【ハジ→】人を好きになるのは、やっ
ぱり素晴らしい!
「for YOU。」などのヒットで注目のシンガーソングエンターテイナー、ハジ→が、ネットでも話題のナンバー「sumire。」をリリース。切ない片想いを歌った、名ミディアムバラードが誕生した。
取材:榑林史章
「Sumire。」は、すごくいい曲ですね。マイナー調だけど、温かい雰囲気があって。切なさや苦しさ、希望も含まれているし。
いいでしょう!! でも、実は6年前に作った曲なんですよ。この曲には本当にいろいろなことがあったけど、今思うと導かれていたようなところもあったのかなって思いますね。
どういうきっかけでできた曲なのですか?
友達から曲を作ってほしいと頼まれたのがきっかけでした。本気で好きになった女の子に、何とかしてオリジナルの曲を持って行って聴かせてあげたいと。歌詞の中で、両想いっぽくなったり、片想いっぽくなったり、いろいろな場面がありますが、ちょうど片想いになっていた時期だったと思うんです。片想いって、その他のことがまったく考えられなくなるくらい、苦しい気持ちになるじゃないですか。僕も経験があったから、そいつの気持ちが痛いほど分かって。それで“よし、分かった!”って、あたかも自分のことを書くかのように作っていいきました。
リリースまで6年かかったのは?
実はその友だちというのが、結構ヤンチャで。曲を作ってしばらくしてからは、絶交状態になってしまって。思い出すと腹立つから、曲も封印していたんです。それが1年くらい前に、久々に耳にしたら、あれから年月も経っていたしフラットな状態で聴いたのもあって、やっぱりいい曲だしもう一度歌いたいと改めて思ったんですよね。それで意を決して電話をしたら、向こうも当時のことをすごく反省していて。要は、お互いに大人になっていた。それでわだかまりも解けて、今回、よりたくさんの人にお届けしようということになりました。
この曲を聴くと、自分の経験を思い出したり、切なくなったり、甘酸っぱくなったり、いろいろな気持ちが沸き上がりますね。
そうなんですよ。“恋してぇな!”でもいいし、“あんな恋愛してたっけな”って思い出してもいいし、いろんな気持ちになってくれたら嬉しいです。例えそれがどんな恋愛だったとしても、恋は人を成長させてくれるもの。人を好きになることは、やっぱり素晴らしいなって思ってもらえたら最高です!
打って変わり2曲目の「迷子。」は、人の内面を歌った少し重たい感じの曲で、冷たい海の底にいるような感覚になりました。
闇の中にいる感じですね。周囲のことばかりを気にして、本当の自分を見失ってしまうことってありますよね。僕自身そういう時があって、その時に書いていた言葉のメモをもとにして作りました。でも、社会で生きていく以上、こういう葛藤は一生ついてまわるものだから、そういう意味では人間の普遍的な命題を歌っているんじゃないかと思います。
ハジ→さんは前向きな曲を歌っているイメージが強いので、こういうタイプの曲は少し意外でした。
ネガティブな内面を歌った曲はなかったわけじゃないですが、最後まで希望の光が射さずに終わる曲は初めてですね。でも、誰だって葛藤するし、僕にだってあるんだよって伝えるためには、あえて迷子のまま終わるのがいいんじゃないかって。ただ応援するだけではなく、こういうかたちで寄り添える曲が作れたのは、僕自身もひとつ成長できたのかなって思います。
そして、3曲目には、夏っぽいキラキラした感じの「サマ→ズラバ→。(★STAR GUiTAR REMIX)」を収録しているわけですが。
毎回シングルは、3曲でひとつの世界観を表現したいと思っています。「Sumire。」は先ほど話した通り、ただのポジティブな歌じゃなくて、苦しさも込められていて。その流れでこういうネガティブな「迷子。」にどっぷり浸っていただいて。で、3曲目に夏の陽気な歌で、迷子の気持ちから脱してほしい。一曲一曲でもいいですけど、3曲通して楽しんでくれたら嬉しいですね。
アーティスト