OLDCODEX Painter YORKE.
『WHY I PAINT
～なぜボクがえをかくのか～』
- 第94回
♪blink-182 / Adam’s Song -

特に何か用事がある訳じゃない１日。
なんとなく車を走らせて、少しの買い物を
大げさに遠回りしてショッピングモールに車を停める。
1000円以上お買い上げで１時間無料は
自分をごまかす最適な言い訳カードになる。
あ、そういえばあいつに子どもが生まれて
何もしていなかったなあ。
あ、そういえばあの子の誕生日が近かったなあ。

特に何か用事がある訳じゃない１日の
スケジュールがどんどん埋まっていって
さらにやんなきゃいけないってことを思い出したりして
バタバタ早足でショッピングモールをぐるぐる。
２階までエスカレーターで下ったところで
買い忘れを思い出してまた３階にカムバック。
そんな感じですっかり両手で荷物を抱き抱えて
いつの間にか3時間くらいの無料カードを手に入れてる。
流石にもう帰ろう。

ペットショップの前。
はい、気が付いたら、3時間でも足りないくらい時間が経ってた。
ペットショップの店員のお姉さんが擦り寄ってきて
「この子、連れて帰ってあげてください。」
ヤバすぎる展開にまた巻き込まれてる。
抱っこは断固拒否して、撫でたりジロジロ目を合わせたり。
その店員さんと話していると、
なんだかとても動物が好きで、信頼できる感じがした。
どこで生まれてどういうルートでここにいるのか。
その真っ白な子犬は時々チラチラ僕を気にしてる。
本当に悩んだ。。。
でも結局僕は連れて帰らなかった。

ペットショップの値札を見るたびに、
僕はいくら付くんだろうとか、余計なことも考えてる。
君も僕は似てるね。
いつか再び、犬と共に暮らす日は遠くない気がする。
でも、まだまだ準備しなきゃいけない事もあるし、
それに自分の仕事や生活のスタンスも変えていかなければ。ね。
いつかサーフボードに一緒に乗せてやろう。
あ。車酔いしちゃうヤツだったら、
海の近くに部屋を借りなきゃね。

うん。この発想、やばい。
自分をリセットするために帰りの車で
あの子犬を忘れようと、blink-182を爆音で
流したんだ。
素敵なファミリーに迎え入れてもらって、
めちゃめちゃ可愛がってもらえよなっ！

YORKE. / October, 2020