INTERVIEW / 甲田まひる先の保証は何
もない、だからこそ後悔のない作品を
──22歳のリアルを綴った1stアルバ
ム『22』 先の保証は何もない、だか
らこそ後悔のない作品を──22歳のリ
アルを綴った1stアルバム『22』
今作では全曲の作詞作曲を自身で手がけるほか、共同作曲/編曲に野村陽一郎やSUNNY BOY、UTA、前田佑、Shingo Kubota、DJ Mass MAD Izm*などが参加。また共同作詞には元SUPERCARのいしわたり淳治、ドラム演奏に石若駿など、幅広いシーンから錚々たるメンバーが集結し、作品に新たな風を吹き込んだ。
無類のヒップホップ好きであり、プロのジャズ・ピアニストとしても知られる彼女が見つけたポップスの形とはどのようなものだったのか。アルバム制作の最終局面を迎えるタイミングで、甲田まひるに話を訊いた。
Interview & Text by MINORI(https://www.instagram.com/minorigaga/)
Photo by Ayaka Horiuchi(https://www.horiuchiayaka.com/)
「またいつの日か」が嫌いな理由
――昨日のインスタライブ拝見しました! 甲田さんが抱える“日常のもやもや”──例えば、周りの目が気になってレストランのメニュー表にあるオノマトペが言えなかったり、電車内で歩いているときに視線が気になってを車両を移動できなかったり──について話されていて、すごく共感しました。日常生活では結構気を使うタイプなんですか?
甲田
――その変化には、作詞を始めたことが関係あると思いますか?
甲田
人とのコミュニケーションの取り方は直接的には変わってないんですけど、歌詞が書けるようになってくると、自分の自信のなさが見えてきたんです。会話の中で自分の言葉がどういう風に届いたか不安になったり、相手がどういう反応をするか気になったりするようになりました。
――先行シングルの「22」では、より素直な今の気持ちを歌っているように感じます。例えば《財布の中身が同じくらいの子じゃなきゃ遊びづらいよ》というラインなど。
甲田
――年齢を重ねることによって、そういうことが増えていきますよね。同じく「22」では《これでもありったけの愛を持って生きてるの 誰かにあげようとしたって、渡し方も知らないんだ》という歌詞も気になって。
甲田
――甲田さんがご自身のファンに喜んでもらって嬉しいときの感情って、愛を与える、もしくは愛をもらうときと近い感覚だったりしますか?
甲田
――自分のことで精一杯なのも、人のことを考えすぎることも、結局は自分の価値が定まっていないことが原因なんですね。とても素直な言葉だと思います。
甲田
――特にハタチを超えた辺りからそんな感覚が襲ってきませんか?
甲田
――同じく「22」の《求められてること以上にやって 大人に褒められたりしたけど》というラインは、甲田さんが10代の頃の話でしょうか? 今振り返って、その頃のことをどう思いますか?
甲田
――「22」の作詞にはいしわたり淳治さんが参加されていますね。
甲田
■ 「メジャーデビューから約1年のアーティスト、甲田まひるの光るワードセンス」(いしわたり淳治のWORD HUNT)(https://www.asahi.com/and/article/20230120/423489570/)
甲田
あと、「こういうテーマだからこそ、自分で書かないと意味がない」とおっしゃっていて。基本的には自分で書いて、譜割りなどで不安な部分で助言をいただきました。人のアドバイスでこんなに筆を動かしたことはなかったので、いしわたりさんって凄いなって思いました。
――いしわたりさんに参加してもらうことに対して、緊張したり萎縮してしまうことはありましたか?
甲田
――曲のタイトルは最初から「22」だったんですか?
甲田
多彩なアレンジャー陣との化学反応
――「22」には編曲に野村陽一郎さんがクレジットされています。
甲田
陽一郎さんはギタリストでもあるので、「これ、どうやって弾いたの?」って聞いてくれたり、コードの話でも盛り上がって。すごく音楽的な時間を過ごすことができました。「22」を聴くとその楽しかった記憶が今でも蘇ってきます。
――制作はどのように進めていったんですか?
