【GRANRODEO】GRANRODEOは道化でいい
んだと思えた
当時を知らない子たちが聴いて カッコ
良いと思ってもらえたら嬉しい
「FAT SHAPER」は歌詞がすごく面白いですね。
KISHOW
新曲が7曲ある中で、1曲くらいは好き勝手にやらせてもらおうと思って。この曲を聴いた時、e-ZUKAさんはマリリン・マンソンをイメージしたそうなんですけど、聴いた瞬間に“これは遊べる! 意味がなくてもOK!”と(笑)。極端なことを言うと、曲を活かすためだけにでたらめに言葉を羅列するだけでもいいっていうくらいの感覚でした。
リズムからアダム&ジ・アンツを思い出しました。
e-ZUKA
そうそう。これを作ってる時、そのPVを観たんですよ。ふと、アダム&ジ・アンツってカッコ良かったよな~って思い出して。でも、久々に観たら音がしょぼくて、記憶と違ってて笑いました(笑)。カッコ良いのは、かけ声だけだったんだなって。まぁ、土着的なビートと金属的なサウンド感を共存させたかった、みたいな感じです。実は、この曲のアイデアは何かの車のCM曲でリズムとウォーウォーっていう歌が合わさったものを聴いてカッコ良いなと思って。そのうちそういう曲を作りたいと思っていたんですよ。
“FAT SHAPER”というタイトルはどういう意味で?
KISHOW
脂肪を削り取るみたいな。歌詞の冒頭に出てくる“モーパッサン”をググると、代表作に“脂肪の塊”というタイトルが出てくるんです。情報化社会で余分な脂肪ならぬ情報を削ぎ落とすとか、不条理という名の贅肉とか…全て後付けですけど。ガチで泥酔して書いたので(笑)。
前にもワインを飲みながら歌詞を書いたことがあったような…
KISHOW
今回は、いいちこのソーダ割りを(笑)。今は自宅ではそれしか飲まないので。2年前に禁煙に成功したと思えば通風を煩い、それでビールを止めて、今やいいちこですよ!
肝臓には気を付けたほうが。
KISHOW
いいちこだから大丈夫です! 何だ? この、いいちこに対する全幅の信頼は!(笑)
「Fake lover’s true heart」については? すごくポップで、キャッチーな曲ですけど。
e-ZUKA
これは2時間くらいで作りました(笑)。
KISHOW
サウンドもそうですけど、歌詞に関しても91年~92年のJ-POPやJ-ROCKをイメージしました。「君に one way love」もですけど、どこかちょっと懐かしいフレイバーを感じてもらえると思います。これもある種、GRANRODEOらしさみたいなところで。当時を知らない子たちが聴いて、素直にカッコ良いと思ってもらえたら嬉しいです。
で、今作で肝になるのがバラードの2曲「終わらぬ夢」と「UNDER THE SKY」だと思います。どういう経緯で、この2曲が収録されることに?
e-ZUKA
まず「終わらぬ夢」は前シングルの「少年の果て」と同時期に作った数曲のうちのひとつで、アルバムに入れたいと思っていました。それで、アルバムのラストは、最初はその「終わらぬ夢」だと思っていたんだけど、スタッフがそれだともの悲しい感じになるしな~と少し難色を示したんで、それじゃあということでスタッフに聴いてもらったのが「UNDER THE SKY」だったんです。ギターでひと筆書きのように一気にできた曲だったけど、スタッフから“めっちゃいい! これをアルバムのラストにしましょう!”と。それで、急遽その翌日にレコーディングすることになったんですよ。
「終わらぬ夢」は後半に転調するのが特徴で。
e-ZUKA
セブンスコードでブルージーになるところですね。ビートルズの時代からやってる常套手段ですけど(笑)。
KISHOW
これはとにかく歌い上げる感じかな。キーがちょっとお高めなんですけど、そこにカタルシスを感じたかったというか。「少年の果て」と同時期という話もあったので、歌詞は「少年の果て」と対になってるところもあって、アンサーソング的なものになっています。歌詞に《少年の翼見えた》というフレーズがあるんですけど、これは「少年の果て」がなければ出てこなかったフレーズですね。つまり、“少年の果てに終わらぬ夢がある!”みたいな。
さすが!
KISHOW
ほらきた! 前の取材でも評判良かったんで!
他で使ってるなら、別のバージョンもお願いします。
「UNDER THE SKY」は、三連のリズムでスケールが大きいバラードですね。
e-ZUKA
僕の中では、「背徳の鼓動」(4thアルバム『SUPERNOVA』収録)の希望があるバージョンみたいな感じかなと思ってますけど(笑)。
KISHOW
実は「UNDER THE SKY」の歌詞を書きながら、「背徳の鼓動」のことを思い出していました。風景や情景を想起させる言葉は、よほど曲がそういうイキフン…いや、雰囲気を持ってないと出てこないものなのですが、「背徳の鼓動」の時にもそう感じていたんです。
歌もイキフンですか? 雰囲気がありますね。
KISHOW
(笑)。叙情的ですよね。“この空の下”なので、スケールをでかく取って歌った感じです。それで最後に、《言えたはずの I love you》と急にギュッと個人的なフレーズになる。ここでリスナーをキュンとさせようと、そんな下心が見え見えですね(笑)。まあ、アルバムの最後に相応しい曲になればいいなと思って言葉も選びました。
・・・
『Pierrot Dancin’』2017年02月08日発売Lantis
- 【初回限定盤(DVD付)】
- LACA-35640 3780円
グランロデオ:“KISHOW”こと声優でヴォーカリストとしても注目されている谷山紀章と、メロディアスな曲からハードなギターサウンド曲までアニメーション音楽に幅広く楽曲を提供し、ギタリストとして活躍中の“e-ZUKA”こと飯塚昌明のふたり組ユニット。2005年11月のデビュー以来、HR/HM調の楽曲を中心としつつ、ポップスやフォークなど多彩なジャンルを取り入れた楽曲を発表し続けている。GRANRODEO オフィシャルHP