【Mardelas ライヴレポート】
『Mardelas the THIRD
tour -第2幕-』
2018年7月22日 at 渋谷 DESEO
■ Mardelas ■
蛇石マリナ(Vo)はキャメル色のタイトスーツにサングラスと一見いい女風の装いだが、その歌声のパワフルなこと。レンジの広いメロディーを軽々とこなす、堂々たる歌いっぷり。樹京(Gu)のギターも凄まじく、ソロでの連続スイープやら華麗なタッピングやら次々と繰り出される技に目は釘付け。そこから「Deception」「Symbiosis」と疾走感のある速いメタルチューンを続けて。サビは歌謡曲的な歌モノだが、土台はヘドバン曲。観客はもちろんメンバーも全員ヘドバンしながらの演奏で、ドラムなんかよくあんな頭振りながら叩けるなーと感心するくらい。
マリナが“新宿歌舞伎町、魔界都市からやってきましたMardelasです!”と挨拶し、続いてはちょっとテンポを落としたミディアムを数曲。リズミカルな歌詞と跳ねたビートがグルービーな「Rock On!」ではレコーディングでも使ったというフライパンが大活躍。また、ワウギターのリフがファンキーな「On The Lam」は、しどけないヴォーカルも聴きどころ。色っぽいため息もライヴで聴くと格段にテンションが上がる。そんな中、MCではロン毛のヅラをかぶった弓田"HOT"秀明(Dr)が『HOT姉さんのお知らせコーナー』として、9月に本ツアーの“第3幕”が決定していることなどを告知する場面も(それもオネエキャラで(笑))。
そして、“ここから先はマジで首がもげると思うので、覚悟してかかってきて!”のマリナの言葉で後半戦に突入。「D.D.C.」の間奏では超速弾きのギターソロからの本石久幸(Ba)のベースソロなど観せ場もしっかり。続いては一度聴いたら《愛し愛されるより ありふれていた》のサビが頭から離れない名曲「Bullseye」。このキャッチーなメロ部分と大きくヘドバンを誘うリフ部分が交互にくる曲構成はライヴで絶対に盛り上がるはずとにらんでいたが、思った通り。ここで会場の一体感は一気に加速!
続く「D.G.L.」は2ndアルバム『Mardelas II』からの選曲だが、歌詞のテーマは魔界都市。3rdアルバムでも一貫して歌われている世界観だ。そして、シャッフル系のリフが印象的な「Scapegoat」、3rdアルバムでは「Deception」と並ぶ疾走感を誇るスピードメタル「Link」とスロットルを上げていき、マリナの“今日は本当にどうもありがとう! 目を開け!”の台詞とともに繰り出されたのは1stアルバム『Mardelas I』のオープニングを飾る代表曲「Eclipse」。スラッシュ系の容赦なく速いリフに会場はヘドバンの嵐。マリナの驚異的なハイトーンシャウトに完全にノックアウトされて本編は終了した。
アンコールは、MardelasとNoGoDのメンバー全員参加で、それぞれのキラーチューンである「神風」2曲をセッション(同じ曲名だが、違う楽曲)。マリナ×団長のツインヴォーカルや、樹京×Kyrieのツインギターという恐ろしく贅沢な演奏を堪能させてもらった。MCでは団長が“メタル業界の若手化を目指そう”とか“日本語を大事にした、日本人による日本人のためのメタルを作りたい。Mardelasも日本語を大事にしたメタルバンドです!”などと意識高い系メタラー発言も。さすが名門ネクサスレーベル所属、次世代のメタルシーンを担う2大バンドだ!と、大いに頼もしく感じたライヴでもあった。
撮影:Misa Sohma(Mardelas)/取材:舟見佳子
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