甲田
――アルバムでは他にもアレンジャーやプレイヤーとして多くの方がクレジットされています。
甲田
ドラムを叩いてもらった石若駿さんは『PLANKTON』っていう私のジャズ・ピアノのアルバムでもお世話になっていて。ベースは石若さんと一緒にSMTKというバンドも組んでいるマーティ(マーティ・ホロベック/Marty Holoubek)にお願いしました。マーティも昔から一緒にセッションをするような仲で、今まで自分のやってきたことが今回のアルバムで結実した感覚があります。
――リリックにはストーリーが感じられます。これは全てフィクションなのでしょうか。
甲田
あとはちょこちょこ小ネタも入れていて、《ima feel like havoc where’s my prodigy at?》っていうのは、気持ちをMobb DeepのHavocに喩えています。《言葉じゃなくて心でunderstand it》はJOJO(『JOJOの奇妙な冒険』)のセリフをオマージュしていたり(笑)。
同世代にも自然と響く音楽を
――「Ame Ame Za Za」にはHomunculu$さんが参加されているんですね。
甲田
――先行シングルをピックするとポップな側面が印象的ですが、アルバム全体で見るとだいぶヒップホップ色も強めで。甲田さんの趣味趣向が表れているんだなと。
甲田
――Watsonさんは書き起こせるくらいにリリックが聴き取れますよね。アルバムではヒップホップやR&Bをベースにしながらも、甲田さんらしい煌びやかな雰囲気も随所に感じられます。自分らしさを曲に出すために、意識していることはありますか?
甲田
――じゃあ、アルバムのテーマみたいなものは事前に決めてはいなかったんですね。
甲田
――(笑)。あと、甲田さんのラップ・スタイルが確立されてきているように感じました。ラップをするにあたって参考にした方などはいますか?
甲田
――甲田さんはジャズやヒップホップをバックグラウンドに持ちながらも、今はポップスをメインに音楽活動をされています。それはなぜなのでしょうか?
甲田
元々ファッションが好きなことも関係しているかもしれないんですけど、ジャズ・ピアノを弾いていても、歌っている人を見ると、目立ってて羨ましいなって思ったりして(笑)。フロントに立つのが好きなので、何かをサポートするっていうのがあんまりしっくりこないんです。Ariana(Grande)のようなポップ・スターも大好きで、真ん中に立って、かわいい服で歌って踊りたい気持ちがずっとあるんです。
――Ariana Grande、私も大好きです。
甲田
あと、ジャズをやってるときは、どうしても同世代に届いてる実感が湧かなくて。当時はそれがすごく悔しかったんです。ジャズのことももっと知ってもらいたいからこそ、自分への入り口を広げないとって思うようになりました。今は同世代の人たちの耳にも自然と入っていくような音楽を目指したいです。
――ポップスをメインとしていながらも、ジャズ・シーンの盟友やヒップホップ、ポップス・シーンの憧れの存在まで参加した、甲田さんの多角的な魅力が存分に詰め込まれたアルバム『22』。ご自身にとって、このアルバムはどのような作品になったと言えますか?
甲田
SpincoasterのTwitterアカウントをフォロー & 下記ツイートをRTで甲田まひるのサイン入りチェキを3名様にプレゼント。発表通知はTwitterのDMにて行わせていただきます。
キャンペーン期間:7月15日(土)18:00〜7月22日(土)19:00
【プレゼント企画】#甲田まひる のインタビューを記念し、サイン入りチェキを3名様にプレゼント
応募方法は当アカウントをフォロー&このツイートをRTするだけ
期間は〜7月22日(土)19時まで。注意事項など詳細はこちらよりhttps://t.co/AF9qXSIMjq pic.twitter.com/6HUpXzWsIe
— Spincoaster/スピンコースター (@Spincoaster_2nd) July 15, 2023
※当選のお知らせに対して48時間以内に返信がない場合、誠に勝手ながら辞退とさせていただきます。
※住所の送付が可能な方のみご応募下さい。頂いた個人情報はプレゼントの発送以外には使用いたしません。
※発送先は国内のみとさせて いただきます。
※フリマサイトなどでの転売は固く禁じます
【リリース情報】
甲田まひる 『22』
Label:Warner Music Japan
Tracklist:
1. Ignition
2. ターゲット
3. 22
4. Toyhouse
5. CHERRY PIE
6. One More Time
