「音楽と喋りがずっと好きで、今がい
ちばん楽しい」ポッドキャスト『NUm
ile』休止前の特別編ーー番組MC ジョ
ージ・ウィリアムズにインタビュー

毎週ゲストがハマっている沼についてトークする、SPICEオリジナルポッドキャスト番組『NUmile』が、7月6日(木)をもってMCジョージ・ウィリアムズとお届けしてきたレギュラー配信が休止に。そこで休止前の最終回は、番組スタートから1年10ヶ月にわたってさまざまなゲストと沼トークを繰り広げてきた、MCジョージにインタビュー! 35年のキャリアを振り返りながら、DJとして心がけていることや人生を豊かにする「沼」について2週にわたってトークをジョージの自宅からお届け!  聞き手に、関西のライター・インタビュアーでラジオパーソナリティ(ABCラジオ『真夜中のカルチャーBOY』『ミュータマ』)の鈴木淳史氏を迎えて、じっくりと掘り下げていく。ポッドキャストはSpotifyで無料配信中。SPICEでは、ふたりのトークを文字でも楽しめるように記事にして公開する。番組の感想はハッシュタグ「#ヌマイル」でツイートを! 休止後もSpotifyにアーカイブは残るので、ぜひ気になるエピソードをチェックしてみてほしい。
音楽と喋りがずっと好き。これからも架け橋をつくるような人になりたい。
ーー今週はジョージがいろいろなゲストに沼を聞いてきた番組なので、今回はジョージのハマっている沼を聞けたらと思います。先週の最後に少しお話がありましたけど、「音楽と喋り」がジョージの沼なんですよね。
ジョージ:音楽と喋り、これ1本! ずっと変わらないですね。
ーーそれは少年時代から変わらないんですか?
ジョージ:ずっと変わらないね。僕、母親が日本人で、イギリスに75年から82年まで西部のブリストルという街に住んでいたんですよ。当時のイギリスはケーブルテレビもないし、その街には日本人もほとんどいなくて、お母さんは孤独だったと思う。だからお母さんは海外でも短波で聴けるラジオを日本から持っていって、日本の放送をよく聴いていました。当時から、お母さんの人生には必要なラジオは、すごいものなんだなと思ったのがひとつ。もうひとつは、お母さんはクラシックをラジオでいつも聴いていたんだけど、ある日僕がチャンネルを変えたら、僕が好きだったThe Specialsだったか好きなアーティストの曲が流れてきたんですね。その時に、ラジオからは僕が好きな音楽も流れることを知って「最高じゃん!」と思って僕も好きになったんだよね。それから音楽好きならみんなやってきたことだと思うけど、僕は中学生から音楽が好きで、友達が家に来るとレコードとかカセットを聴きながら友達と喋る、ということを本格的にやってきました。
ーーThe Specialsのお話もありましたが、洋楽だけでなくて、邦楽も好きになっていったキッカケとうのは?
ジョージ:23歳ぐらいから、テレビ神奈川の番組で毎週新人の方をお迎えしてお話してきたんですね。それまで邦楽とほとんど接点がなかったんだけど、でも日本だから日本のアーティストがゲストで来て、音楽を聴くと好きになる。それからMTVでも日本のアーティストがさらに好きになって、それから1年に何度か会うようになると人も好きになる。そうすると自然と日本の音楽も好きになっていました。
ライター・インタビュアー 鈴木淳史
ーーそうなんですね。アーティストと会話するジョージをテレビで見ていて、どこか和の心を感じたんですよね。
ジョージ:音楽が好きだから、音楽を作ってる人と話せるなんてすごいことじゃない? 自分の心を音源にして、リリースするとダメ出しされたり褒められたり、前作の方が良かったとか傑作とかいろいろ言われるじゃない。それはすごく勇気がいることでもあるし、そういう音楽の世界の最先端にいる人たちと話せることが最高に嬉しい。だから勉強したり、相手の話をしっかりと聞いたりということができたと思うんですよ。
ーージョージは親身で、人間臭いといますか、人間がすごく好きなイメージがあります。好きな人にのめり込むというか、好きなどどんどん関係が深くなっていきますよね。
ジョージ:それはすごく意識してる! 僕は溝をつくる人にはなりたくなくて、架け橋をつくるような人になりたい。ピースでいきたい。だけど、ピースにも拳があるからね。
ーーそれでいうと、ミュージシャンとの架け橋になってこられて、僕のように音楽好きのキッズがその架け橋を渡ってくることができたと思います。音楽を趣味で好きな人もたくさんいると思うんですけど、好きなことが仕事になるまでとことん好きでいるジョージの姿勢に僕も影響を受けていると思います。
ジョージ:本当に絵が好きな人は売れていても売れていなくても絵を描いてると思うんです。例えば、僕も番組がたくさんあってもなくても、基本的にはやってることは変わらないと思うんですよ。音楽をかけて喋ってるはず。それは番組がたくさんあってもなくても変わっていかないと思う。
ーー好きなものだけをやれるにこしたことはないですが、そうはいかない場合もあると思うんですね。今回のように番組が休止になることもあれば山あり谷ありで、もう少しこうしてくださいと好きなことだけじゃないことを求められたりすることも。だからこそ、好きなことを追い続けてきたジョージのストロングスタイルはすごいなと思いますし、そうやって今もサバイヴしていることがすごいなと。自分も頑張らなければという想いになります。
ジョージ:僕、これまでのキャリアで今が一番いいところにいると思っているからね! 数年前よりも、今はさらに気持ちを伝えられるようになってると思う。僕が長年やってきたイベント『GG2023』も7年ぶりに復活したり、去年と同じく今年も『FUJI ROCK FESTIVAL』でMCをやったり初めてDJもするし、僕がやりたいことが3年前よりできてるんですよ。それは色んな人の力。マネージメントもブランドも全部自分たちでやってるし。10年前、5年前でもできてなかったことをいまできているから、精神的にもすごくいいところにいるなと思っています。もちろんうまくいかないこともあるけど、そういう時こそ学べることもあると思うんですよ。組織に身を任せるんじゃなくて、なるべくDIYでやろうとか。少人数で動いて、DIYのミュージシャンも周りにいっぱいいるから話をたくさん聞いてきたんだけど、まさか自分もできるとは思っていなくて。いざやってみたらできてるし、こっちの方がいいじゃん!と思う様になったのもあるね。

