首振りDolls

首振りDolls

首振りDolls、
マンスリーインタビュー第11弾で
2019年を振り返る

やりたいことは山ほどある!
(ジョニー)

首振りDolls

首振りDolls

――ショーンはメンバーになる前に外側から見ていた首振りDollsの印象と、メンバーになってからの首振りDollsの印象の変化はどんな風に感じている?
ショーン:ん〜。昔はもうちょっとアングラな印象だったかな。ドロドロし過ぎてるっていう訳ではないし、そこが首振りDollsの良さでもあったと思うけど、今はもうちょっと開けた印象というか。聴きやすくなったんじゃないかなって。暗いのが好きな人たちだけではなく、一般層に響くサウンドになったというか。母親の知り合いとかも聴いてくれてるらしいんで!
ナオ&ジョニー:おぉ〜。そういうの嬉しいね!

――12月16日にリリースされたインディーズ時代の1stアルバム『首振人形症候群』には、前体制での旧音源と現体制での新曲6曲が収録されている訳だけど、首振りDollsの軸は感じさせられつつも、確実に進化している首振りDollsを感じるからね。
ナオ:そう。11曲の旧曲と新曲が一緒に入ってるアルバムだからね。進化と成長をすごく感じてもらえると思う。旧曲は再録していない昔のままだから、それを聴いてライヴに来てくれたら、その進化と成長をリアルに感じてもらえると思うしね。ショーンの作った新曲「RAD」は、今の3人じゃないと生まれてなかった楽曲だと思う。
ジョニー:ライヴですごく盛り上がるし、評判良いよね!
ショーン:おぉ〜。嬉しい!

――ショーンが加入して確実に、“この3人じゃないと生まれないサウンド”が確立したからね。「RAD」は本当に新たな首振りDolls色だから。『アリス』に収録するために作った新曲たちは、ショーン的に、自分らしさというより、首振りDollsらしさを意識して作ったという感覚だったの?
ショーン:いや、実は「PSYCHO CLUB」を作ったときも「RAD」を作ったときも、自分的にはそんなに感覚は違わなくて。首振りDollsらしさを意識して作ったというより、自分の中から出てくるものを素直に出した感覚で。
ナオ:それは俺とジョニーの意向でもあったからね。首振りDollsらしさを意識するんじゃなくて、ショーンらしい曲を作って欲しいっていう希望でもあったから。
ショーン:最初に“こんな感じなんだけど、大丈夫? ちょっと印象が変わるけど”って2人に聞いて。そしたら、2人が“いいよいいよ! ショーくんらしさで!”って言ってくれて。だからすごく自由に作れたんですよね。でも、本当に不思議なことに、どんな曲を作ってもジョニーさんがギター弾いてナオくんのドラムでナオくんが歌ったら首振りDollsになる。
ナオ:お客さんもそう思ってると思うよ。ショーンの曲、ライヴでやっててもすごく感触いいからね。ショーンが加入する前の首振りDollsって、小さいハコを中心にライヴをやって来たから、ドロッとした演出が似合うバンドでもあったと思うんだけど、現体制になってから大きめなハコでライヴをさせてもらえるようになって、すごくバンドとしての見え方も変化して来たと思っていて。自分たちが照明さんとかに要望を出すときも、大きなステージをイメージした光を求めるようになったというか。初めてその変化を体で感じたのは、去年の8月にアルバム『アリス』のツアーのファイナルでやった新宿ロフト。ロフトのステージでジョニーの作った「星くずのメロディ」を演奏していたとき、一つの目標でもある武道館のステージが想像出来た気がして。“世界はこうやって俺から逃げていく〜”っていう歌詞を歌うとき、自然と両手を広げてた自分に気づいて。本当に無意識だったけど、“あ、なんかスケールが大きくなった気がする、首振りDolls”って思ったの。その変化って、バンドにとってすごく大きいことだと思う。ドロッとしたものを今も求められる節もあるんだけど、もちろん、そこは首振りDollsの一面として出していくところでもあると思っているし、在り続けると思うけど、ショーンのダンスなリズムとか、ジョニーの明るいロックンロール的な楽曲が、今の首振りDollsの中では映えるようになって来たなって思う瞬間が多くあるから、そこはバンドとしてのステップアップの部分なのかなって思う。俺の音楽ルーツが3人の中では1番アンダーグラウンドだからね。