7. Ame Ame Za Za
8. Snowdome
9. Take my hands〜君となら〜
10. in the air
11. California
12. Sugar=High
13. M
■ 甲田まひる オフィシャル・サイト(https://mahirucoda.com/)
あるときはInstagramのファッション・アイコン、あるときはジャズ・ピアニスト、そしてまたあるときはポップ・スター──22歳にして異色のキャリアを築く甲田まひるが、SSWとして初のアルバム『22』を7月12日(金)にリリースする。
今作では全曲の作詞作曲を自身で手がけるほか、共同作曲/編曲に野村陽一郎やSUNNY BOY、UTA、前田佑、Shingo Kubota、DJ Mass MAD Izm*などが参加。また共同作詞には元SUPERCARのいしわたり淳治、ドラム演奏に石若駿など、幅広いシーンから錚々たるメンバーが集結し、作品に新たな風を吹き込んだ。
無類のヒップホップ好きであり、プロのジャズ・ピアニストとしても知られる彼女が見つけたポップスの形とはどのようなものだったのか。アルバム制作の最終局面を迎えるタイミングで、甲田まひるに話を訊いた。
Interview & Text by MINORI(https://www.instagram.com/minorigaga/)
Photo by Ayaka Horiuchi(https://www.horiuchiayaka.com/)
「またいつの日か」が嫌いな理由
――昨日のインスタライブ拝見しました! 甲田さんが抱える“日常のもやもや”──例えば、周りの目が気になってレストランのメニュー表にあるオノマトペが言えなかったり、電車内で歩いているときに視線が気になってを車両を移動できなかったり──について話されていて、すごく共感しました。日常生活では結構気を使うタイプなんですか?
甲田
――その変化には、作詞を始めたことが関係あると思いますか?
甲田
人とのコミュニケーションの取り方は直接的には変わってないんですけど、歌詞が書けるようになってくると、自分の自信のなさが見えてきたんです。会話の中で自分の言葉がどういう風に届いたか不安になったり、相手がどういう反応をするか気になったりするようになりました。
――先行シングルの「22」では、より素直な今の気持ちを歌っているように感じます。例えば《財布の中身が同じくらいの子じゃなきゃ遊びづらいよ》というラインなど。
甲田
――年齢を重ねることによって、そういうことが増えていきますよね。同じく「22」では《これでもありったけの愛を持って生きてるの 誰かにあげようとしたって、渡し方も知らないんだ》という歌詞も気になって。
甲田
――甲田さんがご自身のファンに喜んでもらって嬉しいときの感情って、愛を与える、もしくは愛をもらうときと近い感覚だったりしますか?
甲田
――自分のことで精一杯なのも、人のことを考えすぎることも、結局は自分の価値が定まっていないことが原因なんですね。とても素直な言葉だと思います。
甲田
――特にハタチを超えた辺りからそんな感覚が襲ってきませんか?
甲田
――同じく「22」の《求められてること以上にやって 大人に褒められたりしたけど》というラインは、甲田さんが10代の頃の話でしょうか? 今振り返って、その頃のことをどう思いますか?
甲田
――「22」の作詞にはいしわたり淳治さんが参加されていますね。
甲田
■ 「メジャーデビューから約1年のアーティスト、甲田まひるの光るワードセンス」(いしわたり淳治のWORD HUNT)(https://www.asahi.com/and/article/20230120/423489570/)
甲田
あと、「こういうテーマだからこそ、自分で書かないと意味がない」とおっしゃっていて。基本的には自分で書いて、譜割りなどで不安な部分で助言をいただきました。人のアドバイスでこんなに筆を動かしたことはなかったので、いしわたりさんって凄いなって思いました。
――いしわたりさんに参加してもらうことに対して、緊張したり萎縮してしまうことはありましたか?
甲田
――曲のタイトルは最初から「22」だったんですか?
甲田
多彩なアレンジャー陣との化学反応
――「22」には編曲に野村陽一郎さんがクレジットされています。
甲田
陽一郎さんはギタリストでもあるので、「これ、どうやって弾いたの?」って聞いてくれたり、コードの話でも盛り上がって。すごく音楽的な時間を過ごすことができました。「22」を聴くとその楽しかった記憶が今でも蘇ってきます。
――制作はどのように進めていったんですか?
