OLDCODEX Painter YORKE. 『WHY I P
AINT
~なぜボクがえをかくのか~』
- 第15回 Trash / Suede -
19歳、とにかく時間を浪費するほどあった頃。
アルバイト先で友達になった歳上のベーシストの部屋で、夢を語り合ったり大人の真似事を覚えたり、知らないジャンルの音楽を知ったり。
アルバイト先で友達になった歳上のベーシストの部屋で、夢を語り合ったり大人の真似事を覚えたり、知らないジャンルの音楽を知ったり。

上京してきた彼は、オレより色々な事を知っていたんだ。殺風景な部屋で、彼が大切にしていたベースを少し教えてもらったりもした。その頃のオレは楽器に興味を持てなくて、スピーカーから流れる音楽に合わせてベースを弾く彼の姿を絵に描いたりした。ヤツの彼女ともオレは仲が良かったから、バイト終わりの明け方によく一緒に朝食を食べたりした。生意気な盛りのオレに2人はとても優しかった。ある日、食事を終えた明け方の路上で、その彼女が突然オレを好きになったと言い泣き出した。彼はまるで全てお見通しだったかの様に気まずそうに距離を作った。オレは2人とも大好きだったけど、その瞬間に違う場所、どこか遠い場所に行ってしまったみたいで悲しかった。

"ただのゴミくずなのさ、ぼくときみは"
明け方の街で、風に舞ったゴミくずが美しかったよね。
そしてぼくは今日も絵を描く。
街には素敵な音楽が溢れているから。
明け方の街で、風に舞ったゴミくずが美しかったよね。
そしてぼくは今日も絵を描く。
街には素敵な音楽が溢れているから。