――ナオはそういう首振りDollsの成長と進化の中で、自らの歌い方の変化を感じていたりするの?
ナオ:うん。感じてる。歌い方とかは、より聞こえやすく、より届きやすく歌うように努力してるしね。意識するところが変わってきたって感じ。

――そうだね。曲によって随分歌声を変えている印象だから。
ナオ:そうね。ジョニー曲、ショーン曲、自分の曲では全く違っているかも。意識的にそうしてるのももちろんなんだけど、自然とそうなるかな。それぞれ個性が全く違うからね。

――そうね。それぞれが違う肌触りのメイン曲という感じだよね。KISSが全員ボーカルを取れるみたいに、本当にそれぞれに個性があって独立させられていつつも、しっかり個性を魅せられてるというか。ジョニーは首振りDollsのキラーチューンを作る人で、ショーンは誰もが認める隠れた名曲を作る人で、ナオは…
ナオ:俺の曲は、聴く人が病むよね(笑)。
一同:(爆笑)

――あははは。女の情念を歌った曲も昔は多かったからね(笑)。でも、そういうナオの個性も、普通のロックンロールバンドとは一味違うところでもあって。そういう毒々しさは必要で。ナオは、首振りDollsの基盤と軸を作る人なのかなと。
ナオ:そうね。自分が作った曲で今、すごく手応えを感じているのは、「カラリカラマワリ」。ここ最近では1番かなと。お客さんもライヴでやるの待っててくれてる感じがあるし、モッシュがすごいからね。そういう曲をこの先も作っていきたいって強く思ってる。バンドの方向性としても、本当に世界が広がってきているから、もっともっといろんなこと出来ると思っていて。首振りDollsが昔、軸としていた、俺が作るドロドロした暗い楽曲は、これからも作っていくと思うけど、いつかやりたいなと思っているのは、そういう曲ばっかりを集めた6曲くらいのコンセプトミニアルバムを作れたらなってこと。ドロドロしたジャケットやアートワークで、ドロドロした音で、ドロドロした歌詞で、徹底的にやってみたい。そういうのを好きな人はそれだけを買ってくれてもいいし、その曲ももちろんライヴでやっていくから、それを聴きにライヴにきてくれるのもいいし。“あ、やってくれた!”ってお客さんが喜んでくれる姿をライヴで見れるのも、こっちとしても楽しいと思うしね。

――なるほど。面白そうだね。ナオアルバム、ジョニーアルバム、ショーンアルバムというそれぞれのコンセプトアルバムが作れるバンドだと思う。
ジョニー:KISSやん!

――あははは。そうだね! 
ジョニー:それは売れてからやろう(笑)! KISSも売れてからだったからね! 『Destroyer』(1976年にリリースされたKISS通算4枚目のアルバム)の後だから!
ナオ:まずはめちゃくちゃ売れた『Alive!』(1975年にリリースされたKISS初のライヴアルバム)を作らなくちゃね!
ジョニー:そうだね(笑)。やりたいことは山ほどある! カヴァーアルバムも作りたいし!
ショーン:いろんなこと出来そうだなって思う。

――そうだね。現在、『首振人形症候群』を提げたツアーの真っ最中だけど、3月にはこのツアーのファイナルとして、渋谷Rexでの3days(3月20日21日22日)ライヴも決定してるよね。ファイナルを3daysとは、前代未聞企画でもあるし、首振りDollsならではの突飛な提案でもあると思うけど。

ナオ:そう。既にチケットは発売しているんだけど、1日目はインディーズ時代の曲で構成されたスペシャルデーで、2日目はメジャーデビュー後の曲で構成されたスペシャルデーで、3日目は新曲だけで構成したスペシャルデー。せっかく同じ会場で3日間やるならっていうので、3days通し券購入者には、ライヴの他にアコースティックライヴやリハーサルが観れるという特典付きだったりもしてる。3日間やる意味のあるライヴを楽しんでほしいから。みんながやってないようなライヴの楽しさを作っていきたいなって思う。今回の3daysファイナルをお客さんが楽しんでくれたら、ファイナルは3daysっていうのを恒例にしてもいいのかなって思っているし。
ショーン:いろんな3daysの形も試してみたいよね。個人的には、みんなやってることかもしれないけど、1日目は男限定、2日目は女限定、最終日は全員っていう3daysもやってみたいなって。

OKMusic編集部

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