櫻坂46の過去、現在、未来を体感させ
るエモーショナルな展覧会 『新せ界
』レポート

東京の六本木ミュージアムにて、2023年7月28日(金)から10月29日(日)まで、櫻坂46の初めての展覧会『新せ界』が開催されている。
本展の『新せ界』というタイトルは、「世」を起源とするひらがなの「せ」という文字と、デビュー以来変化を続ける櫻坂46を重ねたもの。展示内容は、メンバーたちの過去から現在、そして未来のヴィジョンを巡り、クリエイティブに注力してきた櫻坂46の魅力を余すところなく伝える、総括的な内容だ。
ここでは、櫻坂46のメンバーである田村保乃、藤吉夏鈴、山崎天(崎はたつさき)が登壇したトークセッションとあわせ、プレス内覧会の様子をレポートしよう。
山崎が撮った映像、藤吉がレイアウトに協力した空間……櫻坂46への愛が深まる空間
櫻坂46(左から)田村保乃、山崎天、藤吉夏鈴
本展を鑑賞するのは初めてという3人。田村は「グループとしてこういう展覧会ができるのは、当たり前のことではないので、それができたことがすごく嬉しいです。完成した空間を見て、過去を振り返ることができたり、これからの未来を皆さんに楽しみにしていただけるんじゃないかなと思いました」と語る。「印象に残った展示は?」という質問には、4thシングルの『五月雨よ』のジャケット撮影で使われた白い木がある「5章 大樹」がお気に入りとのこと。その空間で、山崎が8ミリカメラで撮ったパリの映像などが流れていることに触れ、「メンバーだから撮れる笑顔が見れて、すごくグッときました」とほほ笑んだ。
次に山崎は、「メンバーも見たことがない展示がたくさんあったので、ファンの方にも、私たちがあまりお見せしていなかった部分を是非楽しんでいただけたらなと思いました」と話した。また、「1章 衣装―存在を支えるもの」のスペースに触れ、「本当に面白い展示ですし、私たちは踊りが激しくて、衣装をまじまじと見る機会はなかなかないので、細かい部分まで楽しんでいただけるかなと思います」と語り、展示の細部にまで着目しているのが印象的だった。
藤吉は「今回は、欅坂46から櫻坂46に改名して、その歴史がたくさん詰まっている展覧会となっています。公開されていないような、変更前の企画書などもたくさん展示されているので、すごく楽しんでいただける内容になっていると思います」と話した。
また藤吉は、メンバーに手伝ってもらいながら、「5章 大樹」の五月雨の木の周辺にある写真のレイアウトをしたそうで、そのコーナーを「しっかり見ていただけたら嬉しいなと思います」と語った。すると田村と山崎が「……3時間かかった?」と聞き、藤吉が「もっと、5時間くらい? 支えていただきながら、つくってみました」と答えるなど、3人とも明るく和やかな雰囲気で解説してくれた。

