L→R MINATO(Dr)、MORRIE(Vo)、“CRAZY”COOL-JOE(Ba)、YOU(Gu) Photo by Hidekazu Maiyama

L→R MINATO(Dr)、MORRIE(Vo)、“CRAZY”COOL-JOE(Ba)、YOU(Gu) Photo by Hidekazu Maiyama

【DEAD END インタビュー】
4枚を聴いて思うのは
“カッコ良いバンドだったと思う”
ということ

さまざまなミュージシャンが、多大な影響を受けた存在としてその名を挙げるDEAD END。このバンドが80年代にリリースした『DEAD LINE』『GHOST OF ROMANCE』『shámbara』『ZERO』という4枚のアルバムが、アナログ盤としてリリースされる。特定のジャンルでは括りきれない楽曲の数々は、今後も輝き続けるはずだ。MORRIE(Vo)と"CRAZY"COOL-JOE(Ba)に活動の軌跡を辿ってもらった。

起爆剤だったというか、
勢いがついたというのはあった

4作品がアナログレコードとしてリリースされることに関して、どのように感じていますか?

MORRIE
『ZERO』のアナログ盤は初ですけど、他の3枚は当時アナログ盤でリリースされたので、僕もプレイヤーで聴いていたんです。1987年くらいからCDが世界的に普及しまして、『GHOST OF ROMANCE』からCDもリリースされましたが、何年も経って改めて聴き直してみると“アナログっていいなぁ”って感じました。やはり情報量が桁違いに多いですから。アメリカでは何年も前からブームみたいなものが起きていて、日本でも盛り上がりを見せていますし、CDとアナログを聴き比べてみても面白いんじゃないですかね? 良い音すると思いますよ。僕はまだ聴いていないですけど。
“CRAZY”COOL-JOE
LP盤っていうのは思い入れがあって、特別な感じがあるからね。また新しいかたちでレコードで出るっていうのは、今の人たちがどう思うのか分からないけど、自分としては懐かしい感じもあるし、大きいジャケットで見られる楽しみもある。『ZERO』に関しては今回初めてレコードになるので、“どういう見栄えになるんやろうな?”って思います。“インテリアとして飾ってもらってもええかな?”って思うけど。俺も今でもデヴィッド・ボウイの『ジギー・スターダスト』を飾ってる。昔は『ロッキー・ホラー・ショー』のレコードジャケットを飾っていたし。自分はレコードプレイヤーを持ってないから“どうやって聴こうかな?”って思ってるけど、音の違いを聴き比べてみたいですね。

今回のリリースをきっかけとして4作品と改めて向き合ったと思うのですが、過去の曲の印象はいかがですか?

MORRIE
やはり若い頃の作品ですからね。特に『DEAD LINE』(1986年)は勇気を振り絞って聴き直しました。4枚のアルバムを聴いて思うのは、“カッコ良いバンドだったと思います”ということです(笑)。

(笑)。ファンにとってはインディーズ作品だった『DEAD LINE』もかけがえのない魅力を持った作品ですよ。

MORRIE
個人的には聴きたくないんですけどね。でも、好きだと言ってくれる人の気持ちは分かります。聴いた当時に体験した衝撃とサウンドって、切り離せないものがあるので。

あのアルバムをデモテープ的な感覚で作ったという話があるようですが、実際のところはどうだったんでしょう?

MORRIE
そういうことを言った記憶はないんですけど、自分が言ったとするならば、自分的に出来栄えが良くない感じがあるので、あえてそういう感じのことをシニカルに言ったことがあるのかもしれないですね。でも、このアルバムはものすごいお金と時間をかけているんですよ。だから、デモテープどころの話ではないです。デモテープって1日とかで一気に録って、適当にラフミックスして作るものですから。『DEAD LINE』はギターの香川(初代ギタリスの香川孝博。『DEAD LINE』の制作途中に脱退)くんが録り終わったにもかかわらず、YOUちゃんがほぼ全曲差し替えて、バッキングも2曲くらい弾いたんですけど、まあ、かなりの時間がかかってます。制作費も相当かかっているはずなので、それはどう考えてもデモテープではないですよね。“CRAZY”COOL-JOE:その制作費を回収するのは大変やったと思うけど(笑)。まぁ、Night Galleryに目をつけてもらったおかげで、DEAD ENDの名前がちょっとは知ってもらえるようにはなって、それは嬉しかったですね。

当時、徐々にインディーズブームみたいなことになりつつありましたよね?

