ミラーボールの光を浴びながら踊るた
めの5曲

5月です。新しい職場や学校生活に忙殺されている方々は、そろそろ「この人こういう性格なんだな」となんとなく把握できたり、逆に徐々に暴かれ始めている時期ではないでしょうか。ここで「実はブレイクコアが好きなんです」とか「フリースタイルダンジョン最高ですね」等と素直に明かせるかどうかで、その後の人間関係が円滑になるかどうかが決まります。主観や私情を挟むのはあまり好きじゃないので本当は避けたかったのですが、こう切り出さないと主題に辿り着けないのでどうでもいいことを白状しますと、私の趣味はライヴハウスに行くことです。この仕事を始める前からライヴを観ることも、ライヴハウスという場所自体も大好きで、最近は各店舗のフロアを煌煌と照らすミラーボールの写真を撮りためています。というわけで、今回はこのテーマになりました。よし!

1.「ミラーボール」(’07)/東京事変

もともとは浮雲こと長岡亮介がペトロールズにて発表した楽曲をカバーしたもの。内省的ながら挑発するかのように駆け引きに身を投じる官能的な歌詞、ドーリーで蠱惑的な椎名林檎のヴォーカルに絡む伊澤一葉と浮雲の低音と高音のクールなコーラスワーク、ファンクネスなリズム隊のグルーブと、熟し切った果実のような贅沢さが鼻先をくすぐります。アルバム『娯楽』収録版もさることながら、ライヴDVD『Just can't help it.』に収められているバージョンもアンニュイで素晴らしいのでぜひ。

2.「MIRROR BALLS」(’02)/DATE CO
URSE PENTAGON ROYAL GARDEN

昨今はジャズとヒップホップの連続性を紐解きつつ実践するべく、N/K名義でラッパーとしても活動する菊地成孔が率いるdCprG。クラブ以降の時代を生きる世代にとってのダンスミュージックと言えばEDMだったり、ジューク/フットワークだったり4つ打ちのダンスロックだったりするのですが、これだけ濃密で純度の高いスイートなダウナーさと共倒れすると、パラダイスガレージが束の間の自由な空間で溺れたディスコの理念にほんの一瞬触れられたような心地になります。

3.「キラーボール」(’13)/ゲスの極
み乙女。

年明けから本当に、本当にいろいろあったのですが、これだけの情報量と技術とアクの強さがせめぎあうことなく共生し、かつ「僕たちのやっていることはJ-POPですよ」としらを切り通せるバンドは、彼らを含めて数えきれるほどしかいないと思うのです。この曲を発表した当時は“プログレヒップホップ”と冠されることも多かったようですが、サンバのリズムの上空で冒頭からアウトロまで貫かれる感傷的かつ内省的メロディーと内省的なリリックで胸をかきむしりながら踊らせるその巧みさは、確かに“ダンスロックバンド”と包括してしまうのが憚られるほどの威力があります。

4.「ミライボウル」(’11)/ももいろ
クローバー

今や“楽曲派”と呼ばれるアイドルも珍しくないですが、「アイドルというフォーマット/パッケージであればなんでもできる」というロジックによってこれだけ革新的な楽曲が矢継ぎ早に産み落とされるきっかけとなったのは、やはりももクロだと思うのです。ミュージカル調のダイナミックかつキュートなAメロ・Bメロからアップテンポのサビに目まぐるしく変わり、早見あかりの高速ラップが「好・き・な・の」の殺し文句で落とされ、百田夏菜子の気迫のこもったソロが胸を打ち…と、本当に休ませてくれないプログレナンバーです。

5.「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」(
’12)/BABYMETAL

偶発的な産物がマーケティング的戦略から大きく外れたところで予想外に成功してしまうカタルシスという点において、ベビメタに勝るアーティストはいないかもしれません。楽曲はあくまで一発勝負で様式美を保ちつつ、トラックやビジュアルイメージはメタル、歌とパフォーマンスはアイドルという、どちらにも振り切らないバランスの妙のなせる技でしょうか。いずれにせよ、海外のごついメタルファンが「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト!」とシャウトする微笑ましさだけでもうどうでもよくなります。ちなみにこの曲に関しては歌詞に“ミラーボール”が登場するというだけです。

著者:町田ノイズ

OKMusic編集部

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