【阿部真央 ライヴレポート】
『阿部真央らいぶ夏の陣~2019〜』
2019年8月31日
at 日比谷野外大音楽堂
8年振りに立ったという日比谷野外大音楽堂にて、8月31日に行なわれた『阿部真央らいぶ夏の陣~2019〜』東京公演。オープンな環境を最大限に活かしながら、そこに深淵な世界も響かせていった阿部真央。“10年”という歳月の重みと、それを気負いなく提示する特別で格別なひと時だった。
バンドのグルーブが野音とそれを囲む木々と高層ビルの群れを揺らす。そして、不安定なグレーな空を、言葉が射り、ライトが刺す。ひねりの効いた表現を真っ直ぐに届けていく「逝きそうなヒーローと糠に釘男」で幕を開けたライヴ。開放的なロケーションの中、解放されていく心と身体。一体感というよりは楽しくつながり、塊になっていった「ふりぃ」での“熱がありながら軽やかさもある”ノリは、まさに夏の野音ならではだろう。
強さとしなやかさ、伸びやかさが発揮される楽曲が中心にセレクトされていたのは、やはり独特のロケーションと季節を意識したものと思われる。が、だからこそ、切なさがあまりにも深いナンバーが並んだ中盤の意義と意図が、より明確に伝わってきた。虫たちの声が寄り添っていた弾き語りの「この愛は救われない」から「深夜高速」につないでいく胸を焦がされるゾーン、十代の夏の甘酸っぱさを成熟した歌声で聴かせた「貴方の恋人になりたいのです」。サウンド面で新機軸を打ち出した「傘」と「immorality」では、混沌と自由がひとつの表れであることを体現。とりわけ「immorality」のレイブ感は、この日のこの場で非常に大きなポイントとなっていた。
そして、新曲「どうしますか、あなたなら」から始まる後半戦〜アンコールは、阿部真央スタイルのポジティビティで、痛快かつ爽快に駆け抜けていく。“明”のパワーで、でももちろん彼女らしく、陽焼け跡より少しだけやさしい痛みを残しながら。
バンドのグルーブが野音とそれを囲む木々と高層ビルの群れを揺らす。そして、不安定なグレーな空を、言葉が射り、ライトが刺す。ひねりの効いた表現を真っ直ぐに届けていく「逝きそうなヒーローと糠に釘男」で幕を開けたライヴ。開放的なロケーションの中、解放されていく心と身体。一体感というよりは楽しくつながり、塊になっていった「ふりぃ」での“熱がありながら軽やかさもある”ノリは、まさに夏の野音ならではだろう。
強さとしなやかさ、伸びやかさが発揮される楽曲が中心にセレクトされていたのは、やはり独特のロケーションと季節を意識したものと思われる。が、だからこそ、切なさがあまりにも深いナンバーが並んだ中盤の意義と意図が、より明確に伝わってきた。虫たちの声が寄り添っていた弾き語りの「この愛は救われない」から「深夜高速」につないでいく胸を焦がされるゾーン、十代の夏の甘酸っぱさを成熟した歌声で聴かせた「貴方の恋人になりたいのです」。サウンド面で新機軸を打ち出した「傘」と「immorality」では、混沌と自由がひとつの表れであることを体現。とりわけ「immorality」のレイブ感は、この日のこの場で非常に大きなポイントとなっていた。
そして、新曲「どうしますか、あなたなら」から始まる後半戦〜アンコールは、阿部真央スタイルのポジティビティで、痛快かつ爽快に駆け抜けていく。“明”のパワーで、でももちろん彼女らしく、陽焼け跡より少しだけやさしい痛みを残しながら。
撮影:吉場正和 /取材:竹内美保
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