MORRIE
そうですね。NHKで『インディーズの襲来』(1985年放送)っていう番組が放送されたりして盛り上がってました。あの番組は僕も観て、知っているバンドがいっぱい出ていました。THE WILLARDやLAUGHIN' NOSE、G‐SchmittのSYOKOさんとかがインタビューを受けていたりして。あの辺が日本のインディーズブームの本格的発火点だったんでしょうけど、僕らはそのちょっとあとですね。

インディーズブームをさらに後押ししたのが『DEAD LINE』ということだと思います。ピクチャー盤をリリースしたのもインパクトがありました。

MORRIE
あれはアルバムが売れたからですよ。

『DEAD LINE』の1万枚突破の記念盤でしたよね?

MORRIE
そうです。最初は3000枚くらいプレスして、それが瞬時に売り切れたんです。
“CRAZY”COOL-JOE
ピクチャー盤は変な感じやったな。まぁ、記念みたいなもんやけど。当時、外タレでもピクチャー盤はあんまり見たことなかったような気がするんやけど…でも、New York Dollsとかは出してたのかな?

インディーズで1万枚とか売れること自体が、当時は異例でしたよ。90年代後半から00年代初頭辺りから数十万枚とか、百万枚売れたりとかはありましたけど。『DEAD LINE』の大反響に対しては、JOEさんはどのように感じていました?

“CRAZY”COOL-JOE
あんまり実感はなかったけどね。“それなりにみんなに知ってもらえたのかな?”っていうぐらいで。
MORRIE
僕らの中には“ライヴで叩き上げ”みたいな意識が常にあったので、バンドコンテストとかに出る気はまったくなかったんですよ。だから、ライヴをやって動員を増やすことしか考えていなくて、ライヴが勝負だったんですね。ライヴをやるたびに動員は増えて言っていたので、そういう時期を経て出した『DEAD LINE』は起爆剤だったというか、やはりあれで勢いがついたとはと思います。

『DEAD LINE』の制作中に香川さんが脱退してYOUさんが加入したわけですが、当初はTERRA ROSAのメンバーでもありましたよね? 半ば拉致に近いかたちで車に乗せて、鹿鳴館かどこかのライヴで弾いてもらったというエピソードをお聞きしたことがあります。

MORRIE
これは僕の記憶違いかもしれないですけど、豊川のかごやはうすの時だったかな? そこがYOUちゃんの最初のライヴだったと思います。行く時の車の中で弾きながら曲を覚えようとしていたのをなんとなく覚えていますよ(笑)。“一緒に行こうぜ”って誘って、本人もまんざらでもなかったんだと思います。
“CRAZY”COOL-JOE
大坂のバーボンハウスでライヴをしたあと、そのまんま車に乗せて連れて行ったような記憶があるんやけど。連れて行かれた先のライヴで何をやるのか、どんな感じにするのかって、YOUちゃんも分かっていなかったんじゃないかな? でも、うまいことやってくれて、ちゃんと曲を覚えてたから、頭のええ子なんやろうなぁ。

“加入する”というはっきりした話はないままだったみたいですね。

MORRIE
そうですね。彼はしばらくの間、TERRA ROSAと二股をかけていましたから。TERRA ROSAには“俺はDEAD ENDやらんで”と言っていて、DEAD ENDには“TERRA ROSAは辞めた”と言っていたので(笑)。

“バンドに入ってくれ”と言われたこともないし、“入る”と言ったことはないとYOUさんもおっしゃっていたんですよね?

MORRIE
そうなんです。“入る”って言ってなかったと思います。
“CRAZY”COOL-JOE
正式に入ったのか、入ってないのかよく分からんって、The Rolling Stonesのロン・ウッドみたいなもんじゃない?(笑) YOUちゃんがどう思ってたんかは分からんけど。まぁ、楽しくやってくれていたとは思うんやけどね。
L→R MINATO(Dr)、MORRIE(Vo)、“CRAZY”COOL-JOE(Ba)、YOU(Gu) Photo by Hidekazu Maiyama
LP『DEAD LINE』
LP『GHOST OF ROMANCE』
LP『shámbara』
LP『ZERO』

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着