大原櫻子

大原櫻子

【大原櫻子 インタビュー】
人の人生が映画だとしたら、
そのひとコマを切り取ったような感じ

デビューしたての時はむしゃらで、
周りが全然見えていなかった

「Hello My Fave」と「JUMP」はライヴで盛り上がりそうです。「Hello My Fave」はライヴに向けたファンの気持ちを代弁しているし。

SNSを見ると“今日のライヴにはこんなコーデで行きました!”ってグッズを全身にまとった写真を載せてくれていたりして、そういうみんなの姿が愛おしすぎちゃって(笑)。そんなみなさんをイメージして作りました。自分も推しのライヴではそうなるので。この曲でライヴがますます楽しみになってくれたら嬉しいですね。

一緒に歌えるところもありますしね。

もう声出しもOKですから。「Hello MyFave」は《LaLa LaLaLa (LaLa LaLaLa)》とか《Hey! (Hey!)》とか大人数感が出ていますけど、実はディレクターさんとふたりでいろんな声を録って重ねたんです(笑)。子供や大人の女性とか、あまりライヴに興味がなさそうな人とか、いろんな設定を考えてその人を演じました。

「JUMP」は5月のライヴハウスツアーですでに披露済みとのことで。

はい。作詞の高橋久美子さんとはリモートで打ち合わせをして、10年の感謝の気持ちだったり、つらい時もあったけどその日々をみんなと一緒に乗り越えてきたことを伝えて書いていただきました。《みんながくれる優しさが 私の太陽 smile》というフレーズがあるんですけど、それこそ私が陰に入った時に私を光で照らしてくれるのがファンのみなさんだし、逆にみなさんが陰に入った時は少しでも照らせるような存在になりたい。そういう関係を歌詞で表現してくださったことが嬉しいです。この10年、ファンのみんなに支えてもらってきたし、ここ数年はよりひとりひとりと向き合う時間が増えている気がします。

ひとりひとりですか?

そうです。“ファンのみんな”という大雑把なものではなく、本当にひとりひとりです。

どこかでファンとのコミュニケーションに対する意識が変わったのでしょうか?

変わったわけではなくて、デビューしたての時はただがむしゃらで、周りが見えているようで全然見えていなかったんでしょうね。でも、本当のありがたさとか本当の喜びというものが、自分でいろいろ動くようになったことで見えてきたんだと思います。

そして、「bitter sweet cinéma」はリード曲です。デビューから10年の人生を失恋ソングとして歌っているのが面白いと思いました。

メロディーはポップで可愛いらしさもあるんですけど、それを失恋ソングにするのは10年前の私ではできなかったと思います。それこそ後半にかけてはデビュー当時に立ち返るような歌詞になっていて、それも今だから歌えることだなって。

恋は叶わないし、夢も叶っていないけど、それを悲観するのではなく、むしろこれから叶えられると前向きに歌っている歌詞が良かったです。

ありがとうございます。これも「寂しいの色」と同じで、最初に曲を聴いた段階で1番の歌詞があって、《10 年後 20 年後あの約束も》という歌詞も入っていて、10周年にぴったりでめちゃくちゃいいなと思って選びました。声色にもこだわって、コロコロと表情を変えながら録ったんで、デビュー当時とはまったく違った声も聴いてもらえるんじゃないかと思います。

“bitter sweet cinéma”と、映画に例えているのもいいですね。

これは全曲そうなんですけど、人の人生が映画だとしたら、そのひとコマを切り取ったような感じがどの曲にもあると思っていて。特にこの「bitter sweet cinéma」は歌っている自分自身も映画のヒロインになったような感覚で、音楽自体も映画のいいシーンで流れてくれたらいいなと思う曲だし。本当に何度も言いますけど、光と影、ビターとスウィート、このアルバムのテーマを象徴するような曲だと思います。

“bitter sweet”と聞くと、『オールナイトニッポン』のテーマソング「Bitter Sweet Samba」を思い出します。

確かに! それは嬉しいですね。

嬉しい?

はい。大原櫻子がドンピシャじゃない世代の方に、そういうかたちで響くのって、なんか嬉しいです。そういうところで“なんか懐かしいな”と思ってもらえると、その曲がすごく気になるじゃないですか。そうやって聴いてもらえるきっかけがどんどん増えたらいいなと思っているので。

この曲はMVも制作されたそうですが、どんな作品になりましたか?

映画館で働いている女の子が自分が出ている映画を観ているという。どちらも私が演じていて、ちょっと不思議な感じでした。撮影場所は川越にあるスカラ座という昔からある風情のある映画館です。スクリーンに映し出されている私を観ているシーンは、私自身が映画でデビューした時のことと重なって、何とも言えない気持ちで胸がアツくなりました。

そして、10月には『Zeppツアー2023「大原櫻子10(点)灯式」』が控えています。

この「スポットライト」をひっさげたツアーになります。東京はZepp Hanedaなんですけど、足湯があるんですよね。ライヴ前に入りに行こうかな? バレたらバレたで“どうも! またあとでね”って仲良くなれていいんじゃないかと(笑)。5月に開催したライヴハウスツアーが“10(天)まで届け!!”というタイトルだったから、ホップステップジャンプじゃないけど、そこからさらにステップアップしたものにしたいです。「JUMP」を除く5曲はライヴ初披露となるので、新曲に重きを置きつつ、既存曲でも声出しをして盛り上げたいなって。

デビュー当時、10年後に叶えていたい目標とか夢とかってありましたか?

なかったと思います。というのも、その時が幸せであればいいと思っている人なので。そういう意味では、“10年後も楽しいことができていたらいいな”というのが夢だったかもしれません。場所とか数字とかよりも、いい作品を作れることが喜びなので、そこはぶれずにずっと守り続けているところですね。

取材:榑林史章

ミニアルバム『スポットライト』2023年8月30日発売 Victor Records
    • 【初回限定盤A】(CD+Blu-ray)
    • VIZL-2223
    • ¥8,250(税込)
    • 【初回限定盤B】(CD+フォトブック)
    • VIZL-2224
    • ¥4,620(税込)
    • 【通常盤】(CD)
    • VICL-65871
    • ¥2,420(税込)

ライヴ情報

『Zeppツアー2023「大原櫻子10(点)灯式」』
10/03(⽕) 愛知・Zepp Nagoya 
10/05(⽊) 大阪・Zepp Namba(OAKA)
10/12(⽊) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)
10/14(⼟) 福岡・Zepp Fukuoka 

大原櫻子 プロフィール

オオハラサクラコ:2013年公開の映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の全国ヒロインオーディションで5,000人の中から抜擢され、スクリーン&CD同時デビューを果たす。16年に2ndアルバム『V(ビバ)』をリリースし、全18公演の全国ツアーを開催し、ツアーファイナルは自身初となる日本武道館公演(2デイズ)を成功させた。大原櫻子 オフィシャルHP

「bitter sweet cinéma」MV

「寂しいの色」(Lyric Video)

「JUMP」 LIVE ver.
@ EX THEATER ROPPONGI 2023/5/11

OKMusic編集部

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