「UNCLE MARK」のHPが開設(georgeandtina.jp)

ーージョージがコロナ禍で「UNCLE MARK」というブランドをスタートしてTシャツやトートバッグの制作を始めたのを知った時も驚きました。大変な時に歩みが止まってしまって考え込んだり、塞ぎ込んだりしてしまうのではなくて。楽しいことを見つけて、服とかデザインが好きだから自分たちで作って、発信しようとすぐに行動に移されたのを見て、自分自身も同じことが果たしてできるかなと、コロナ禍で考えさせられました。
ジョージ:僕もみなさんもそうだったと思うんですけど、コロナで下を向く時間がすごく長くなったじゃん。今後どうなるかわかんなくて、数ヶ月後に終わると思っていたら、「緊急事態宣言ってなに?」「お店が20時までの営業でお酒が飲めない?」とか、いろいろあったじゃん。好きな人とも会えなくなってるという時に、グラフィックデザイナーの友達が仕事もかねて家に来たことがあってね。その時に息子のスケッチブックの絵を見て、気づかせてくれたの。大人は下を向いてるけどキッズはユーモアのある絵を描いている。希望を持って明日を信じてる、家族のことを信じてるキッズがいる、そんな大切な存在が目の前にいるんだから、下を見るなら息子の絵を見ようと。それで妻とブランドをいつかやりたいねと話していたから作ってみることにしました。作ってみたらそれが即完して。それがまた1ヶ月後には売れて、毎週やってみたらどうなるのかなとやってみたら毎週売れて、先日の6月30日でまる3年になったんですよね。たしかにコロナは今もいやだけど、全てが悪いわけではなくて。実際に人に会う機会は減ったけど、ウィリアム家から作ってるものがみなさんに贈ることができてる、会えなくても気持ちを届けることができるから。Tシャツは、普段は妻が洋服をプリントしてますが、僕もたまにプリントしてるのでぜひチェックしてみてほしい。
ーーたくさんお話きかせていただいてありがとうございました!
ジョージ:ありがとう! そして『NUmile』を、1年10ヶ月聞いてくれてありがとうございました! またどこかでお会いしましょう!
インタビュアー:鈴木淳史
文:SPICE編集部(大西健斗) 撮影:SPICE編集部(川井美波)

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着