『臼井孝のヒット曲探検隊 ~アーティスト別 ベストヒット20』

『臼井孝のヒット曲探検隊 ~アーティスト別 ベストヒット20』

「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」
平成の歌姫、浜崎あゆみの
ヒットを探る

ドラマ『マイリトルシェフ』主題歌の
「Voyage」が総合5位にランクイン

総合5位にはドラマ『マイリトルシェフ』主題歌となった2002年の「Voyage」、総合7位にはアニメ『犬夜叉』のエンディングテーマとなった「Dearest」がランクインし、共に、その年の秋に発売されたバラードで、その数ヶ月後に日本レコード大賞を受賞している。また、間の総合6位には、かつての恋人を想い続ける暖かな歌詞が印象的な2009年の「Days」が入りこちらもバラードだ。

「Voyage」MV

2003年にデビュー5年ながら『A BALLADS』というバラード縛りのアルバムが出せるほど、彼女にとっても、またリスナーにとってもやはりバラードの存在は大きい。ちなみに、本作では荒井由実の「卒業写真」がカバーされており、お気づきの方も多いだろうが、彼女のオリジナル曲はすべてアルファベット表記ゆえ、この漢字表記がとても新鮮に見えるほどだ。日本人がイメージしやすい英語も限られているので(笑)、新たなステップを踏むためにも、今後、漢字表記のオリジナル曲を浜崎が作るというのも意外な一手となるような気もする。

自身初のミリオンセラーシングル
「Boys & Girls」が総合8位に

総合8位には1999年のシングル「Boys & Girls」がランクイン。本作で自身初のシングルでのミリオンセラーを達成した。これは8cmから12cmシングルに移行するにあたり、収録時間を大幅に増やしたこともヒット要因だろう。表題曲8バージョンのほか、前作「TO BE」と前々作「Love ~Destiny~」の別バージョンの合計10曲を収録し、お得感を助長した。

「Boys & Girls」MV

ちなみに最も売れたシングルは1999年の4曲A面シングル「A」で、その4曲すべてに浜崎本人が出演するCMタイアップが付いた。本作でも別バージョンやカラオケなど全14トラックを収録し自己ベストの約163万枚という売上に。この4曲すべてが勝負作というシングルは史上初だが、その一方で収録された「monochrome」「too late」「Trauma」「End roll」のプロモーションが分散してしまったせいか、この4曲ともカラオケの上位20曲に入っておらず、この総合ヒット分析でも形式的に1曲目に収録された「monochrome」が11位に入っているのみ。

これに対し、前述の「Boys & Girls」は《輝きだした僕らをだれーが!》と叫んで、その後の《止めることなど出来るだろう》を観客が歌うというコール&レスポンスがお約束となるほどのライヴ定番のアッパーチューンで、こちらはカラオケでも15位にランクイン。こうして見ると、同じ大容量シングルでもプロモーションを1曲に集中したシングルの方が、結果として印象的な楽曲が生まれるのかもしれない。

「too late」MV

OKMusic編集部

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