【L.O.S.T インタビュー】
遊びをめちゃくちゃ本気にやっている
愛知県名古屋市で2021年に結成された5MC1DJのヒップホップクルー・L.O.S.T。メンバー全員にその成り立ちであり、これまでの活動や最新MVについて語ってもらった。
音楽も含めて
楽しみ方の提案をしたい
同じ服飾系専門学校に通っていた仲間同士で結成したんですよね?
M3R
はい。でも、Sonnywcdは違うんですけど。
Lorry Wheel
僕と高校で一緒だったんです。
ROBBIN
だから、普段遊んでいた仲間の6人っていう感じですね。
もともとはイベントをオーガナイズする目的で集まったそうですが、コロナの影響でそういう活動ができなくなったのがL.O.S.Tの結成につながったと聞いています。
M3R
そうです。ちょうど第1波があってイベントが全然やれなくなり、音楽を作る方向になっていったんです。今度、初めて自分たちのイベントをやるんですけど。
『Youth After The Loss』の「Vibes (Intro)」の《ライブの数一桁なのは内緒 どう見ても異臭放ってるcrew》というリリックは、そういう事情によるんですね?
M3R
地元の名古屋の他に東京でやるようにもなっていますけど、それ以外の場所でもライヴをしたいですからね。
メンバーは最初からこの6人だったんですか?
M3R
最初は俺とROBBINで一緒にやり始めて、少しずつ増えていった感じです。
ROBBIN
トラックをYouTubeから引っ張ってきて、それでラップをし始めたら、できるようになっちゃったんです。
ROBBIN
もともといろいろ聴いていたからノリは分かるんですよ。だから、それを自分なりに出していく感じでした。感覚を掴むまでに少し時間がかかりましたね。
M3R
最初の頃の自分のラップは聴きたくないですね(笑)。誰のラップにも寄りたくなかったから、自分のスタイルを少しずつ探していく感じでした。
みなさんの世代だとヒップホップは普通にいろんな場所で流れたいたでしょうし、自然と吸収していたものもあるんでしょうね。『フリースタイルダンジョン』が放送されていたのは、中学生くらいの頃ですか?
M3R
でも、バトルとか日本語ラップとかよりはUSの音楽だったり、最近のUKの音楽とかが全員が共通して好きなものですね。
M3RさんとROBBINさんがラップし始めたあと、他のみなさんはどのような感じで加わっていったんですか? “面白いゲーム見つけたから一緒にやろうよ!”って誘うような感覚?
ROBBIN
まさにそんな感じでした。みんな一緒のバイト先だったので、その辺は早かったんですよね。
M3R
最初に曲が書けたの、BiLLじゃなかったけ?
BiLL
そうだっけ? 僕はもともと音楽自体が好きだったから、意外と最初から自分の感覚でやることができたんですよね。
Nine Dalíさんはどんな感じで参加するようになったんですか?
Nine Dalí
僕がバイト先の2階にいたら、1階にいたM3RとROBBINが階段を上がってきて“名前が決まったよ”と。“何の名前?”って訊いたら“クルーの”と言われたんですけど、何のことか分からなくて(笑)。いつの間にか僕も入っていたんです。でも、もともとラップはやりたいと思っていたので、すんなり受け入れられました。
Lorry Wheelさんは?
M3R
Lorry Wheelはもともとデザインをやっていたんですよ。
Lorry Wheel
だから、最初はフライヤーとかのデザインをやるつもりで入ったんですけど、遊びでラップをしているうちに楽しくなって、僕も気づいたら一緒にやっていました(笑)。
Sonnywcdさんは先ほどのお話にもあったとおり、Lorry Wheelさんと高校が一緒だった縁で加入したわけですね。
Sonnywcd
はい。俺だけみんなとバイト先が違ったんですけど、みんなのバイト先に行ったら、5人が紙を持ってラップしていたんですよ。“どうした⁉”って思いましたね(笑)。
M3R
僕らは最初はライヴをやるとか全然考えていなかったから、最初のライヴの時は違う人にDJをしてもらったんです。そしたら、やっぱりDJのメンバーが欲しくなって、僕が電話してSonnyを誘いました。
メンバーが揃って活動が本格化していき、最初に発表した曲が「Lighter(feat. Mehrshad, ROBBIN & BiLL)」(21年7月発表の配信シングル)?
ROBBIN
うん。MVは一緒のバイト先で働いていた人と作りました。その彼は今は東京で映像の仕事をやっています。
専門学校に入った頃はアパレル業界で働く未来を想像していたと思いますが、思わぬかたちで人生が動いていますね。
ROBBIN
そうですね。でも、今のかたちが理想だったのかなと感じています。
音楽活動は他の何かとリンクさせていくこともできますからね。ヒップホップはそもそもダンス、グラフィティも含めたカルチャーですし、ファッションとかとも結びついていますから。L.O.S.Tの活動がアパレルのビジネスにつながっていくことも十分あり得ると思います。
M3R
そうですね。ラップしつつ、そういうものにもだんだんと広げていきたいです。
ドクター・ドレーはビーツのヘッドフォンでも成功しましたし。
M3R
そういうのもやりたいですね。ヘッドフォン各社様、もし機会があったらお願いします!(笑)
BiLL
音楽を軸にしつつ、どんどん広げていきたいですね。
M3R
今度、『L.O.S.T BOX』っていう自分たちの新しいパーティーを始めるんですけど、それは僕たちはライヴはしないんです。自分たちの好きな遊び方を提案できるような場所にしたいと思っていて。音楽も含めて楽しみ方の提案をしたいんですよね。