L→R 小倉誠司(Dr)、山村隆太(Vo)、尼川元気(Ba)、阪井一生(Gu)

L→R 小倉誠司(Dr)、山村隆太(Vo)、尼川元気(Ba)、阪井一生(Gu)

【flumpool】軌跡、現在地点、未来も
映し出すベストアルバム

初のベストアルバム『The Best 2008-2014「MONUMENT」』。彼らの新たな一歩を示す新曲「明日への賛歌」と「ビリーバーズ・ハイ」も収録されている本作について4人が語ってくれた。
取材:田中 大

次の始まりにもつながるものにしたかっ

このベストアルバムを、どんなふうに感じていますか?

山村
自信を持ってリリースできるものになりました。実は、最初はベストアルバムを出すのって抵抗があったんです。というのも、自信がなかったから。リリースすることによって、世の中からひとつの区切りを打たれるような気がしたので。ベストアルバムって、そのアーティストのイメージをそこで止めてしまう可能性も持っていると思うんですよ。

なるほど。

山村
flumpoolはまだ代表曲と呼べるものができていないと思うし、そういう区切りを付けるのは致命的な気がしたんですよね。新曲の「明日への賛歌」が作れたことで、今、一番自信を持っているところです。シングルを集めただけのものにはしたくなかったんですよ。だからこそインディーズの時に作った「labo」と、ライヴでも欠かせない曲になっている「Hydrangea」をリアレンジしましたし、新曲も入れたんです。“これからflumpoolはどこへ向かっていくんだろう?”っていう、次の始まりにもつながるものにしたいと思っていました。

未来を指し示す記念碑としての意味も込められた“MONUMENT”っていうことですかね?

山村
そうですね。元気が初めてタイトルを出してくれたんですけど。ね?
尼川
…何で変なところで話を振るの?(笑)

(笑)。ひらめいたわけですね?

尼川
はい。

小倉さんは今回、ベスト盤を出すということに関してどんなことを感じています?

小倉
ひとつのけじめかなと思います。“バンドとしてまだ次のステージに上がれていないな”というのを感じていたので、上がるためのけじめとなる何かを示さないといけないと思っていたんです。そういうのをかたちにできたんじゃないかなと。

阪井さんは今作に関してどんな想いが?

阪井
いいタイミングです。自分たち自身、変わっていかなきゃいけない時期が来ていると思いますし、現在、過去、そして未来にもつながるものになって良かったです。
山村
いっぱい曲作ったね?
阪井
うん。思い返すと、大変だったのかなと。まぁ、いろいろなことがありました。でも、「明日への賛歌」が一番死にものぐるいでしたよ(笑)。

「明日への賛歌」、良い曲ですね。今までの活動の中での葛藤と、ここからさらに前進しようとする意思が、ものすごく込められているのを感じました。

山村
ひと筋の光なのかもしれないですけど、これからの自分たちの活動を照らしてくれるものになったんじゃないかなと思えた曲です。5周年のライヴとして去年の10月に武道館をやらせてもらったんですけど、それを経て、“じゃあ、次のflumpoolとしてどういうことを歌っていこう?”ってバンドでスタジオに入って毎日考えた時期があったんです。でも、何も見つからなくて。“これは、このまま終わってしまうのかもしれないな”ということも思って、現実から目を逸らしたくもなりました。

そこまで追い詰められた状態になったんですね。

山村
はい。メンバーみんなが辛い時期でした。でも、このまま逃げ出すのではなく、もっとこの4人でやっていきたいなと思ったんですよ。就職をしようかどうか迷っていた頃に音楽を夢見たように、今こそもう一度夢見てみたいなと。逃げたくなる自分もいるけど、ここからさらにやっていきたいという自分もちゃんといると感じた時、やっと前向きになれたんです。その頃、一生もメロディーに関して悩んでいたんですけど、僕が思ったことを伝えたら、“じゃあ、とりあえず一緒に作ろう”っていうことになって、何日か泊まり込みで作業をして。その場で僕が歌詞を書いて、そのままメロディーを歌うっていうような初めての作り方をしました。言葉、メッセージがそのままメロディーになっていったような感覚でしたね。
阪井
ある意味、開き直ったような気持ちだったというか。とりあえず、今、自分が言いたいことを全部吐き出そうと思って作っていきましたね。曲がこうして出来上がった今、不思議な感じがしているんですよ。自分が作った曲とは思えないというか。ひとりで作っていたら絶対に出てこなかっただろうなと思えるメロディーの曲になったので。“今までには産み出せなかった新しいものができた!”っていう達成感があります。

《知らぬ間に 褒められる事が大事で 言われた事だけ やっていた》というフレーズとか、生々しいですね。

山村
ほんと、そのままです(笑)。flumpoolって「花になれ」でデビューしましたけど、鳴かず飛ばずだったどん底のインディーズ時代に比べると、あり得ないほど非現実的なデビューだったんですよ。そして、あの曲が良くも悪くも自分たちのイメージを決定付けたなと。“flumpoolってこういうバンドだね”って褒められるところにとらわれていた時期もあったし、そこから抜け出そうとしても抜け出せなかった自分もいたし、“抜け出さないほうが続けられるのかな?”って弱気になる自分もいたんですよね。

そういう葛藤って、他のいろんな曲にも表れていると思います。「reboot ~あきらめない詩~」とか「Because... I am」とか、何かを打破しようする想いがこもっていますし。

山村
今おっしゃった2曲も、“自分たちを壊して解放していこう”っていう気持ちで作ったんですよ。それが当時の勇気であり、大切な何か。でも、そういうものができたからといって、その先も前向きでいられるわけではなくて、いつもその時期、その年齢なりの悩みがあるんですよね。ということは、今後も全てにおいて悩むんだと思います。「明日への賛歌」で《挫折と 反省の その繰り返し》って書いていますけど、そういうことが分かったのも成長なのかなと思います。

葛藤の軌跡も今作は示していると思います。

山村
ほんと、そういうふうにずっと自分たちのことを歌ってきたんです。ただ前向きなことを言って、背中を押すだけじゃ駄目なんでしょうね。いかに努力して、挫折して…っていう自分たちの人間臭いところをもってしか、みんなに届けられるものはないんだと思っています。
小倉
そういう吐き出し方がよりストレートになっているのが「明日への賛歌」ですね。今までも気持ちを吐き出してきましたけど、気飾っていない、ありのままの言葉が入っている曲です。
尼川
サビの突き抜ける感じとか、弾いていても気持ち良いです。いい曲ができたと思っています。

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

新着