OLDCODEX Painter YORKE.
『WHY I PAINT
~なぜボクがえをかくのか~』
- 第90回♪Lennon Stella
/ Older Than I Am -
襟足は肩くらいまで届いてる。
伸びるとうねりだす僕の髪質のおかげで
パーマをかけたみたいになってる。
それに髪の量が半端ないからなんか重たい感じがする。
ってことで友達の美容師に髪を切ってもらった。
いつもより短くして軽くなると、
ここ数ヶ月抱えてきた物の重さを感じたりした。

たったこれだけのことで、今の僕は世界が昨日と違って見えてる。
両目に重たくかかってた髪の毛も無くなって視界もクリア。
帰り道、その美容師の友達を車に乗せて
家まで送っていく。外は季節が変わる前の雨が続いてる。
あの店の角にうまいラーメン屋がオープンしたから
今度食べに行こうよ、って話。
昔付き合ってた恋人が最近
結婚して子どもを授かったらしいよ、って話。
もう20年くらい、会話の内容は変わらないのに
世界や自分たちを取り巻く環境は少しづつ変化を続けてる。
彼を家の前で降ろす時、いつもの握手はお互い拳に変えて
拳をぶつける。トン、トン、って。
それが僕たちの再会の約束。
帰り、奴は少し寂しそうに僕を見送ってるけど
僕は振り向きもせずに次の目的地へさっさと向かう。
これも20年くらい何も変わってない。

僕は高校生の時、美容師になりたかったなあ。
今でも憧れの職業だ。
ハサミひとつで人の人生にちょっと入り込んで
その人の抱えてる何かを切り落として
新しいスタートを作る。
TonTon(※その美容師の友達ね!)に
「毎回、なんでウチの店を宣伝してくれるの?」
と不思議がられたことがある。
その時なんとなくはぐらかしたけど、
僕は彼が今のお店を立ち上げる時にした苦労を知ってる。
奴がハサミを持つ姿は僕の憧れそのものの姿でカッコいい。
それに何より僕たちは友達じゃないか。
僕が人生で一番落ち込んだ時、
真っ先に駆けつけそばに寄り添ってくれた日を忘れないよ。
これを読みながら、
なんとなく髪が伸びて気分が重たいなーって感じてる人
五反田駅前すぐ!のカトゥルヘアーへどうぞ!
お洒落なサロン!とは胸を張れないけど(※変な置物とかあるし)
腕利きでお客様のお洒落を一番に考えてる美容師がそこにいます。
ヨークの紹介!って伝えればコーヒーでも振舞ってくれるよ。
はい、宣伝おしまい。
YORKE. / June, 2020