【fumika】まっすぐな思いを歌わなく
ちゃいけない
キャリア初となるアルバム『POP SISTER』は、配信デビュー曲「snowflakes」に始まり、“涙ソング3部作”と称したコラボ楽曲やカバー曲、そして新曲とfumikaが歩んだ2年間が凝縮された一枚である。
取材:ジャガー
1stアルバム『POP SISTER』はボリューム満点ですね。
デビューしてからこの2年間でいろんな楽曲を歌ってきて、何物にも代え難い経験を積むことができて…この時間は本当に初々しいなって。初々しいものって自分の原点としてずっと残るものだから、立ち戻れる場所として、次のステップに進むための土台として、ちゃんとかたちにしたかったんです。そうするとボリュームも自然に…(笑)。それに、人それぞれ原点はあると思っていて、このアルバムを手に取ってくれた人それぞれの原点を思い返すきっかけになってくれたら嬉しいなと。原点ってすごいパワーにあふれていると思うんですよ。そういうエネルギーをアルバムに詰め込みました。
具体的にfumikaさんにとってこの2年はどういった時間でした?
濃厚な時間でしたね。おかげで度胸は付いたかな(笑)。レコチョクオーディションでグランプリを獲ってすぐに大きなステージで歌ったんですけど、急な出来事だったので頭の中真っ白になりながら『snowflakes』と『天国のドア』の2曲を歌った後、腰が抜けちゃって。で、先日たまたま同じ場所でライヴをする機会があって、2年振りにそのステージに立ったんですけど、お客さんの顔を観て思いを伝えられてる自分がいたんですよね。それはすごく嬉しい変化でした。あと、最初はグランプリを獲れたのもあって自信があったわけですよ。“こんな素敵な生活が待っているんだろうな~”って夢も膨らみましたが、東京へ出てきて未熟さを叩き付けられ、即効鼻をパキンッと折られましたね(笑)。思うようにいかない自分に腹が立って、すごく悔しい思いをしながら、“なんで歌ってるんだろう?”って悩むこともあって…そんな時に2ndシングルの『たいせつな光』を経て、私にはやっぱり歌しかないって気持ちが強まって、どんな曲がきても“やってやろう!”ってトライすることができました。一瞬一瞬、その時の必死で全力な私が積み重なっての今だから、本当に大切な時間です。
涙ソング3部作の最後を飾る「旅立ちのベル feat.福田桃代」、軽快なメロディーがクセになる「Round and Round」といった新曲もまさにそうですね。
『旅立ちのベル feat.福田桃代』は自分の大切な家族、仲間、恋人…グッシャグシャになった泣き顔もお互いに見せ合えるような相手との“希望の涙”について歌いました。だからこそ、同世代でデビューの境遇の似た桃代ちゃんに声をかけさせてもらったんですけど、ふたりで歌うことで感情の振れ幅を見事に表現できて良かったです。『Round and Round』は言葉遊びが面白いですよね。私の楽曲では珍しく電子音が特徴になった曲ですし、デモはデビュー前からあったので、ライヴでタオルを振り回しながら歌うぞー!っていう気合いの入る一曲です。作詞をしていない楽曲含め、“作詞:fumika”ってぐらいに全曲しっかり取り込んで歌っているので、早く聴いてもらいたいですね。
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