結成20周年というアニバーサリーイヤーを迎えた
RIZE。その大きな節目にフル作としては約7年振りとなる8thアルバム『THUNDERBOLT〜帰ってきたサンダーボルト』が完成! 同作について金子ノブアキ(Dr)にじっくり語ってもらった。
今作は前アルバム『EXPERIENCE』から実に7年振りですね。
衝撃的な数字ですよね(笑)。とはいえ、ライヴはずっとやってたし、今回入れた曲以外にも倍近く楽曲はあるんですよ。メンバーそれぞれの動きも活発なので、光陰矢のごとし…充実の裏返しかなと。
金子さんも映画出演、ソロでも3作出してますからね。
デビュー当時と比べると、自分の名前で成立する場所が増えたことに驚いてるんですよ。RIZEはJESSEと13、14歳の頃にふたりで組んだんですけど、その感覚を瞬間的にリコールする装置みたいなもので。RIZEは音楽家としていろいろできる人たちが、めちゃくちゃ不器用なバンドをやっているという。
ははははは。
制作中に改めてそれを感じました。だから、みんなに預けるところは預けて、ドラムに集中して取り組みました。
そこは良い意味で変わらず?
うん。バンドを長くやると手柄の取り合いになることが多くて。そうならないために、僕は他の現場を育ててきたから。今回は特にギターのRioくんがディレクターの役割を担ってくれたので、それも大きいですね。制作に入る段階からRioくんの熱量が高かったから。
制作に入る時はどんな話を?
バンドとしては90年のウェストコーストの音を再現してきたから、そこに迷いなく行っちゃおうよって。もはや現地でも鳴ってないサウンドだからね(笑)。90年代を過ごした僕たちの青春時代があり、それで生まれたバンドだから。時代が何周もして、どう響くのかなって。デビュー当時にJESSEと企んでいたことをやってる感じですね。Rioくんはデイヴ・ナヴァロひと筋で、『ONE HOT MINUTE』の頃のレッチリがロールモデルになってるから、その意味でもバンド史上一番ギターの音がでかいアルバムだと思う。
青春のルーツ音楽をここで解き放ったと。
そうですね。1曲目(「〜PROJECT FROM THE EAST TOKYO〜」)は例外的にトラップ、ヒップホップみたいな感じ、最近はあまりやってなかったから。今回はJESSEが一番前にバシッ!と立って完成したことですね。JESSEの人間性と世界観がRIZEだから。それは始めた頃からそうですね。KenKenは精神性では極めてギタリストに近くて、JESSEと僕はリズム隊みたいなところがあるから。
確かに今作はJESSEさんのラップも多めですからね。
うん、日本語がいびつなところもあるけど、もはやここまでくるとそれが彼だから。芝居がかった言葉も言ってほしくないしね(笑)。JESSEのすごさはライヴで顕著に表れるし、未だにあいつ以上の人間に会ったことがないから、今もRIZEをやってるわけですよ。アルバムについては、「ALL DOGS」は彼なりの鎮魂歌でもあって。トラップで始まって、そこから明るくなる前半の流れがとても好きですね。以前だと、言ってることと精神が乖離(かいり)した時期もあったけど、JESSEもいい意味でメロウになったし、ポジティブなものだけが純粋に抽出されるようになってきたから。
なるほど。
JESSEと一緒にいると、縁側にいるおじいちゃんみたいな感じで(笑)、あいつとの間に流れている時間はすごく静かなんですよ。JESSEは以前、ライヴに出る前に吐いてた頃もあったけど、今は普通にスーッとライヴに出られるようになったし。今、ライヴでもお客さんにも良いことを言うし、彼は2度目の黄金期が来ているんじゃないかな。
今、RIZEみたいな音を出すバンドはほぼいなくて。
デビュー当時はこんなバンドばかりだったし、仲の良いバンドも続けているけど、90年は面白かったなぁと今でも思いますからね。グランジ、オルタナティブ…ここ最近のヴォーカリスト(クリス・コーネル、チェスター・ベニントン)の死に方を見ても特殊だと思うけど、ここは日本だし、東京で90年代を過ごしたバンド少年たちも成れの果てというか、いいサンプルになるかなと。
今作は90年代の東京が裏テーマになってますか?
