【DEAD END インタビュー】
4枚を聴いて思うのは
“カッコ良いバンドだったと思う”
ということ
バンド再結成ブームみたいなのに
乗っかる感じは嫌だった
『ZERO』のリリース後にツアーがあって、ファイナル公演の中野サンプラザを最後にMINATOさんが脱退し、バンドは解散。それが1990年1月で、4月に「GOOD MORNING SATELLITE」と「原始のかけら」が収録されたシングルがリリースされて、それ以降は動きがまったくないまま20年くらいが経ったわけです。
MORRIE
アルバムに関しては、2009年11月の『METAMORPHOSIS』まではなかったですからね。
その年の8月の『JACK IN THE BOX 2009 SUMMER』が復活の第一歩だったわけですが、それ以前にDEAD ENDをやる話はなかったんですか?
MORRIE
何回かありました。“ライヴをやらないか?”みたいなことでしたけど。でも、僕は10年以上日本を離れてNYにいましたし、やる気がまったくなかったので断っていました。
“CRAZY”COOL-JOE
俺個人の意見で言うと、バンド再結成ブームみたいなのがあった中で、それに乗っかるような感じになるのは嫌だった。
そして、2020年にYOUさんがお亡くなりました。とても寂しいです。
“CRAZY”COOL-JOE
YOUちゃんは大きく言うたら、やさしい子やったね。それはプレイにも出てんねんけど。あいつが出してた甘さの感じとか、なかなか他にいない気がするね。ソロに関しても耳に残るフレーズを弾くし。手癖もあるかもしれんけど、そういうのが結構多い気がする。あいつ、まともにちゃんとコードを弾いたことはないんじゃないかな? だいたい指2本とか3本でコード作っていたような気がする。ベタなコードの押さえ方はあんまりしなかったような気がするなぁ。なんかよう分からん音が鳴っていることがあるし(笑)。まぁ、とにかくYOUちゃんはリズムがとにかく良かったよ。
MORRIE
僕は彼のDEAD ENDの曲を何年も待っていたんですけどね。風の噂では次のアルバムの曲を書いている話はちょくちょく聞いていたんですよ。
ソングライターとしても本当に素晴らしい存在でした。
MORRIE
彼が書く曲って何かの真似っていうんじゃないんですよ。彼のプレイにしてもニュアンス、リズムの感じ、癖とかも独特なものがあって、まんまフレーズを弾いても、あの感じを出すのは難しいと思います。
DEAD ENDのサウンドの全体像も独特なニュアンスがありますよね? “こういうバンドです!”と端的にとらえられる感じでもないですし。
MORRIE
だから、売れなかったんです(笑)。“分かりにくい”っていうのは、当時もよく言われました。とにかく面白いもの、クオリティーの高いものを作ろうと思っていましたね。
今回、こうしてレコード盤がリリースされるとDEAD ENDの今後の動きを期待する声が当然あがると思いますが、それに関してはいかがでしょうか?
MORRIE
YOUちゃんは亡くなってしまっていますし、MINATOは辞めていますし、なかなか難しいと思いますね。
“CRAZY”COOL-JOE
ギタリストとドラマーがいないからね。
JOEさんはMINATOさんとD runkard Ball で一緒に活動していますよね?
“CRAZY”COOL-JOE
うん。半分以上、飲み友達バンドやけど(笑)。やっていて楽しいよ。MINATOのドラムはやっぱり大好きやからね。あいつもなんやかんや言いつつ、つき合ってくれているから。
DEAD ENDに関して決まっていることは、何もないということみたいですね。
MORRIE
まったくないですね。こういうのはいろんな縁のなせる業で、なるようになるんじゃないかなと。
“CRAZY”COOL-JOE
まぁ、機会があって何かあればやるかもしれないし。私もどうなるのか分かりません(笑)。
取材:田中 大
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LP『DEAD LINE』2023年6月30日発売
ハピネット
- LHMV-2003
- ¥6,000(税込)
- ※LPアナログ盤
- ※180グラム重量盤
- ※1986年作品
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LP『GHOST OF ROMANCE』2023年6月30日発売
ハピネット
- LHMV-2004
- ¥6,000(税込)
- ※LPアナログ盤
- ※180グラム重量盤
- ※1987年作品
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LP『shámbara』2023年6月30日発売
ハピネット
- LHMV-2005
- ¥6,000(税込)
- ※LPアナログ盤
- ※180グラム重量盤
- ※1988年作品
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LP『ZERO』2023年6月30日発売
ハピネット
- LHMV-2006〜7
- ¥7,800(税込)
- ※2LPアナログ盤
- ※180グラム重量盤
- ※1989年作品
デッドエンド:1984年秋、大阪・神戸で人気を誇っていたLAIRの突然の解散により、同バンドのメンバーだったMORRIE(Vo)とTAKAHIRO(Gu)、そこに元RAJASの“CRAZY”COOL-JOE(Ba)、元SWATのTANO(Dr)が加わって結成。同年11月からリハーサルを繰り返し、85年3月に大阪バーボンハウスで行なったデビューライヴで、いきなり470人を動員する。そして、86年に1stアルバム『DEAD LINE』を発表すると、当時のインディーズシーンでは破格の2万枚を越えるセールスを記録。その後、メンバーチェンジを経て、87年にMORRIE、YOU(Gu)、“CRAZY”COOL-JOE、MINATO(Dr)という布陣でアルバム『GHOST OF ROMANCE』でメジャーデビューを果たす。ハードロック/メタルの枠に収まらず、グラムロック、ゴス、パンク、プログレなどを取り入れた多彩な音楽性と、幻想文学マニアでもあるMORRIEが“俺流のラブソング”と描く猟奇的な歌詞の世界観で人気を博すが、90年にMINATOの脱退とともに解散。09年8月に開催されたイベント『JACK IN THE BOX2009 SUMMER』で約20年振りに復活し、同年11月に5thアルバム『METAMORPHOSIS』を発表。以降はMORRIE、YOU、CRAZY“COOL”JOEの3人体制でマイペースに活動を続けていたが、20年6月16日にYOUが他界。バンドとしての活動もそこで止まってしまった。DEAD END オフィシャルHP