櫻坂46(左から)田村保乃、山崎天、藤吉夏鈴

3人はファンの皆さんへのメッセージとして、「これからの櫻坂46に期待していただけるような展示になっていますので、是非楽しみにご来場ください」(田村)「これを見ていただいて、より櫻坂46への愛を深めてくださったらと思いますし、上から下まで見逃すことなく見ていただけたらなと思います」(山崎)「大勢の方が関わってくださって、愛をもって制作してくださいました。日常から離れたような展覧会になっているので、楽しんでいただけたらなと思います」(藤吉)と締めくくった。
櫻坂46の過去から現在までを一挙公開
本展は、「序章 幕開け―いびつで神聖な時間」「1章 衣装―存在を支えるもの」「2章 映像とダンス―記憶の残像レイヤー」「3章 アートワーク―未来への羅針盤」「4章―彼女らの痕跡―存在と不在の狭間」「5章 大樹」「6章 ヴィジョン―言葉の光」「7章 新せ界」という構成だ。
会場には櫻坂46の歴史が散りばめられていて、グループの前史を振り返り、映像でこれまでの軌跡を辿り、メンバーたちが撮りためていた写真で印象的な瞬間を振り返ることができる。櫻坂46がその時代・その場所に存在していたことが、ありありと実感できるつくりになっているのだ。
また本展は、多種多様なスクリーンやダイナミックな照明、クールでめりはりのある美術などの効果により、まるで刺激的な演劇かライブの会場にいるような興奮を味わえる。
「2章 映像とダンス―記憶の残像レイヤー」
「3章 アートワーク―未来への羅針盤」
会場の中でも、展示の後半にある、4thシングルの『五月雨よ』のジャケットに登場した大樹はひときわ存在感がある。しっかりとした枝や根を見ていると、櫻坂46には今までのしっかりとした歴史があって、これからの活動が広がっていくのだと力強く伝わってきた。
「5章 大樹」
変化を続けるメンバーたちと連動した内容
櫻坂46の歴史に触れる本展は、未来も感じさせる内容だ。「6章 ヴィジョン―言葉の光」は、メンバーが抱く未来像が言葉で記載されているスペース。白いスペースは明るい光に満ちており、前向きな将来へのヴィジョンを予感させる。
「6章 ヴィジョン―言葉の光」
変化を続ける櫻坂46と同様に、会期の最初から終わりまでに展示内容に変更があるのも、本展の特徴の一つ。「5章 大樹」付近、藤吉が写真のレイアウトを行ったコーナーは、少しずつ変更されていく可能性もあるとのこと。「7章 新せ界」の白い空間は、メンバーが展覧会を鑑賞して沸き上がった言葉がどんどん追記されていくという。展示全体を通し、変わりゆく櫻坂46の過去から現在、そして未来へのヴィジョンを体感することができるのだ。
「7章 新せ界」
さまざまな衣装にテンションが上がる
櫻坂46が注力しているクリエイティブの一つに、衣装が挙げられる。本展では、鏡張りの空間に、歌番組やュージックビデオなどでメンバーたちが着用していた衣装がずらりと並んでいて、まるでライブの直前のようにワクワクさせられた。思い出深いライブや大好きなミュージックビデオの衣装を近くで鑑賞できる、めったにない機会だ。
また、衣装によってはデザインのスケッチや解説なども紹介されているので、細部のニュアンスやデザイナーの指示と思しきメモ、デザインに至る経緯なども知ることができるのも嬉しい。この展示を見てから改めて映像を見ると、衣装の背景などが垣間見えて、思い入れと愛が深まるだろう。
「1章 衣装―存在を支えるもの」
「1章 衣装―存在を支えるもの」
物販コーナーでは、展示内容が詰まった図録などのほか、ポスターやアクリルスタンド、トートバッグなどがふんだんに揃っている。ミュージアム内に併設された「坂cafe(eはアキュート・アクセント付き)」では、「流れ弾衣装2色カレー」など、櫻坂46の楽曲などをテーマにしたフード、デザート、ドリンクが用意されており、櫻坂46の世界に浸ることができるので、見逃さずにチェックを。
物販コーナー
物販コーナー
流れ弾衣装2色カレー
CDジャケットのアートワークや映像、衣装やダンスなど、クリエイティブに注力してきた櫻坂46。本展は、そんな櫻坂46のメンバーたちを魅力的に見せることに力を注いだ、エモーショナルな内容だ。クールにかっこよく前進する櫻坂46と、エッジの効いた展覧会場の雰囲気がぴったり合っているので、会場に足を踏み入れた瞬間の興奮を味わってほしい。櫻坂46の過去、現在、そして未来が詰まった展覧会『新せ界』、是非この機会をお見逃しなく。

(c) Seed & Flower LLC.
文・写真(一部)=中野昭子
写真(一部)=オフィシャル提供

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