【安斉かれん インタビュー】
連続配信を通して“安斉かれん”の
イメージをいい意味でぶち壊していく
小さい目標を積み重ねていくことで、
ひとつ大きな夢ができたらいい
では、そんな安斉さんの2022年幕開けを飾るのが第4作「一周目の冬」。「現実カメラ」に続き、こちらも引っかかりのあるタイトルでした。何なんですか、一周目の冬って?
つき合っているカップルが初めて迎える冬のことです。
それを初めての冬ではなく一周目と表現するところは安斉さんならではの感覚ですね。
これもスタッフさんと話している時に、“この歌詞はカップルの一周目の冬の話なんですよ”って言ったら、“一周目の冬っていいじゃん!”となってタイトルにしたんです。「現実カメラ」もそうですけど、スタッフさんと会話をしている時に私から出てくるワードを周りの人が拾ってくれて。そういうのが多いんですよね。
この歌詞をカップルのお話にしようと思った理由は?
曲はバラードだし、メロディー自体に温もりのあるやさしい雰囲気を感じたから、カップルの日常生活をテーマにしたんです。その日常生活の一部を切り取っただけでも映画やドラマの1シーンと同じぐらいにドラマチックなんだよって。当たり前だと思っている普段の日常の中にあるちょっとした幸せに気づいて、温かい気持ちになれるような歌詞にしました。
その日常生活の一部を切り取った歌詞の中には“冷蔵庫にステッカー”というワードがありましたね。
私、めっちゃステッカーを冷蔵庫に貼ってるんです(笑)。
あっ、このエピソードはリアルな安斉さんが出ているところ?
はい。MacBookとかiPhoneの裏とかにもステッカーを貼っちゃうんですよ。特に冷蔵庫はステッカーだらけで(笑)。そのステッカーを見ると“これはあのお店でもらったな〜”とか思い出すんです。それが《一つ、二つ、増えて》の歌詞につながっています。
では、《いつの日も探してるよね/音がする感情を》の“音がする感情”とは?
ドキドキしたり、悲しんだり、感情が上がったり下がったりすると音がしません? ハッピーな時はルンルンってなるし、悲しい時はダウナーな感じの音がする気がするし。そういう心が動いている感情のことです。
冬の匂いはこの曲のどんなところからしてきました?
冬の匂いって、すごく敏感に感じるんですよね。私は冬が大好きだから、窓を開けた時とか、ちょっと空気が寒くなってきただけでワクワクするので、冬の匂いを探すんですよ。どんどん空気が冷たくなってくると“今年も冬もやってきた!”と思えて。
夏ではなく冬でテンションが上がると。
上がりますね。クリスマスでそれがマックスになるんです。一年の中で一番大好きなのがクリスマスなので、この曲はまず平和でめっちゃ温かい歌にしたいと思っていたんです。歌詞を書いている時にたまたま私は窓を開けていたんですけど、“あっ、冬の匂いがしてきたかもしれない!”と思ったりして。“こんなことを思ってる自分、めっちゃ平和だなぁ”と感じながら書いたら、こういう歌詞になりました。
そういう流れだったんですね。では、この曲のMVの観どころは?
日常の1シーンを切り取っていて、色使いもやさしい感じになる予定です。今回は髪も下ろしています。
4作の中でも一番ピュアでナチュラルで、やわらかな安斉さんが描かれている印象です。
そうですね。他はかなり尖ったり、可愛くしたりしていたので。
この4作だけでもこれまでの安斉かれんのイメージをどんどんぶち壊してきたと思うのですが、残り3作はどうなっていくんでしょうか?
楽曲もまだまだ作っている最中なので、どうなっていくのか分からないところが自分も面白いなと思っています。まだまだぶち壊していきますよ!
2022年の安斉かれんとしての目標は?
この7作連続配信とともに、2022年はもっともっと自分を出せていけたらいいなと思っています。
ずばり、安斉さんが今描いている夢は?
夢? うーん、何だろう? 前までは“夢も目標も持ちたくないです。その瞬間を生きていきたい!”と言っていたんですけどね。でも、そうじゃなくなってきました(笑)。夢というよりも小さい目標。例えば、一カ月でギターをもうちょっと弾けるようになるとか。そういう目標を自分の中でいっぱい作って、クリアーしていきたと思います。大きな“〇〇がしたい”という夢はまだ見えてはいないんですけど、そうやって小さい目標を積み重ねていくことで、ひとつ大きな夢ができたらいいなと思いますね。
取材:東條祥恵