作品ポスター

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『テコンダー朴』原作者白正男による
正しい歴史認識と人権思想講座 第5回
『すずめの戸締まり』に隠された日本
帝国主義の野心

白正男による正しい歴史認識と人権思想講座
第5回 『すずめの戸締まり』に隠された日本帝国主義の野心人権派格闘技漫画の最高峰『テコンダー朴』を世に送り出した義士・白正男先生が、日本人に正しい歴史認識と人権思想を啓蒙すべく、筆を執っている本連載。今回のテーマは『ザ・ファースト・スラムダンク』と『すずめの戸締まり』。どちらも日本だけでなく韓国で大ヒットを記録しているが、人権派義士白先生は、これに対して何を思うか。

脊髄反射でヘイトコメントする人々 アニメ映画『ザ・ファースト・スラムダンク』が韓国でも大ヒットしている。韓国では今年1月4日から上映が始まり、3月末時点で観客動員数は累計400万人を突破。韓国で上映された日本映画の興行成績で歴代1位になった。ノージャパン運動(日本製品不買運動)は、いつの間にか終わっていたらしい。政治問題と文化交流を分けて考える韓国の大人の対応と寛大な心に、日本は感謝と謝罪をするべきではないだろうか。
 3月22日、韓国の大手紙『中央日報』に『ザ・ファースト・スラムダンク』に関する記事が掲載された。この記事はいきなり冒頭から「スラムダンクは日本の帝国主義的野心を隠している」という主張から始まり、その根拠としてキャラクターの名前が挙げられていた。赤木剛憲は日本海軍の空母・赤城と発音が同じ。三井寿は日本戦犯企業の三井と同じ。宮城リョータは皇居を象徴している。桜木花道は桜=日本精神を称え、帝国主義国家として花道を歩むという念願が込められている。こんな具合に高出力の電波を大量に飛ばしていた。
 この記事は日本の複数のまとめサイトで「【悲報】スラムダンクには日本帝国主義の野心が隠されていた」といった煽情的なタイトルが付けられて無断転載されており、コメント欄を見ると「韓国は頭おかしい」「韓国人は記者もバカ」といったヘイトコメントばかり並んでいた。いきなり差別かよ? まとめサイト読者ッパリらしいな。
 しかしながら中央日報は朝鮮日報、東亜日報と並ぶ韓国の主要新聞。こんな怪文書が上司のチェックを通るとは考え難い。まとめサイトではなぜかカットされていた記事の後半部分を記事原文で確認すると、前半の怪文書は野党を批判する意図で書かれたものだとわかった。
 日韓首脳会談後、尹錫悦大統領が岸田文雄総理と共に銀座の煉瓦亭を訪れたことについて、野党「共に民主党」の幹部が尹大統領を批判している。批判の理由は「店の場所が関東大震災の時に朝鮮人虐殺が発生した場所に近い」「煉瓦亭が創業した1895年は乙未事変(日本人による韓国王妃殺害)が起きた年」というもの。煉瓦亭と関東大震災や乙未事変を結びつける野党幹部の発言は、スラムダンクと日本帝国主義を結びつけるのと同レベルの牽強付会だとこの記事は皮肉っているのだ。記事全文を確認もせずに脊髄反射でヘイトコメントした人たちは、ひろゆき風に言えば「この人たち、全員バカです」。

『すずめの戸締まり』ヒットへの複雑な思い 韓国では3月8日から上映が始まった『すずめの戸締まり』も『ザ・ファースト・スラムダンク』に迫る勢いで大ヒットを記録しているが、自分は心の片隅が複雑な気持ちになる。『すずめの戸締まり』という作品は日本の帝国主義的野心を隠しているからだ。
 その根拠は「岩戸鈴芽」という主人公の名前。「岩戸」は天の岩戸のことで、天皇のいない世界は闇、天皇を太陽神として崇めよ、という天皇制ファシズムのプロパガンダ。「鈴」といえば戦国時代の鉄砲集団・雑賀衆を率いた鈴木氏が想起される。雑賀衆は文禄・慶長の役に参加している戦犯集団。朝鮮半島再侵略を企む日帝の野心を警戒せざるを得ない。「芽」は萌芽であり、萌芽とは草木が芽を出すことで、転じて物事の始まりという意味も持つ。つまり「岩戸鈴芽」は「天皇制ファシズムと朝鮮半島再侵略の始まり」を意味するのだ。『すずめの戸締まり』には日本帝国主義の野心が隠されているのは確定的に明らか。とか言ってみるテスト。
文/白正男
写真/作品ポスター
初出:実話BUNKAタブー2023年6月号
PROFILE〈白正男〉
職業:義士、漫画原作者。出身成分:核心階層(抗日戦士)。正しい歴史認識と人権思想を啓蒙するため、本誌連載作品『テコンダー朴』の原作を担当。
『テコンダー朴』第9巻(コアマガジン)絶賛発売中!!

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