【8bitBRAIN インタビュー】
自分たちのやりたいものを
大人の意見を聞かずにやった
人に恵まれて生きてきたので、
感謝の気持ちは絶対に忘れたくない
「YA-BA-I DIVER」へ参りましょうか。まず、これ、Aメロ出だしの英語詞がめちゃくちゃカッコ良いです!
アンズ
良かったぁ! 私、歌詞には英語を使わないんですけど、ここは絶対に英語だなって、音を聴いて何となく思いました。
この曲もロック的というかパンク的というか、シンコペーションで食い気味に曲が進行していくので、英語が合ってると思います。
アンズ
これは何も考えずにバーッと書いて…何分くらいだろう? 30分くらいで書きました。最初の1行が浮かんだら全部出てきた感じでしたね。
自らを鼓舞する気持ちをポップに仕上げていて、《8 → 16》とかお見事じゃないですか。8bitBRAINだからこそ、この言葉選びになっていると思わせるところがいいんですよね。あと、《↑&↑ ↓&↓/←→ push BA/call name me COMMAND》というのもこれまた…コナミコマンドって今もあるんですか?
アンズ
どうなんでしょう? 私、ファミコンもスーファミもやっていたから知っているんですけど、メンバーはきょとんって感じだったんで(苦笑)。でも、プロデューサーはめちゃくちゃ喜んでいました!(笑)
英語になっているので聴くだけでは分からないと思いますが、歌詞カードを見て『グラディウス』や『ツインビー』を思い出しましたよ(笑)。こういう遊び心は楽しいですよね。
アンズ
懐かしいですよね。リード曲でビジネス書きをしたので、たぶん思いきり変なことをしたいってずっとどこかで思っていて、こういうのが浮かんだんだと思います。別にリード曲も自分の想いをそのまま書いたんですけど、遊びたくなっちゃったというか(笑)。
ただ、コナミコマンドのような遊び心はありつつも、楽曲のテーマそのものは遊んではないんじゃないですか。
アンズ
そうですね。こうしてインタビューをしていただいていると、自分の根本が見えてくるんですけど、やっぱり私って真面目なんだなって(笑)。
アンズ
ハチブレのファンの方を“DIVER”って呼んでいるんですけど、この曲は“DIVER”のことを書きたかったんですよ。テーマは“進化”ってことだったので、それもあって《8 → 16》は“8ビットから16ビット”ということなんですけど、ファンの人たちもいつも私たちが何かするたびにそれらを吸収して進化していってくれてるいなと感じていて。サビで“もっとこいよ!”みたいな感じを出したかったのは、“私たちはこれからも突拍子もないことをして、あなたたちをどんどん惑わせるから、そこにい続けないでついてきて、進化してね”っていう。ちょっと挑戦的な気持ちも込めて、最後に《Evolution DIVER》ってつけました。
分かりました。では、アルバムのラストに収録された「A cuddly Heart」にいきましょう。
アンズ
さっきから緊張して、ずっと隣でモジモジしているんですよ(笑)。“次、私かぁ…”って(笑)。
(笑)。ミドルバラードで、歌詞は随分とすっぴんな感じになりましたね。
サリ
先ほどおっしゃってたように、これまで8bitBRAINって面白い曲もありますけど、コロナ禍をテーマにした攻撃な曲があるし、パフォーマンスにしてもステージに立つと“怖い”って思われちゃったりするんですけど、配信とかでメンバーを見たら性格は真逆で、面白くて明るい人たちなんですね。…って質問の答えになっています?(苦笑)
サリ
すごく緊張していて(苦笑)。…なので、勘違いされちゃうことがあるんですけど、こうして好き勝手に書いた作品が良い感じに仕上がったのは、プロデューサーや会社の方、いつも応援してくれる方のおかげだと思うので、“ありがとう”って言葉を入れた歌詞を書きたくて。ハチブレには“ありがとう”とストレートに感謝の気持ちを込めた歌がなかったし。あと、これはこの曲をお披露目した時のMCでも言ったんですけど、特に自分は他人に助けられてきた人生で、人に恵まれて生きてきたので、感謝の気持ちは絶対に忘れたくないと思っていて。両親からも“ありがとう”“ごめんなさい”と挨拶はすごく厳しく躾けられてきたから、それが当たり前になってたんですけど、当たり前のことってどんどん薄れていってしまうので、この曲を聴いて周りの人に感謝する気持ちをみんなに思い出してほしいなって。言葉にして伝えるのって大事だと思うので。でも、プロデューサーに“この歌詞はどうですか?”って訊いたら“しつこい”って言われたんですよ。逆に私はそれが嬉しくて。しつこくしたかったんですよ。しつこく伝えたいし、しつこく伝えないと、今はいろんな音楽があるから、パッと一回聴いてもらった時に覚えてもらえないし、心に響かないと思ったので、あえてサビの頭は繰り返し3回にしました。
しかも、《君と君と君の心に寄り添うメロディを》や《人と人と人の鼓動に寄り添うメロディを》としていますから、これはアンズさんの「下弦に舞い~」、Koyokaさんの「Loudspeaker」とも重なっているんですよ。
ですから、オープニング、中間、ラストと、しっかりテーマが通じていますから、メッセージのトータリティーはありますよね。
他のメンバーの歌詞って見ませんか?(苦笑)
アンズ
見たけど…“おっ、いいね”って感じで(笑)。
菊地
私も見ていますし、一本筋が通っているとは漠然と思いましたけど、なぜ一本筋が通っているのかは言語化できないというか、それを今していただいた感じです(笑)。
話を戻すと、8bitBRAINってオートチューンを使ってましたが、この「A cuddly Heart」ではかけてないですよね?
