L→R 晨(Ba&Cho)、みっちー(Vo&Gu)、ジョン=エブリバディ(Dr&Cho)

L→R 晨(Ba&Cho)、みっちー(Vo&Gu)、ジョン=エブリバディ(Dr&Cho)

【シンガロンパレード】ポップスであ
る意識は忘れたくない

結成以来、さまざまバンドコンテストでグランプリを獲得し、ネクストブレイクの期待がかかる京都発3ピースバンド。通算5枚目のミニアルバム『素敵な不摂生』でも確認できる、彼らならではのサウンドの秘訣を3人に訊く。
取材:帆苅智之

ミニアルバム『素敵な不摂生』からはモータウンやニューオーリンズ、サザンロック辺りの影響が感じられます。ほぼ平成生まれと言っていい若い世代のバンドが、どうしてそうしたオールドアメリカンな音楽性を持ち得たのか、素直に興味を惹かれるところですね。

みっちー
あぁ、それは僕ですね。父親が昔、アメリカンオールディーズの店で働いていたんですよ。自分が意識していない幼少期からずっとそういう音楽に触れてきたことで、未だにそういうメロディーとかが頭に残っているんだと思います。ただ、“僕、ルーツミュージックが大好きなんですよ!”って自分の趣味をそのまんまやっちゃうと、ルーツミュージックのファンの人たちにしか届かなくて、しかも、カバーを評価されているかのような評価のされ方をするんですよ。“あいつらのはちゃんとしたルーツミュージックじゃない”とかね。だから、 “自分の好みを新しいかたちにしたい”とは常々思っています。

そう。シンガロンパレードの最大の特徴は、そうしたルーツミュージックをスノッブに聴かせるのではなく、ポップに仕上げているところでしょうね。「TO・TSU・GU・WA」ではモータウンビートに《男性¥6,000 女性¥2,000》という歌詞を乗せていますが、この辺りはものすごい発明ですよね(笑)。

全員
ははははは。
みっちー
トラックと歌に乗せて言うこととは分けて考えていて。例えば、ジャパニーズR&Bとかって、歌うこともジャンル側に寄せないといけないみたいな風潮があると思うんですけど、僕らは自分が生活している中で経験したことしか書けないですから、それを自分らの好きなトラックに乗せるというのがしっくりくるんです。

音楽ジャンルの雰囲気に飲み込まれてコピーバンドみたいになるのではなく、そこにしっかりとオリジナリティーを注入していきたいということですね?

みっちー
そうですね。僕らは戦争を経験していないですけど、戦争を経験していない現代っ子だからこそ、明日へは来て当たり前ものとして享受しているので、きっと僕が“明日への希望”と言っても説得力がない思うんですよね。それやったら、別れた彼女が婚活パーティへ行ってきた話のほうがいい(苦笑)。
晨&ジョン
ははははは。

あと、オールドアメリカンの他、昭和歌謡ブルース的な「親のセンス子知らず」もありますし、「ジャパニータ」のリフレインはニューウェイブ的な印象もあります。過去作にはグラムロックもありますし、音楽性は幅広くもありますよね?

みっちー
雑多ですね。というのは、もともとシンガロンパレードを組んだ時、曲作りのタイミングで全員の好きな音楽を再確認することがあったんですよ。普通最初は自分が好きな曲とかを持ってきて聴かせたりすると思うんですけど、あんまりそういうことをしたくなかったんです。彼らそれぞれにルーツがあるし、通ってきてないジャンルがあるというのもルーツだから、そこを自分が好きなものだけにしたくなくて。晨はaiko、ジョンはゆずが好きだったから、aikoが好きだから出てくるフレーズも、ゆずが好きだから出てくるフレーズもあるやろと。俺は自分が好きな音楽のフィルターを通してメロディーとコードを書けばいいと思っているので、それがうまいこと噛み合って楽曲になっている気はしてますね。だから、ベースとドラム全部に細かい指示を出すことはしてなくて、各々が出してくるものに任せるのが基本です。

みっちーさんは基本はコードとメロディーを持っていく感じですか?

みっちー
いや。4小節くらいしか持っていかないこともあります(笑)。
それこそ、「TO・TSU・GU・WA」は“面白いフレーズができたんや”って歌い出しの《男性¥6,000 女性¥2,000》だけを持ってきて(笑)。
ジョン
“これでハモってくれ”と言われたので、ただ僕らは“分かりました”って(笑)
みっちー
うん。そこから3人で作っていきましたね。コードから何から。
「TO・TSU・GU・WA」のサビは今とは全然違っていて、“これ、全然サビの感じがしないっすねぇ”って(苦笑)。
みっちー
そうそう。一番最初は《男性¥6,000 女性¥2,000》をサビにしようとしていたんですよ。
ジョン
で、“これはサビじゃないよね?”ってなって(笑)。
そこで“もうちょっと違うものを持ってきて”って発注しました。
みっちー
僕が持っていくフレーズは、イントロなのかAメロなのかBメロなのか決まってない状態が多くて。パズルの一片を持ってきて、“これってさぁ、どの辺にはまると思う?”っていう(笑)。ふたりはパズルの全体像を知らないから、“どの辺にはまるも何も…これ、何すか?”みたいな(笑)。いつもそういう状態で曲作りはスタートしますね。

そうして出来上がった楽曲はポップで楽しいものばかりですが、3人で曲作りすればこのくらいのポップさは自然と出てくる感じでしょうか?

みっちー
それはそうかもしれないですね。3人とも歌ものである意識は持っているので、作っていく段階で“それって聴いている人は楽しいん?”って、楽しく聴けるかどうかは意識せずとも考えていると思います。ポップスである意識は忘れたくないというか。

ロックバンド、ファンクバンドという括りではなく、自分たちはポップスバンドであるという認識ですか?

ジョン
うん、そうですね。
みっちー
立って聴いても寝て聴いても楽しいのがJ-POPだと思うんで、そういう曲ができればと僕は思っています。

極めて3ピースバンドらしいバンドアンサンブルがシンガロンパレードの特徴ではあると思いますが、バンド側としては、そうしたカテゴライズよりも、“J-POP”でありたいという思いが強いのですね。

みっちー
そうですね。それは自分たちが歳をとった時を見据えているところもあります。正直言って、自分が60代になった時に“ダンスミュージックをやってます”と言っても説得力がないと思うんですね(笑)。だから、自分がおじいちゃんになってもやっているような音楽であることは考えてますね。その世代で今も残っている人たちってソングライティングがちゃんとしていて、昔から作り方を変えてないじゃないですか。小田和正さんにしてもそうだし、桑田佳祐さんにしてもそう。そうした先人に学んでいる気はしますね。
『素敵な不摂生』
    • 『素敵な不摂生』
    • SMRE-0009
    • 2016.10.05
    • 1800円
シンガロンパレード プロフィール

シンガロンパレード:2012年4月、京都で結成。派手な容姿に似合わず確かな楽曲とエンターテイメント性あふれるステージが世代を問わず支持を得る。活動開始以来、関西のさまざまなバンドコンテストでグランプリを獲得し、14年にはラスベガスでのライヴも経験。16年10月、Soul Mate Recordより5thミニアルバム『素敵な不摂生』をリリース!シンガロンパレード オフィシャルHP

OKMusic編集部

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