのシングルが、この「青春」だった。作詞作曲を務めた寺岡呼人が、「今の自分たちこそ“青春”と言い切ることが、過去のどんな思い出も飲み込むと思った」と語るこの曲。《「青春なんて 吐き気がするぜ」あの頃ずっと そう思ってた なのに俺もおまえも 溢れる涙が 止まらない》の歌詞に、初めて聴いた時は僕も涙が止まらなかった! 余談だが、この歌が歌いたいだけのために、僕はジュンスカのカバーバンド・FUJUJUN SKY WALKER(S)を結成。再結成後初となる日比谷野音(2008年10月)の夜、聖地・渋谷Lamamaのジュンスカイベントでデビュー&解散ライヴをやらせていただきました。あ~、贅沢すぎる思い出!

「LIVE your LIFE」('09)/リンドバ
ーグ

1990年、中3の僕は2ndシングル「今すぐKiss Me」にすっかりヤラれてしまい、初めてチケットを取って観に行ったバンドがリンドバーグだった。曲の良さもさることながら、鉄腕アトムTシャツにショートヘアの元気で明るい渡瀬マキにすっかり恋してしまい、鳥羽弁とケタケタ笑う声が最高に可愛かった「渡瀬マキのオールナイトニッポン」を毎週楽しみにしていたのも今は昔。渡瀬マキは平川達也と結婚し、2002年に解散。もうライヴを見ることもないと思ってたので、2009年に期間限定で再結成し、再びライヴが観れた時は本当に感動した(しかもその直後、渡瀬マキのインタビューも実現!)。そして、その2009年の再結成時にリリースされた新曲が「LIVE your LIFE」。大丈夫、君の道は必ず見つかるから! 大人青春! 大人ファイト!と、大人にエールを送るこの曲が、枯れかけた大人の心をもう一度燃やしてくれるはず。2014年に再々結成を発表し、現在も大活躍中のリンドバーグ。元気いっぱいな新譜を切に希望!

「FOREVER LOVE」('96)/X JAPAN

1997年4月、Toshiの脱退を期に解散を発表。同年12月31日、『THE LAST LIVE〜最後の夜〜』にて解散したX JAPAN。2007年10月、活動再開を発表し、2008年1月に発表された新曲が「I.V.」だった。9月30日&10月1日には“マジソン・スクエア・ガーデン前哨戦”と謳った横浜アリーナ2DAYSを開催。そして10月11日、YOSHIKIが1996年にKISSの復活ライヴを観て以来、長年の目標としていたMSG公演を成功させ、X JAPANは名実ともに世界的アーティストの仲間入りを果たした。そのMSG公演でもアンコールで演奏されたこの曲は、アメリカ映画「Saw IV」のタイアップに使用され、日本のロックバンドとしては初となる全世界23カ国での同時配信を実現。再結成後、世界に本格進出するきっかけとなったのが、この曲だった。MSGを終えたYOSHIKIは、「アルバムを出して、それを引っ提げた世界ツアーを回りたいと思っています。具体的には来年の夏かな?」とX JAPANの活動への意欲を見せており、今後の活動も楽しみです!

著者:フジジュン

OKMusic編集部

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