OLDCODEX Painter YORKE.
『WHY I PAINT
~なぜボクがえをかくのか~』
- 第77回 ♪Des’ree / Life -
至る所にオーナメントが飾り付けられて
豪勢な料理が並んでる。
見たことのない柄の風船が飛んでる。
子どもの頃、招待してもらったお金持ちの
友達のバースデイパーティーがカラフルだった。
僕はそんな誕生日会に憧れてただろうか。
誕生日プレゼントにダンボールのロボット。
胸に”Happy Birthday!”って覚えたての英語を書いたりした。
友達は苦笑いでそれを受け取った。
彼は本当に友達だったんだろうか。
そして一人になった帰り道、
30年前の少年は何を思ったのだろうか。

僕の母親は精一杯の愛情で
慣れないクッキーを焼いてくれたし、
父親はドライブに連れて行ってくれた。
ケンタッキーでチキンをクリスマスみたいに
買って食べきれないくらいだった。
どんなおもちゃやケーキよりも
母親の膝の上で聞いた物語を覚えてる。
4月。僕は40歳を迎えた。
深夜、ジムで自転車を漕いで
イヤフォンからDes’reeが歌ってる。
懐かしい曲とSNSやLINEの通知音。
なんだか賑やかなiPhoneだったな。

ふと父親の車の匂いを思い出した。
エンジンと煙草の匂いが旅の始まりを
演出した大きなバン。
マットな色が大好きだった。
オレが選んで乗ってる車の色もきっと
彼の影響に違いないと思ったりした。
ひと眠りして、
僕はChildhoodな仲間達と名古屋へ
向かった。
この時のことは是非Rest of Childhoodの
Instagramでも見て欲しいな。
ファンの皆やファミリーと共に
一人じゃない最高なバースデイだった。
ありがとう。
年齢を重ねて見えてくることもあるだろう。
失っていく感覚だってあるだろう。
目を逸らさないで、まだまだ
手を伸ばしてそれに近付いていこう。
母親からの”バースデーおめでとう”って
LINEになんとなく返事をし損ねた僕は、
母の日を言い訳に彼女の好きな花を贈った。
“from 40”って書いたらなんか泣きそうになる。
ばあちゃんがまだ生きていたら
思いっきりハグしたい気分になった。
さあ、この人生のドラマはどこへ向かうのかな?
2000年に20歳を迎えて、
新時代の令和で40歳を迎えて
何かとミレニアムな感じになっちゃってるけど
それにふさわしいドラマをまだまだ作ろう。
あ。健康診断とかそろそろいこー。
まずは改めて自分を知ろー。
でも。なんかやだなー。
採血されるのめっちゃ苦手ー。
この人生はさ、
“Doo, doo doo doo”なんだよ!
YORKE. / May, 2019