日本男子が1~4位独占の快挙!『ワー
ルドスケートボード東京』は準決勝へ

『ワールドスケートボードストリート世界選手権2023東京』は12月15日(金)、有明コロシアム(東京都)で準々決勝が行われ、日本勢が男女で躍動した。
準々決勝は45秒のランを2本行い、そのベストスコアで争われた。男子は根附海⿓が首位通過。さらに、日本勢が1~4位を独占する快挙を見せた。一方、女子は赤間凛音が3位で準決勝に進出している。
今大会には世界47カ国から198名(男子125名、女子73名)の選手が出場。来年のパリオリンピックを目指す各国のトップ選手が、最高のトリックでしのぎを削った。
コースレイアウト (c)齊藤僚子
コースレイアウト (c)齊藤僚子

根附海⿓の切れ味に場内英語アナも思わず”イチバ~ン”コール
(c)齊藤僚子
男子では母国初開催のスケートボード世界選手権で、日本人選手が国内外のファンをアッと言わせた。世界ランキングの上位ランカーが集まる中で、同15位(12月14日現在)の根附海⿓がランク1位で準決勝へ進出。以下、佐々木音憧(8位)が2位、白井空良(同5位)が3位、小野寺吟雲(同7位)が4位と、日本人選手が上位を独占した。
根附海⿓ (c)齊藤僚子根附海⿓ (c)齊藤僚子
根附が自慢の金髪をなびかせながら、鮮やかなトリック(技)を決めた。スピードに乗ってボードを回転させるフリップを見せたかと思うと、するりとレールに移行。流れるようなリズムでノーミスで演技を終えると、場内英語アナも、思わず「イチバ~ン」コールを連呼した。
スコアはそれまでのトップだった佐々木の72.67を、8点近く引き離す80.37。場内からは大きな歓声が上がった。
この好成績を生んだ理由について、根附は「ランを昨日(の予選)とちょっと変えたのが、良い点数につながった。ちょっと難易度を上げたのが良かった」と分析。この日取り入れたヒールバックテールなどの技が、高得点に結びついたという。
準決勝からは45秒のラン2本とベストトリック5本のうち、1ベストラン+2ベストトリックの合計3スコアの合計で争われる。根附は「自分の得意な技を安定して5本中2本決めて、あと3本は調整できればいい」と話す。そして、この日を改めて振り返り、「今日はランをノーミスでできてうれしかった。明日もこの調子で点が出れば、決勝までいけると思う」と、自信をのぞかせた。

佐々木音憧 (c)齊藤僚子
佐々木音憧 (c)齊藤僚子
白井空良 (c)齊藤僚子
白井空良 (c)齊藤僚子

小野寺吟雲 (c)齊藤僚子
小野寺吟雲 (c)齊藤僚子

予選21位から躍進した佐々木は「明日もいつも通り、自分の技を出せたらいい」と、この日の再現を誓った。また、白井は「戦いはここから」と気合い十分。小野寺は「明日、全力でやり切って、決勝に上がりたい」と言葉を弾ませた。
青木勇貴斗 (c)齊藤僚子
青木勇貴斗 (c)齊藤僚子

その他の日本勢は、予選トップの青木勇貴斗(同17位)が8位、東京オリンピック・金メダリストの堀米雄斗(同12位)が9位で準決勝へ進出している。
長井太雅(同118位)はスコア48.84の19位、池慧野巨(同40位)はスコア48.73の20位、松本浬璃(同20位)はスコア40.44の24位と、いずれも思った成績を残せずに敗退した。
外国勢のトップは5位のブレイデン・ホーバン(米国=同28位)で、スーパースターのナイジャ・ヒューストン(米国=同2位)が6位で続いた。なお、シード選手のグスタボ・リベイロ(ポルトガル=同3位)が17位、ケウビン・ホフラー(ブラジル=同4位)が25位で敗退する波乱もあった。
ナイジャ・ヒューストン (c)齊藤僚子
グスタボ・リベイロ (c)齊藤僚子
ケウビン・ホフラー (c)齊藤僚子

準決勝に進出した男子16名の選手の成績は以下の通り。
・1位 根附海⿓(日本)80.37
・2位 佐々木音憧(日本)72.67
・3位 白井空良(日本)72.00
・4位 小野寺吟雲(日本)71.10
・5位 ブレイデン・ホーバン(米国)68.54
・6位 ナイジャ・ヒューストン(米国)67.14
・7位 リヒャルト・トゥリー(スロバキア)66.15
・8位 青木勇貴斗(日本)65.19
・9位 堀米雄斗(日本)62.41
・10位 ヴィンセント・ミルー(フランス)61.16
・11位 ガブリエル・アグイラ(ブラジル)60.69
・12位 コルダノ・ラッセル(カナダ)55.02
・13位 アレックス・ミドラー(米国)54.21
・14位 ミッキー・パパ(カナダ)53.92
・15位 デイヴィッド・トゥエスタ(ペルー)52.11
・16位 グレッグ・ロドリゲス(メキシコ)50.25
赤間凛音が復活。女王・西矢椛は4位通過
世界ランキングのトップ10のうち5人の日本人選手が出場した女子は、赤間凛音(同ランキング4位)が安定感のある演技を2本そろえ、日本人トップとなる全体3位で準決勝進出を決めた。以降、西矢椛(同1位)が4位、織田夢海(同3位)が5位、中山楓奈(同6位)が6位で続いた。

