「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」
総合的なヒット分析で
松任谷由実の真の名曲を探る
近年の理想は
“詠み人知らずとして残っていくこと”
また、近年のユーミンが理想としてよく語っている“詠み人知らずとして残っていくこと”という言葉も印象的だ。45年以上にわたって発表された作品の中でも、作詞・作曲者としてクレジットされている“荒井由実/松任谷由実”が誰であるかも知らずに、そのタイアップ作品を楽しんだり、カラオケで歌ったりしている若い世代も多いだろう。つまり、情報社会ゆえに彼女自身が忘れられることはないだろうが、既にその“詠み人知らず”に並ぶレベルのスタンダードな楽曲は生まれているのだ。
60代となってからもアルバム『宇宙図書館』がオリコン1位を獲得し、累計10万枚を超えるヒットを飛ばしているが、常に時代を先取りしてきた彼女だからこそ、今後は“老いを受け入れつつも輝く方法”に繋がるような作品を生み出しそうな気がする。80年代後半から90年代に彼女の楽曲による洗礼を受けたファンがのべ数千万人いることを考えると、今後、多くの人々の共感を得るような更なる名作が誕生する可能性は決して少なくないだろう。
「宇宙図書館」(Music Video Short Ver.)/松任谷由実
プロフィール
臼井 孝(うすい・たかし)
1968年京都府出身。地元大学理学部修了→化学会社勤務という理系人生を経て、97年に何を思ったか(笑)音楽系広告代理店に転職。以降、様々な音楽作品のマーケティングに携わり、05年にT2U音楽研究所を設立。現在は、本業で音楽市場の分析や配信サイトでの選曲、さらにCD企画(松崎しげる『愛のメモリー』メガ盛りシングルや、演歌歌手によるJ-POPカバーシリーズ『エンカのチカラ』)をする傍ら、共同通信、月刊タレントパワーランキングでも愛と情熱に満ちた連載を執筆。Twitterは @t2umusic、CDセールス、ダウンロード、ストリーミング、カラオケ、ビルボード、各番組で紹介された独自ランキングなどなど、様々なヒット情報を分析してお伝えしています。気軽にフォローしてください♪
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