菊地
結成当初にプロデューサーが“生声にすることと、マリー(小谷茉美子の愛称)を歌わせることはアルバムを出す頃にしかやらない”と言ってたんですよ。“もう言ったことは忘れていて、“生声でやりたいです”と言ったらやらせてくれるかな?”と思って、これまでも何回か言ってみたんですけど、“いや、まだだ”と言われ続けていて、本当にアルバムになったら“やるよ”って言われて、“あっ、やるんだ!”と(笑)。
なるほど。満を持してって感じなんですね。その意味でもアルバムのラストに置くに相応しいのかもしれませんね。総体としては、メロディはキャッチーで、サウンドはダイナミズムあふれるものばかりで、8bitBRAINらしさを凝縮したような作品に仕上がっていると思いますよ。そんな1stアルバム『shout』ですけど、ジャケットがイラストになっていますね。ちょっと意外だったんですけど、これはどんな意図なんですか?
菊地
アルバムはシングルよりも手に取ってもらいやすいと思うんです。曲もいっぱい入っていますし、今後ハチブレを知った人が先に買うのは、たぶんシングルよりアルバムだと思うので、先入観を持たないように…“あんまり可愛くないなぁ”とか(苦笑)。
菊地
(笑)。“あんまりお洒落じゃないなぁ”とかで手に取らないんじゃなくて、“なんかお洒落なイラストだな”とか何でもいいんですけど、とにかく曲を聴いてほしくて。
Koyoka
これまでやったことがなかったことを詰め込みたかったのは、曲だけじゃなく、ジャケ写もそうで。“何か新しいものを!”と考えた時に“イラストでやってみたかったんだよね”っていう声もあったんです。
アンズ
うん。しかも、3種類全部ですからね。ひとつのタイプだけイラストというのはあると思うんですけど。“ジャケ買いした人が中の曲を聴いてどう思うんだろう?”っていうのはすごく気になります(笑)。可愛らしい声の今どきのアイドルを思い浮かべて、もし視聴もせずに買った人がいたとしたら…“ごめんね”って(笑)。
菊地
(笑)。あと、海外の方向けというのもあります。最近、YouTubeでも日本以外の方からの書き込みが増えてて。このジャケ写で海外の方たちにもより興味を持っていただければと思っています。
取材:帆苅智之
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アルバム『shout』2022年3月23日発売
IMPERIAL RECORDS
- 【Type-A】
- TECI-1767
- ¥3,000(税込)
- 【Type-B】
- TECI-1768
- ¥3,000(税込)
- 【Type-C】
- TECI-1769
- ¥3,000(税込)
エイトビットブレイン:2018年3月結成。19年10月に現体制となり、20年7月にシングル「Under the weather」でメジャーデビューを果たす5人組ロックアイドルグループ。ここ近年アイドルシーンで注目のメロコア、ハードコアサウンドの流れを汲みつつもダンサブルで派手なアプローチを仕掛け、刺激的で挑発的なヴォーカルが聴く者を惹きつける。大胆にかけられたケロールサウンドのエフェクトヴォーカルは無機質なようで、有機的な暴れっぷりを見せている。また、リリックは隠語を含めたり、ちょっと批評的なメッセージを取り入れた内容となっていることも特筆すべきところ。現在、都内ライヴを中心に活動中!8bitBRAIN オフィシャルHP
「下弦に舞い散る夜桜は、
あなたを想い永遠を唄ウ。」MV
「Black Sabbath」MV
「Out of order」MV
「 Under the weather」MV