赤間凛音
赤間凛音 (c)齊藤僚子

赤間は1本目にハンドレールなどで切れ味を見せた。グラインドも安定し、演技を終えると思わずガッツポーズポーズも飛び出した。
試合後に「1本目はフルメイクできて、うれしかった。こんなに点数が出るとは思わなかった」と笑顔を見せた赤間。世界選手権という最高峰の舞台については、「他の選手のレベルが違い、すごいなと思った」と話すが、自身のレベルについて「ケガする前より良くなっている気がする」とコメント。「挑戦したい技がある」とのことで、「明日やるかどうかわからないが、できたらいい」とポジティブな発言をしている。バランス感覚とオーリーの高さも上がったことで、「優勝を狙って頑張る」と意気込みを見せた。

西矢椛 (c)齊藤僚子
西矢椛 (c)齊藤僚子

織田夢海 (c)齊藤僚子

織田夢海(左) (c)齊藤僚子
西矢は「1本目は良かったけど」と、2本目のレールでの落下を悔やんだ。それでも、女王らしく「優勝できるように明日頑張りたい」と前を向く。織田は「今日は2本とも(最後まで)できて良かった」と話し、明日以降の活躍を誓った。

その他の日本勢は、伊藤美優(同13位)が8位、吉沢恋(同8位)が9位、藤澤虹々可(同29位)15位で準決勝に進出している。
上村葵(同11位)は1本目に38.14の好スコアをマークするも、最終順位は18位。中島ののか(同16位)はミスが目立ち、スコア19.17で同31位と、この日で姿を消した。
クロエ・コベル (c)齊藤僚子
クロエ・コベル (c)齊藤僚子
ライッサ・レアウ (c)齊藤僚子
海外勢では、クロエ・コベル(オーストラリア=同5位)がスコア77.26で首位、ライッサ・レアウ(ブラジル=同2位)がスコア74.87の2位で続いた。パメラ・ロザ(ブラジル=同7位)は10位、ペイジ・ハイン(米国=同9位)は12位で順当に駒を進めた。

その他で目を引いたのが、Heat1出場のケート・オルデンべービング(オランダ)。2回目のランでスコア52.13をマークすると、Heat2までの全16人の演技を終えた段階で首位をキープ。最終的に11位で準決勝に進んだ。
準決勝に進出した女子16名の選手の成績は以下の通り。
・1位 クロエ・コベル(オーストラリア) 77.26
・2位 ライッサ・レアウ(ブラジル)74.87
・3位 赤間凛音(日本)69.92
・4位 西矢椛(日本)69.37
・5位 織田夢海(日本)66.65
・6位 中山楓奈(日本)64.28
・7位 ロース・ズウェツロート(オランダ)63.01
・8位 伊藤美優(日本)62.98
・9位 吉沢恋(日本)56.39
・10位 パメラ・ロザ(ブラジル)55.25
・11位 ケート・オルデンベービング(オランダ)52.13
・12位 ペイジ・ハイン(米国)46.51
・13位 チェンシー・ツイ(中国)45.11
・14位 ダニエラ・テロル(スペイン)44.11
・15位 藤澤虹々可(日本)43.92
・16位 ナターリャ・ムニョズ(スペイン)43.20
選手も、会場のムードも最高にヒートアップ
これだけのトップスケートボーダーが世界から集まるのは、日本では初とあって、平日にも関わらず、会場には多くのファンが来場した。
キッチンカー (c)齊藤僚子
キッチンカー (c)齊藤僚子

会場にはキッチンカーも登場し、勝浦タンタンメンなどの千葉のローカルフード、プルドポークなどのバーベキュー飯、グルメバーガーや多彩な肉丼など、様々なグルメがこの日会場を訪れた観客の人気を集めていた。
オフィシャルグッズ売り場 (c)齊藤僚子
さらに、エントランス付近にはオフィシャルグッズ売り場が登場。こちらではTシャツやフーディー、キャップ、キーホルダーといった小物などを、実物を見ながら購入できる。
準決勝は16日11:25、決勝は17日14:05にスタート
準決勝および決勝は新オリンピック・フォーマットに基づいて行われる。その組み分けと滑走順は次の通り。
■女子
<Heat 1>
ナターリャ・ムニョズ(スペイン)
藤澤虹々可(日本)
ダニエラ・テロル(スペイン)
チェンシー・ツイ(中国)
ペイジ・ハイン(米国)
ケート・オルデンベービング(オランダ)
パメラ・ロザ(ブラジル)
吉沢恋(日本)
<Heat 2>
伊藤美優(日本)
ロース・ズウェツロート(オランダ)
中山楓奈(日本)
織田夢海(日本)
西矢椛(日本)
赤間凛音(日本)
ライッサ・レアウ(ブラジル)
クロエ・コベル(オーストラリア)
■男子
<Heat 1>
グレッグ・ロドリゲス(メキシコ)
デイヴィッド・トゥエスタ(ペルー)
ミッキー・パパ(カナダ)
アレックス・ミドラー(米国)
コルダノ・ラッセル(カナダ)
ガブリエル・アグイラ(ブラジル)
ヴィンセント・ミルー(フランス)
堀米雄斗(日本)
<Heat 2>
青木勇貴斗(日本)
リヒャルト・トゥリー(スロバキア)
ナイジャ・ヒューストン(米国)
ブレイデン・ホーバン(米国)
小野寺吟雲(日本)
白井空良(日本)
佐々木音憧(日本)
根附海⿓(日本)
『ワールドスケートボード東京2023』は、『2024年パリオリンピック競技大会』の出場権をかけたランキングポイントをもっとも多く獲得できる重要な予選大会。今回の決勝で上位に入れば、五輪への道が大きく開ける。
選手たちは、まさに目の色を変えて、自慢のトリックを見せてくれるだろう。”神業”が飛び出すかもしれない有明コロシアムでの激闘を、見逃してはならない。

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