個人的にはありますね。今回ソニー・チームに声をかけてもらって、デビュー当時のスタッフと一緒に作れるなんて恵まれてると思ったし。90年代は70年代からのバンドサウンドの歴史を引き継いでいたしね。
では、ドラムプレイで意識したことは?
僕はリズムを主に考えた…僕のスタイルでもある跳ねた感じ、楕円でシャッフルしてるグルーブ感を出したいなぁと思って。それこそが90年代の象徴的なサウンドなんですよね。ワンタム、ワンフロア、ワンペダルで基本攻めるという。10代の頃は毎日それを練習してましたからね。どうやったら跳ねるのか、どこにキックを持っていけばいいのか、それだけを追求した時期があった。リアルタイムにやりたいことというより、そこに立ち返ってやってみましたね。
なぜそこまで立ち返ろうと思ったのでしょう?
う〜ん、ノスタルジーもあるんですよ。それも大きなエンジンになるから。跳ねたビートの間にこだわって、あとはみんなに任せた!って(笑)。それが今のウチの強さですね。
今作のツアーを経て、12月20日には初の日本武道館を控えてますが。
武道館はツアーとは別物ですね、祝祭の場にしたいから。板(ステージ)の上に立って、みんなの活力になれたら最高だなと。僕にとっても大きな節目になると思います。武道館はまだ何も決めてないんだけどね(笑)。いつも通りに駆け抜ける部分もありつつ、そこでしかできないものをやれたらいいなと。今年はRIZEのために全てを捧げますよ。
取材:荒金良介
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アルバム『THUNDERBOLT〜帰ってきたサンダーボルト』2017年9月6日発売
EPIC Records Japan
- 【初回生産限定盤(Blu-ray付)】
- ESCL-4890~1 ¥4,630(税抜)
- 【通常盤】
- ESCL-4892 ¥2,778(税抜)
- 【完全生産限定盤/アナログ盤】
- ESJL-3091~2 ¥3,333(税抜)
- ※2LP
『RIZE TOUR 2017 “RIZE IS BACK”秋季爆雷』
9/23(土) 新潟・LOTS
9/24(日) 石川・金沢 EIGHT HALL
9/26(火) 富山・MAIRO
9/28(木) 長野・CLUB JUNK BOX
9/30(土) 群馬・高崎 club FLEEZ
10/05(木) 栃木・宇都宮HEAVEN'S ROCK VJ-2
10/07(土) 福島・郡山HIPSHOT JAPAN
10/09(月) 秋田・Club SWINDLE
10/11(水) 青森・Quarter
10/12(木) 岩手・盛岡 CLUB CHANGE WAVE
10/14(土) 宮城・仙台Rensa
10/29(日) 愛知・名古屋DIAMOND HALL
10/31(火) 岡山・CRAZYMAMA KINGDAM
11/02(木) 福岡・DRUM LOGOS
11/04(土) 鹿児島・キャパルボホール
11/05(日) 宮崎・SR BOX
11/07(火) 大分・DRUM Be-0
11/09(木) 愛媛・松山Wstudio RED
11/11(土) 高知・X-pt
11/15(水) 山梨・CONVICTION
11/16(木) 静岡・LiveHouse浜松窓枠
11/18(土) 大阪・なんばHatch
『”RIZE IS BACK” RIZE ASIA TOUR 2017』
11/24(金) 香港・Music Zone @ E-Max
11/26(日) 上海・万代南夢宮上海文化中心
『RIZE TOUR 2017 “RIZE IS BACK”』
12/20(水) 東京・日本武道館
ライズ:1997年、JESSEと金子ノブアキにより結成。00年、シングル「カミナリ」でメジャーデビュー。06年よりKenKenが参加。ロックの“現在”(いま)を圧倒的な熱量で表現する彼らの姿勢は多くのリスナーから支持を得ており、全米、アジアツアーを成功させるなど海外での評価も高い。結成20周年イヤーに突入する16年、メジャーデビューレーベルであるEPICレコードジャパンに復帰した。RIZE オフィシャルHP