甲田
――アルバムでは他にもアレンジャーやプレイヤーとして多くの方がクレジットされています。
甲田
ドラムを叩いてもらった石若駿さんは『PLANKTON』っていう私のジャズ・ピアノのアルバムでもお世話になっていて。ベースは石若さんと一緒にSMTKというバンドも組んでいるマーティ(マーティ・ホロベック/Marty Holoubek)にお願いしました。マーティも昔から一緒にセッションをするような仲で、今まで自分のやってきたことが今回のアルバムで結実した感覚があります。
――リリックにはストーリーが感じられます。これは全てフィクションなのでしょうか。
甲田
あとはちょこちょこ小ネタも入れていて、《ima feel like havoc where’s my prodigy at?》っていうのは、気持ちをMobb DeepのHavocに喩えています。《言葉じゃなくて心でunderstand it》はJOJO(『JOJOの奇妙な冒険』)のセリフをオマージュしていたり(笑)。
同世代にも自然と響く音楽を
――「Ame Ame Za Za」にはHomunculu$さんが参加されているんですね。
甲田
――先行シングルをピックするとポップな側面が印象的ですが、アルバム全体で見るとだいぶヒップホップ色も強めで。甲田さんの趣味趣向が表れているんだなと。
甲田
――Watsonさんは書き起こせるくらいにリリックが聴き取れますよね。アルバムではヒップホップやR&Bをベースにしながらも、甲田さんらしい煌びやかな雰囲気も随所に感じられます。自分らしさを曲に出すために、意識していることはありますか?
甲田
――じゃあ、アルバムのテーマみたいなものは事前に決めてはいなかったんですね。
甲田
――(笑)。あと、甲田さんのラップ・スタイルが確立されてきているように感じました。ラップをするにあたって参考にした方などはいますか?
甲田
――甲田さんはジャズやヒップホップをバックグラウンドに持ちながらも、今はポップスをメインに音楽活動をされています。それはなぜなのでしょうか?
甲田
元々ファッションが好きなことも関係しているかもしれないんですけど、ジャズ・ピアノを弾いていても、歌っている人を見ると、目立ってて羨ましいなって思ったりして(笑)。フロントに立つのが好きなので、何かをサポートするっていうのがあんまりしっくりこないんです。Ariana(Grande)のようなポップ・スターも大好きで、真ん中に立って、かわいい服で歌って踊りたい気持ちがずっとあるんです。
――Ariana Grande、私も大好きです。
甲田
あと、ジャズをやってるときは、どうしても同世代に届いてる実感が湧かなくて。当時はそれがすごく悔しかったんです。ジャズのことももっと知ってもらいたいからこそ、自分への入り口を広げないとって思うようになりました。今は同世代の人たちの耳にも自然と入っていくような音楽を目指したいです。
――ポップスをメインとしていながらも、ジャズ・シーンの盟友やヒップホップ、ポップス・シーンの憧れの存在まで参加した、甲田さんの多角的な魅力が存分に詰め込まれたアルバム『22』。ご自身にとって、このアルバムはどのような作品になったと言えますか?
甲田
SpincoasterのTwitterアカウントをフォロー & 下記ツイートをRTで甲田まひるのサイン入りチェキを3名様にプレゼント。発表通知はTwitterのDMにて行わせていただきます。
キャンペーン期間:7月15日(土)18:00〜7月22日(土)19:00
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応募方法は当アカウントをフォロー&このツイートをRTするだけ
期間は〜7月22日(土)19時まで。注意事項など詳細はこちらよりhttps://t.co/AF9qXSIMjq pic.twitter.com/6HUpXzWsIe
— Spincoaster/スピンコースター (@Spincoaster_2nd) July 15, 2023
※当選のお知らせに対して48時間以内に返信がない場合、誠に勝手ながら辞退とさせていただきます。
※住所の送付が可能な方のみご応募下さい。頂いた個人情報はプレゼントの発送以外には使用いたしません。
※発送先は国内のみとさせて いただきます。
※フリマサイトなどでの転売は固く禁じます
【リリース情報】
甲田まひる 『22』
Label:Warner Music Japan
Tracklist:
1. Ignition
2. ターゲット
3. 22
4. Toyhouse
5. CHERRY PIE
6. One More Time
7. Ame Ame Za Za
8. Snowdome
9. Take my hands〜君となら〜
10. in the air
11. California
12. Sugar=High
13. M
■ 甲田まひる オフィシャル・サイト(https://mahirucoda.com/)
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