吉田拓郎「落陽」半世紀にわたって愛され続ける名曲!人生の哀愁を描いた歌詞の意味を徹底解説

吉田拓郎「落陽」半世紀にわたって愛され続ける名曲!人生の哀愁を描いた歌詞の意味を徹底解説

吉田拓郎「落陽」半世紀にわたって愛
され続ける名曲!人生の哀愁を描いた
歌詞の意味を徹底解説

1973年以来愛され続ける代表曲
『落陽』が発表されたのは、1973年11月26〜27日に中野サンプラザで開催された「吉田拓郎リサイタル」でした。
このライブの模様は、1973年12月21日にリリースされたライブ・アルバム『よしだたくろう LIVE '73』に収録されており、1986年にはCD音源化もされました。
1989年9月に放送された日本テレビ系ドラマ『あの夏に抱かれたい』では、主題歌に起用されています。
作詞を務めたのは、日本を代表するヒットメイカーの岡本おさみ。
吉田拓郎の作品では『襟裳岬』『旅の宿』『祭りのあと』等を作詞しました。
『落陽』は、岡本が北海道を旅した際の実体験を元に書き下ろされたそうです。
さっそく歌詞の意味を辿りながら、50年にわたって愛され続ける本作の魅力を追求してみましょう。
臨場感溢れる美しい情景
落陽 歌詞 「吉田拓郎」
https://utaten.com/lyric/ja00006190
すでにご紹介した通り、『落陽』は作詞者の岡本おさみの実体験に基づいて描かれた楽曲。
岡本が北海道を旅行した際に出会った老人との一期一会を歌っており、「苫小牧発・仙台行きフェリー」という具体的な地名を出すことで臨場感のある情景を映し出しています。
冒頭では日の入り間際の景色を美しい日本語で彩り、一気に聴き手を楽曲の世界観に惹き込んでいきます。
1番の歌詞で印象的なのが「おまけにテープをひろってね」という部分。
このテープというのは、船出する際に船から桟橋で見送る人に向けて投げる「紙テープ」を指しています。
このしきたりは日本特有の物で「別れの握手」という意味が込められているそう。
つまり、フェリーで旅立つ主人公が投げたテープを旅先で出会ったこの老人が拾い、別れを惜しんでいる様子が情緒豊かに描かれているのです。
落陽 歌詞 「吉田拓郎」
https://utaten.com/lyric/ja00006190
サイコロ賭博に明け暮れて無一文になってしまう老人ですが、主人公はその潔さに感銘すら受けています。
2番ではこの社会に対する風刺も垣間見え、流れに身を任せた生き方に対する憧れもうかがうことができます。
鮮明に浮かび上がる人生の哀愁
落陽 歌詞 「吉田拓郎」
https://utaten.com/lyric/ja00006190
「フーテン暮し」とは、働きもせずふらふらしている人のこと。
だらしない人物のようにも感じられますが、たった1回会っただけの主人公をわざわざ見送ってくれる情の厚さに胸打たれます。
主人公にとってこの老人の正直な生き様は印象深く心に刻まれたことでしょう。
”ろくでなしの男たち”と言い放ちながらも、主人公が一番伝えたい気持ちは「どこかで会おう 生きていてくれ」の1言に凝縮されています。
これこそ、彼にとって表現し得る最大のリスペクトの念なのかもしれません。
落陽 歌詞 「吉田拓郎」
https://utaten.com/lyric/ja00006190
みやげとして老人からもらった2つのサイコロは、まるで彼の生き様そのものを物語っているかのようです。
「また振り出しに戻る旅に」というフレーズはいくつか異なる捉え方ができます。
旅=人生をすごろくに例え、サイコロの結果によっては振り出しに戻る、つまり人生も博打の様なものだと歌っているのではないでしょうか。
また「旅に」は「度に」と掛かっているとも考えられ「また振り出しに戻る”度”に 陽が沈んでゆく」 と言い換えてみると、人生の哀愁がより鮮明に浮かび上がってきます。
歌詞と音楽の親和性
今回は吉田拓郎の名曲『落陽』をとりあげ、歌詞の意味から作品に深く落とし込まれた情景を紐解いてみました。
臨場感溢れる岡本の歌詞と熱く訴えかける吉田のメロディーは人々の共感を呼び、日本を代表する名作として今もなお愛され続けています。
また、アレンジを変えて演奏される事も多い楽曲なので、その都度ライブ感を楽しめるのではないでしょうか。
ぜひ『落陽』の歌詞と音楽の親和性を楽しみながら聴いてみてください。

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