OLDCODEX Painter YORKE.
『WHY I PAINT
~なぜボクがえをかくのか~』
- 第75回
♪Breathe / The Prodigy -
奇抜な髪な男が煽りまくってる。
東京の夜、小さなBarの中の温度は上がって
オレはまだ不慣れなテキーラをロックで飲んでる。
心の中にいる良心みたいなものの欠片と
ただただ時間だけを浪費してる夜に訴えかけてくる。

バイクの手入れをする時。
木製パネルに水で張ったばかりの
画用紙を眺める時。
尖ったナイフで鉛筆を削る時。
それは好きになったあの子に会う前じゃなくて、
これから独りで何かに立ち向かう時。
ヘッドフォンが破壊されそうに
たくさんの音で攻撃されてるのに
耳は心地良くてハートに響くサウンド。
ハロウィンの仮装でキースフリントに
成りきって舌を出したりした。

その痛みに耐えられたのも奇才で
不思議な存在が僕をそうさせたのかも。
彼が死んじゃってその音を再生するのがなんか怖かった。
でもこの身体にそのサウンドは
すっかり吸い込んでいたせいか
今も君のゲームで楽しんでる。
そしてまたひとり
世界を夢中にさせた男は旅立ってしまった。
そういえばさ、
デスロールを繰り出すワニの顎はさ
噛む力はとても強いのに開く力がとても弱いんだって。
僕たちの手みたいだね。
いつか会えた時にこの話をしたかったよ。
「そんな事もちろん知ってるぜ」
って君は舌を出して笑いそうだけど。
RIP Keith Flint.
YORKE. / March, 2019