【Gacharic Spin インタビュー】
“この6人で勝負していく!”
みたいなサウンドになった
新しいはな&アンジーの
ツインヴォーカルが表現できた
そんなアンジーとはなちゃんのツインヴォーカルで聴かせるのが「rabbithole」。ドラマの挿入歌にできそうなくらいメロディックなポップチューンなのですが、こういうテイストは今までになかったですよね。
はな
かなり新しいGacharic Spinですね。楽器をあまり歪ませないタイプも好きではあったんですけど、過去のGacharic Spinは元気いっぱいって感じで攻めていたので。
相変わらずベースはスラップで攻めているけど、そこにピアノが拮抗するように入っていて、これまでのサウンドと印象が違いました。
はな
そうですね。ベースも歌わせている感じなので、ベーシックなサウンドはピアノが土台を支えて、ベースを歌モノっぽくしつつ、ツインギターの面白さも入れられたかなって。
アンジーは?
アンジェリーナ
はなさんとのツインヴォーカルのバランスが最高です。また今までの楽曲と全然違うアプローチでできたのが嬉しくて!
アンジェリーナ
はなさん&オレオさんの、こういうメロディアスな感じのツインヴォーカルは聴いたことはあったけど、それを私とはなさんで歌うとなった時、“どうやって表現したらいいんだろう?”ってすごく悩むんですよ。でも、先にライヴで披露させてもらったりして、その中でアルバム用に歌詞やアレンジが変わって…やっぱりライヴで試せたのがすごい大きかったですね。はなさんとの歌のバランスとかもライヴ感として体感できたから、“もうちょいレコーディングではこういうふうにしたいな”って詰めながら歌えたのが良かったです。なので、新しいはな&アンジーのツインヴォーカルが表現できたと思います。
アンジー熱唱のロックバラード「ロンリーマート」についてはどうでしょう?
アンジェリーナ
今までこういった曲をひとりで歌い上げるっていうことがなかったから、かなりの挑戦でしたね。LINE CUBE SHIBUYA(2023年2月23日の『New Revolution~最終章の始まり~』)のアンコールで初披露したんですけど、ゲネプロの最終日まで納得いく表現ができなくて…きれいに歌うのは違うし、かと言って感情的に歌うだけも違うから、そこのバランスが本当に難しくて、“これ、歌えるのかな?”ってライヴ当日まで追い詰められていて。オレオさんが作った曲なので、どう歌えばいいかをオレオさんに訊いてみたんですよ。そしたら“アンジーが思う一番大事な感覚を使って歌って”って言われたんですね。で、LINE CUBE SHIBUYAで歌った時に、自分の中で欠けていたピースがカチッとハマった感じがして、その感じでレコーディングしたいと思ったんです。今まで歌ってきたアプローチと全然違うものだったんで苦戦したんですけど、これを歌えたことによって自分の中で経験値が上がった感覚がありましたね。
とういうことは、ライヴで歌ったあとでのレコーディングだったと。
アンジェリーナ
そうです。もうライヴ音源に近いんじゃないかと(笑)。そういう気持ちで歌えたのもすごく良かったです。どうしてもレコーディングって作品として残していくものだがら、ライヴ感を出すよりも作品としての完成度を高める歌を歌わないといけないと思いがちだったんですけど、オレオさんに“ライヴの感覚を大事に歌ってほしい”と言ってもらえたのが救いでした。
はなちゃん、この曲については? KOGAさんがLINE CUBE SHIBUYAのライヴで“やさしい応援歌”と言っていたし、《弱くていい 大丈夫 今日も生きたよ おやすみ》と締めるのも印象的なのですが。
はな
オレオの良さがすごい出ているし、テーマとか歌詞とかもそうだけど、私も演奏しながら歌詞にハッとさせられる部分があって。静かな曲だけど、パワーがすごいと思いますね。
「KIRAKIRAI」もツインヴォーカルを活かした曲ですね。メインははなちゃん?
はな
そうなんですけど、アンジーもラップで入ってくるし、オレオとの絡みがすごいから3人ですかね。
こういうテイストの曲は今までになかったですよね。
はな
そうですね。こういう表現はあんまりしてこなかったから、こういうものも素直に歌ってもいい頃なのかなって。現体制が最終形態って堅苦しく言ってますけど、この6人のバランスが本当にいいからこういう曲もできるようになったっていうのはありますね。
そういう意味では、続く「Voice」も? これだけの振り幅があるからこそ、逆にこういうシンプルでストレートな曲が活きてくるというか。
ここにも《教えだった「自分に正直に生きてくこと」》というフレーズが。
アンジェリーナ
この歌詞を書いたのは私なんですけど、お父さんのことを思いながら書いたんです。“自分に正直に生きていくこと”っていうのは、お父さんが亡くなる前に私に伝えてくれたことで、大人になっていくとなかなかそれができなくなるっていうのを体感していた時期だったから、曲にしたいと思ったんです。だんだん大人になっていくと大事な人との別れ…家族との別れもあったり、すごい大切なものがどんどん離れていく感じがあって。大事な人と距離ができてしまったりとか。そういうことを思い浮かべながら、みんなが自分の人生に照らし合わせて聴いてくれたらいいなと思って書いた曲なんですけど、自分もすごくこの曲に救われて、自分を支えてくれているメンバーにも“うまくやれていない時もあるけど、私、ちゃんと立ていてるからね。大丈夫だよ”っていうのを伝えたくて書きました。
歌もその感情を乗せて?
アンジェリーナ
感情大放出で歌いましたね。毎回、曲を作ったメンバーがヴォーカルを見てくれていて、「Voice」はオレオさんが曲を作ってくれたからオレオさんがレコーディングにつき合ってくれたんですけど、ずっとブースの外で泣きながら聴いていて(笑)。一番近くにいるメンバーがそういうふうに涙を流して聴いてくれてるのを見て、なんかすごく幸せでした。