「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」
幅広いリスナーに愛される
サザンオールスターズのヒットを探る
コミックバンド扱いから
不動の国民的アーティストへ
当初はその早口でまくし立てるような歌詞やランニングシャツに短パンという衣装でコミックバンド扱いされがちだったが、翌年の3rdシングル「いとしのエリー」のロングヒット以降、アルバム・アーティストとして定着し、以降、国民的アーティストへの道を歩むことになる。
アルバムは着実に売り上げを重ねていたものの、シングルとしては「チャコの海岸物語」が久しぶりのヒットとなった1982年に、メンバーの桑田佳祐と原由子が結婚、そして1985年に原が産休に入ったのをきっかけに、翌年以降、各メンバーのソロ活動も盛んになる。
デビューまる10年となる1988年6月25日に、シングル「みんなのうた」にて再始動し、以降1989年の通算26作目となるシングル「さよならベイビー」で意外にも初のオリコン1位を獲得(ちなみに、レコード以外の要素を加味した『ザ・ベストテン』では「いとしのエリー」「チャコの海岸物語」「Bye Bye My Love (U are the one)」「Melody」が1位を獲得。世間のイメージはこちらに近いかもしれない)。
ドラマ中心にヒットを量産した90年代、
「TSUNAMI」で再ブレークした
00年代を経て08年に活動休止
それを払拭したのが、やはり2000年の「TSUNAMI」だろう。しばらくの間、あえて避けてきたようなサザンの王道中の王道バラードだが、蓋を開けてみればオリコン調べのみで累計294万枚以上というヒットで、これは日本史上でも3番目という売上げに。以降は、再び年間TOP10クラスのヒットを出すようになった。ただ、2001年以降は、桑田のソロ活動が活発になり、また桑田作品とサザン作品の区分も難しくなってきたこともあって、2008年に無期限での活動休止を宣言。以降は、また各メンバーがソロ活動に入っていた(但し、2011年の東日本大震災に向けたチーム・アミューズとしてのチャリティー・シングル「Let’s try again」にメンバー全員で参加)。
2013年の活動再開後も
順調にヒットを重ね、
メンバー全員60代に突入
「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」
MV
「壮年JUMP」の“アイドル”とは、
SMAP、アムロちゃん?
それともヒデキ?
そのためか、SNS上では“この歌はSMAPの歌では?”、“アムロちゃん(安室奈美恵)への感謝ソングでは?”、はたまた過去のサザンのLIVEでサプライズ登場したという縁もあって“ヒデキ(西城秀樹)を想い出して泣けてくる!”といった年輩の方の意見も飛び出している。
「壮年JUMP」MV
そんなサザンの総合ヒットはどんな曲が並ぶだろうか。リスナーの中には、サザン作品と桑田ソロ作品を特に意識せず聴いている人もいるだろうが(その証拠に「好きな“サザン”の楽曲は?」のようなTV番組のアンケートで、必ずと言って良いほど「波乗りジョニー」や「明日晴れるかな」など桑田ソロ名義の楽曲が入ってくる)、サザンだけでも大量のヒット曲があるので、ここではグループとしての魅力にスポットを当てて考察してみたい。