けいちゃん

けいちゃん

【けいちゃん インタビュー】
音楽が好きな人であれば
必ず楽しんでもらえる自信はある

ワクワクを与えられるような
曲にしたくてゲームの要素を入れた

いろいろなジャンルが次々に出てくる「Freestyle Piano Etude」も楽しく聴けました。

僕は“フリースタイルピアニスト”と名乗ってはいるものの自己紹介みたいな曲がなかったので、そういう曲を作ってみようと思ったのと、フリースタイルピアニストということでクラシック、ジャズ、ポップス、即興の4つのジャンルを盛り込んだら面白いんじゃないかと思ったんです。それに、聴いてくれている人に“次はどうなるんだろう?”というワクワクを与えられるような曲にしたくてゲームの要素を入れました。なかなかないじゃないですか、音楽とゲーム要素を混ぜるというのは。音楽のジャンルを混ぜるんじゃなくて、音楽ではないジャンルを混ぜるという新しいことをやろうと思ったんです。

発想力の豊かさが光っていますし、「Freestyle Piano Etude」は最初と最後に出てくるテーマのパートが非常に良質で、ただ単にアイディアの面白さだけで勝負した曲になっていないことは見逃せません。

この曲はいろんなジャンルを詰め込んではいるものの、大枠のスタイルとしてはジャズのスタンダードに近い構成になっているんです。ジャズはテーマがあって、アドリブがあって、またテーマに戻って終わるのが一般的なんです。この曲もテーマがあって、ゲーム要素が入っていたり、いろんなジャンルが出てきたりして、またテーマに戻る構成になっています。つまり、ジャズのアドリブにあたるセクションを、まったく別のものに交換してしまうというアイディアから生まれた曲なんです。だから、テーマもしっかりしたものにしたかったんです。僕の中では両方が重要な要素でした。

とはいえ、この曲のテーマの使い方は贅沢だと思います。

僕の中では当たり前のことなんです。あと、この曲にはちゃんとテーマがあって、いろんなジャンルが出てくる流れなので、クラシックのセクションで出てくるモーツァルトのソナタはキーがCメジャーですけど、テーマのキーに合わせてBメジャーで弾いています。そこはちゃんと調和が取れるように、一貫性があるようにしようと。次のジャズのセクションもBメジャーからかけ離れた調にはしないように、Bメジャーをドミナントとした次の和音にいって、またBメジャーに戻ってテーマにいっています。まったく別物を入れていますが、実は影でキーはつながっているようにしました。そのことに気づいてくれる人がいるといいなと思いながら(笑)。

さり気なく技を活かす辺りにもセンスの良さを感じます。「Freestyle Piano Etude」は生バンド編成で演奏されていて、後半のテクニカルなドラムをはじめ、メンバー全員で盛り上がっていく様子がパッケージされているのもいいですね。

ドラムがあのタイミングで騒いでくれたおかげでちゃんと締まって、“そう言えば、これがテーマだったな”と思い出させてくれました(笑)。この曲は楽器をやっている方に、ぜひ聴いてほしいですね。

楽しめることは間違いないです。生バンドの良さを活かす一方で、「R-101」は打ち込みを多用したトラックならではのタイトな心地良さをフィーチュアしていますね。

タイトルの“R-101”は“対象年齢101才以上”という意味で、この曲は未来人向けの曲にしたいと思ったんです。100歳まで生きたあとの人生を歩んでいく人たちに向けた、近未来的な音楽を作りたいなと。それで、いろいろ試していく中で、尺八や三味線といった和の要素とテクノのサウンドを融合して、そこにピアノをプラスすることで化学反応が起きて中和されたサウンドになることに気づいたんです。この曲は全部音源の音色を使って弾きました。近未来感ということで、あえてデジタルのピアノを使うことにしたんです。

1番のAメロのクラビネットのような音がすごくカッコ良いですし、2番、3番と音色が変わっていくアプローチも絶妙です。ただ、中盤の幻想的になるセクションは生ピアノなのでは?

そこも音源のピアノです。生ピアノも考えたんですけど、この曲に関しては音源のピアノのほうが感触が良かったんです。

本当に楽曲を重視していることが分かります。あと、ザクッとしたロックテイストをフィーチュアしつつBメロでジャジーな世界に移行して、さらにサビはアーバンという「がぶ」も聴き逃せない一曲です。

これは衝動的に作った感じです。それこそ作曲も“ロックにやってやるぜ!”みたいな感じでした(笑)。展開のことは無視して、“ここでジャズっぽいことをやってやるぜ!”というふうに、いろんなことを振り払いながら作った曲です。

「がぶ」のようなオールドロック感のあるギターリフを思いついたら、なかなかジャズにはいけない気がしますが。

それは僕がピアノ単体のスタイルで、そんな僕が作曲をするから出てくるアイディアなのかもしれないです。頭の中でサウンドは想像しますけど、ピアノ単体で弾くことで固定観念から開放されて、“こういうのもありだな”というアイディアがわりと出てくるんです。

面白いです。それに、「がぶ」のピアノソロはイメージどおり、ロックを感じさせるものになっていますね。

ピアノでいかにロックなソロを弾くかということで、すごく悩みました。ただ闇雲にワァーッと弾けばいいというものではないし、ピアノが得意とするきれいな速いパッセージをパーッと弾くだけでもダメだし。ロックギターのアドリブっぽいものを、どうピアノで表現するかというところで頑張りました。

OKMusic編集部

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