【RISKY DICE】ポジティブでいて自由
奔放に作った作品です
大阪のレゲエサウンドクルーRISKY DICEが初のオリジナルアルバムをドロップ! 攻めのダンスホールからミディアムチューン、スカナンバーなどさまざまな楽曲が並ぶ、ポジティブなヴァイブスが詰まった作品だ。本作に込めた思いを、メンバーのMiyamo(MC&Sel)に訊いていこう。
取材:土屋恵介
まず、RISKY DICEはどのように結成されたのですか?
ニューヨークのブルックリンがサウンドクラッシュっていう、サウンドクルー同士が音で戦うメッカなんですよ。もともと大阪で活動してたけど、向こうで修行しようって2007年くらいに住みはじめて、セレクターのLibertyも来て、2008年にRISKY DICEってクルーを作って活動を開始したんです。そこにDiabaとMonkが加わって4人組になったんです。
RISKY DICEのライヴのスタイルは?
Libertyが曲をかけて、僕がMCで煽るのがうちのスタイルなんですけど、盛り上げ方が他と違うみたいでお客のみなさん笑ってます(笑)。基本、いい音を聴いてもらって、面白いことして、笑ってもらうのが一番だと思います。音楽と笑いが融合できたら、他にないスタイルになると思ってやってますね。
MonkさんとDiabaさんの立ち位置は?
分かりやすく言うと、ゆるキャラですね。ワンマンだと僕とMonkの2MCでやるんですけど、Diabaは踊ってます。なので、地方に行く時はLibertyとふたりで回ることが多いんです。
では、今回の1stオリジナルアルバムですが、どんな作品にしようと思いましたか?
今までオールダブミックスCD『びっくりボックス』シリーズを2作出してきたけど、僕はそんなに多くはフルプロデュースはやってなくて。なので、仲間のアーティストと遠慮なく意見をぶつけ合いながら曲作りをしていきました。さらに、僕が世に推していきたいアーティストに参加してもらって作ったアルバムですね。言うたら、このアーティストのこんなスタイルの曲を聴いてみたいっていうのが、どの曲も始まりですね。
最初にどの曲が軸になったのですか?
どれもほぼ同時進行だったんですけど、10曲目の「NO-TE-N-KI feat.RAM HEAD」が最初に出来上がった曲なんです。
一番オーセンティックなスカの曲ですよね。
ダンスホールをやってるし、ジャマイカのレゲエに惹かれてサウンドを始めたので、オーソドックスなスカ、レゲエの気持ち良い曲を、日本のいろんな人に聴いてほしいなと思って、RAM HEADと試行錯誤して作ったんです。アレンジも全部ジャマイカでやったトラックなので、気合入って作った曲ですね。
この曲をはじめ、歌詞は基本ネガティブなことを置いて前に進んでいこうというポジティブなものですね。
そこはどの曲にも共通したメッセージになってます。僕ら、レベルミュージックもあるけど、今回の作品はポジティブってところにスポットを当てて、聴いてくれる人の背中を押せるようなものに重点を置いて作りました。
1曲目の「OH!」から勢い全開ですね。
常にトラック製作は僕とMOTOHARAくんでやってるんですけど、“Miyamoの良さは、ステージで自由奔放に表現してるところだから”って言われて、深いことを考えず完全に遊んだだけですね(笑)。きれいに言うと、“音楽=自由”ってことを表現しました(笑)。
「STANDING SOLDIER feat.BIG BEAR」は、攻め感のあるパワフルなナンバーで。
BIG BEARは10代後半から一番付き合いが長い歌い手なんです。でも、初めてのプロデュースで気合い入れて作りました。彼はジャマイカのダンスホールのテイストを一番大事にしてやってる大阪のアーティストだと思ってて、その良さを日本の人たちに伝える楽曲にしようと思って作ったんです。現場でもガンガン盛り上がればいいなって。
「Is this love song? feat.RAM HEAD」はかなり男目線のラブソングですね。
ですね。まぁ、レゲエのアーティストの良さは、思ったことを歌うのがええとこかなって。しかも、しっとりしたラブソングはいらんと思ってたので、意外とファンクのテイストも入った爽快なラブソングになったなって。
他の曲もそうですが、いろいろなジャンルをミックスした楽曲が多いと思いました。
自分が好きなことを、いい意味で深く考えず、いいバランスを取りながら作れたかなと思ってます。
「Just Do It feat.RAY」の曲調はJ-POPに近いくらいですし、キャッチーさもストレートに混ぜていきますよね。
そうですね。トラックも最初は、マイケル・ジャクソンが歌っててもありな感じから変化していったんですけど。ほんまに自分のやりたいことをただやってますって感じですね。
KIRAさんとの「Beautiful Days feat.KIRA」は、かけがえのない日常の大切さを歌ったミッドチューンですね。
R&Bと大阪レゲエは親密な関係で、これは裏ナンバーワンくらいの曲ですね。曲作りは難航したけど、最高のアレンジができました。毎日を大事にしていこうよって人生賛歌みたいになって、これ聴いて自分で励まされました(笑)。
そして、最後の「NO-TE-N-KI feat.RAM HEAD」でアルバムは明るく終わっていくわけですが、“明日も頑張ろう!”って気持ちを促すアルバムになりましたね。
そうですね。自分が最初に“レゲエ=背中を押してくれる音楽”って印象があって、それを最初のアルバムでも出したかったんです。それができたなって気持ちはありますね。
アルバムが完成して、今どんな想いがありますか?
ダブってもともとある曲に自分らの色を付けてく、1を100にする感じですけど、プロデュースは0から1を作る作業で。僕的には、0から1を作る楽しさを知れた作品になったかなと思います。今の僕はステージが一番楽しいんですけど、今後ステージで自分らの作った音をディールできていけたら、もっと面白くなっていくだろうなって感じてますね。
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『僕らは歌を唄うグループでは、ありません! vol.1 〜楽をしたけりゃ苦もウェルカム〜』
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リスキーダイス:2008年にニューヨークで結成。同時にブルックリンの名物『DANCE`WAH GWAAN WEDNESDAY`』にて約1年に渡り毎週出演し経験を積んだ後、09年に帰国と同時に日本での活動を本格的に開始。大阪ヴァイブス全開のアホなライヴパフォーマンスで、毎夜会場をRISKY DICE色に染め続けている!RISKY DICE オフィシャルHP