Editor's Talk Session

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【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
姫路Beta出身のバンドたちによる
支援コンピ盤『VERSUS FATE』

世代交代していく
Betaスタッフへの想い

seek
実は今回、もうひとつテーマがあるんです。Betaのエンジニアで元店長の三四郎さんが3年前にBetaを辞められたんですね。ちょうどBetaのスタッフの世代がだんだん変わってきている時期で、そのタイミングでコロナ禍になり、“ライヴハウスをどう続けていくか?”というのを若いスタッフたちも考えることになって。今働いているスタッフの子らって20代前半の子が多いので、Betaができた95年を知らない世代の子もいる…支援という名目ではあるんですけど、姫路にこういうシーンがあって、Betaが大変だっていう時に“Betaのためにやろうぜ!”と言って集まったバンドの想いをその子たちも受け取って、これからのBetaに対していろんな想いを持ちながら働いてほしいっていう。だから、ぜひ発送作業は若い子たちに手伝ってもらって(笑)、Betaへの想いが引き継がれていったらいいなと。
石田
当時の姫路にこういうシーンがあったからこそできたコンピなので、今のBetaを中心にした新しい姫路のシーンを作ろうって奮起してくれるといいですよね。
seek
僕らは反抗期が長ったから“from 姫路”って言っておきながらBetaに10回くらいしか出てなかったりするので、そろそろちゃんと恩返しをせなあかんなと思ってます(笑)。年代によっていろんなジャンルも出てきますし、今時の子は映像にも力を入れていて、レコーディングも自分たちでできたりするし、どんどん新しいシーンへと発展していくきっかけになったら嬉しいですね。
千々和
今作のタイトルはBetaができて間もない頃にあったオムニバスCD企画『VERSUS』をもとに、michi.さんが“VERSUS FATE”と名づけたんですよね。
michi.
seekからタイトルの話をもらった時、仮タイトルがそのまま“VERSUS”だったんですけど、今回のコンセプトからはずれるから悩んでいると相談されて。『VERSUS』は俺は参加させてもらったことはないけど、Betaの歴史からは外すことができないプロジェクトなので、どこかにつけたいと思ったんです。なので、“運命に逆らってやる!”的な意味を込めて“VERSUS FATE”と。
千々和
もともとの“VERSUS”というワードからして、姫路のバンドが切磋琢磨していた様子もうかがえます。
田中
MASCHERAが先に抜けて進んでいたから、“そのあとを追いかけて行けよ! 次は誰だ?”という想いでつけたタイトルでした。
seek
そのもともとの意味も踏まえつつ、今回はこの5バンドが参加するってことで、すごくいいタイトルになりましたね。
千々和
michi.さんのコメントにあった“世界は新しい時代に突入する”という言葉も印象的だったのですが、このコンピを作ることで、Betaだけでなくみなさんそれぞれも“この状況下で戦っていこう”という覚悟が芽生えるきっかけになったりしましたか?
michi.
時代も常識も移り変わっていくものだけど、今は俺らがこれまでに経験したことのないくらいすごく早さで変革しているから、その流れに負けないように自分たちも変化に対応していく能力を身につけないといけない…って、最近よく感じてるんですね。だから、そのコメントは“やらないとカッコ悪い”っていう意思表明でもあります。
seek
良くなっていってるのか、悪くなっているのか分からない状況の中、音楽をやることに対していろんなご意見があることを実感しました。人を集めて音楽をやることが正解なのか、不正解なのか、自問自答することもあるし。でも、音楽だったり、バンドを続けていきたいので、ガイドラインに則って安全な状態でライヴを重ねて、人が来てくれる環境を一歩ずつ作っていく…それが自分がやるべきことだと、半年前に決めたんです。『VERSUS FATE』は自分たちの道しるべにもなると思うので、作れて良かったです。
千々和
本当にいろんなものが重なってできた作品ですよね。
seek
もともとのスタート自体はネガティブなところから始まって、名目には“支援”ってワードがあるけど、僕自身としては姫路の音楽シーンのファンなので“MASCHERA、ILLUMINA、DEVELOP FRAME、Transtic Nerveと一緒にPsycho le Cémuが入れた!”みたいな感覚があって。ひとつ夢が叶えられたっていう想いが強いから、協力していただいたみなさんに感謝しております(笑)。
michi.
MASCHERAは先に姫路を離れることになって、みんなと仲良くしてる時間を持てなかったんですけど、seekがこのプロジェクトを立ち上げてくれて、当時の自分たちの頑張りや熱量、背負ってるものを、当時以上に感じられたことが嬉しいし、自分の財産になると思いますね。
田中
そのみんなの気持ちが嬉しいです。それに尽きます。当時はどうやったらバンドを前に転がすことができるかを毎日考えてたし、MASCHERAが成功することがシーンを作っていくことだと信じてたし、そのあとにみんなもついてきてくれた。そういう時代を経て、みんなが大人になってくれたんやなって感じます。Psycho le Cémuが手を離れてからはバンドにかかわらなくなってしまったので、直接は口を出さないようになったんですけど、今はスタジオでバンドと話してると、ライヴの楽しさだったり、熱量をだんだん感じなくなってて…“これって姫路だけなのかな?”って思った時期があったり。オープン当初のあの感じは、全国的なバンドブームがあったから姫路も流れに乗っただけなのかなって思ったりもしたし。僕は“Betaがこんだけ続いてるのは運が良かっただけです”と人には言ってるんですけど、本当はMASCHERAの結成から携わって、想像してたことがある程度かたちになったからだと思ってるんです。でも、コロナ禍で空気が変わって、ライヴハウスが行ったらあかん場所みたいに言われ、心が折れそうになった…正直言ってクラウドファンディングをやる直前は“もう無理ちゃうか?”って思ったけど、いろんなバンドが声をあげてくれて、お客さんの応援の声も聞いて、“もう一回、あのライヴハウスの熱気を取り戻したい”と思うようになった。同じ環境に戻るのは難しいと思うけど、ライヴハウスの熱気を知らない世代の人にも知ってもらいたい…そういうふうに僕の気持ちを前に向かせてくれたんです。なので、seekをはじめ、参加バンドには感謝しかないです。
姫路Beta支援プロジェクトコンピレーションアルバム『VERSUS FATE』
    • 【CD+12Pブックレット】
    • SWIM-0006/¥3,500(税込)
    • ◎ジュエルケース
    • ※送料・販売手数料別途 ¥1,000
    • ※送料・販売手数料別途 ¥1,000
    • 受注販売:Beta Music WEB SHOP
    • 受注期間: 5/31(月)まで
    • 発送:7/01(木)以降
    • ※姫路Beta支援プロジェクト
    • ※姫路Beta出身5アーティスト現在入手不可の楽曲計10曲収録のコンピレーションアルバム
    • ※CD売上金に関しては製作費、通販手数料を除く売上を姫路Beta運営費として寄付
■『Beta Music』WEBショップ
http://www.beta-music.com/versus-fate.html
■ライブハウス姫路ベータ
http://www.beta-music.com/livehouse/
Psycho le Cému オフィシャルHP
https://psycholecemu.com/
ALICE IN MENSWEAR オフィシャルHP
https://alice-in-menswear.com/

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