秋ですね。“食欲の秋”“味覚の秋”と言われる美味しいもので潤うこの季節は、夏バテしちゃった人にとってもリカバリーチャンス! ダイエットに勤しむ方が最近とても多いですが、まぁこういう時期くらいは心ゆくまで食べるのもいいかと。体重が気になるなら、散歩やスポーツをするにもいい時期だし、よく食べて、よく動くのが一番健康的なんじゃないかなと思います。というわけで、今回は「食欲の秋に聴くならこんな5曲」です。

1.「ビール・オア・ダイ」('06)/怒
髪天

 1曲目は“とりあえずビール!”ということでコレ。食べるラー油のCMに出演したり、「酒燃料爆進曲」「ナンバーワン・カレー」のような曲があったり、食の話題が多い彼らですが、中でも「ビール・オア・ダイ」はインパクト大! 初めて聴いた時、ライヴ(増子兄ィの動きが楽しい!)で体感した時の笑撃たるやものすごかったですね。《この一杯のビールの為に生きていると思える程さ》はマジでくらったパンチラインだし、タイトルも秀逸。労働のあとに染みる秋味のビール、そのお供にどうぞ。アルバム『トーキョー・ロンリー・サムライマン』やベスト盤『D-N°18 LIVE MASTERPIECE』に収録。シングル「酒燃料爆進曲」のカップリングには“二次会編”も。

2.「ポテトサラダ」('12)/ZAZEN BO
YS

 続いては、お通し的(?)な曲でいってみましょうか。ZAZEN BOYSの中で最もポップな響きのタイトルかもしれません。歌詞にしてもやはり単純明快で、《ボールにいっぱいのポテトサラダが食いてえ》と叫ぶ向井秀徳のシュールな訴え、渇望感が妙に親しみやすく、ZAZENならではのヘヴィでトリッキーなビートも含めて病み付きになること必至! さらに、曲が進むにつれて酒、しじみ汁、カニも登場するので、なんとも食欲をそそられます。潔く《~してえ》しか言っていないのも、そそられる理由のひとつですね。ひとり居酒屋にドンピシャ。聴いていると、普段はあまり気に留めないポテトサラダがやたらと愛しい存在になってくるはず。5thアルバム『すとーりーず』に収録。

3.「ザ・ギョーザ!」('14)/くもゆ

 この曲はとても新しくて、できたてほやほやです。おおはた雄一と福岡晃子(チャットモンチー)が2013年に結成したユニットがくもゆきで、“子供も大人もいっしょに楽しめる音楽を作る”のが活動のテーマ。そして、「ザ・ギョーザ!」は今年8月にリリースされた1stアルバム『くもゆきのいろ』のリード曲になっていて、まさにその狙いが絶妙なキャッチーさで炸裂しています。ギョーザを擬人化したような歌詞の世界観、ふたりのハーモニーと台詞の掛け合いはチャーミングで楽しさいっぱい。福岡が監督したMVもほのぼのとした仕上がりに。ギョーザが食べたくなるのはもちろん、作りたくもなるし、食卓をにぎやかにしてくれること請け合い!

4.「黒毛和牛上塩タン焼680円」('05)
/大塚愛

 メインディッシュは肉料理。独特で長いタイトルが目を引くこの曲は、2005年2月9日(肉の日)にシングルリリースされたもので、そんな点から最初はアッパーな元気ソングなんかを思い浮かべがちですが、意表を突くミディアムチューンに仕上がっています。網と焼肉を男女関係に例え、女性目線の恋愛を歌うあたり、大塚愛らしい遊び心が利いていて最高ですね。《あなたにほてらされて あたしは色が変わるくらい》《お味はいかが?》とか、いちいちエロティックなところもすばらしい! でもって、焼肉LOVEな歌として楽しむこともできます! ちなみに、2ndアルバム『LOVE JAM』ではアルバムヴァージョンの「黒毛和牛上塩タン焼735円」が聴けますよ。

5.「さいごのアイスクリーム」('13)
/きゃりーぱみゅぱみゅ

 締めのデザートということで「さいごのアイスクリーム」。コースの最後にケーキやパフェを食べると太ってしまうらしいので、アイスクリームにしておきます(笑)。きゃりーぱみゅぱみゅの2ndアルバム『なんだこれくしょん』に収録された、よく働いた一日の終わりに食べるアイスクリームの至福さをテーマにしたナンバー。楽しみに取っておいたのに結局食べられちゃうストーリーはなんともビタースウィートですが、その美味しさを力説するリリックがいい感じに食欲を刺激してくれるはず! 『アイスの実』のCMに出たきゃりーだけに、謎の信憑性もあったりして。疲れている時、悩んでいる時、夜のふとした時間に食べたくなる甘いもの。店でも部屋でもおいしいですよね。

著者:田山雄士

OKMusic編集部

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