タエ子役の松坂慶子

タエ子役の松坂慶子

【インタビュー】NHKスペシャルド
ラマ「おもひでぽろぽろ」松坂慶子「
人生100年時代を楽しんで生きていく
作品」

 スタジオジブリの高畑勲監督が映画化したことでも知られる漫画『おもひでぽろぽろ』の実写ドラマが、2021年1月9日にNHK BSプレミアム・BS4Kで放送される。本作は、昭和41年と令和2年の東京を舞台に、原作漫画に登場する主人公の少女・タエ子が64歳になった姿や、娘や孫との同居生活が描かれる。孫にかつての自分の姿を投影し、“女優になる”という新しい夢に向かって一歩を踏み出す昭和のタエ子を松坂慶子、30代の娘・夏希をが演じる。松坂に作品の見どころや、杏と共演した際のエピソード、人生100年時代に挑戦したいことなどを聞いた。
-まずは、脚本を読んだ感想を教えてください。
 タエ子は子どもの頃、演劇をしたときにみんなに褒めてもらって、「私は算数は苦手だけれど、お芝居はとても得意なんだ」と思った経験があったんです。それから50年がたって、また演劇と出会って、タエ子が生き生きと新しい人生を切り開いていくところがすてきだなと思いました。
-原作漫画では、小学5年生のタエ子の日常がコミカルが描かれていますが、原作のタエ子は、松坂さんの中ではどういうイメージなのでしょうか。
 算数のテストで25点を取ったり、初めて食べたパイナップルに大騒ぎをしたり、タエ子が起こす大騒動が子どもらしくてかわいいなと思います。お母さんがかっぽう着を着ていたり、勉強を教えてくれるお姉ちゃんが少し意地悪だったり、そんな、家の中でわちゃわちゃとやっている感じが楽しいですし、タエ子自身は、自分らしく生きていていいなと思います。
-(現代のタエ子の設定が令和2年のため)コロナ禍で、マスクを着用して芝居をされたと聞きました。マスクをしての芝居の感触は、いかがでしたか。
 マスクを着けてせりふを言うことは、大変なのかなと思っていたんですけれど、割とスッとなじみました。孫を応援したり、遠くに呼び掛けるシーンは、大きな声を出すとマスクがずれてしまうんですけど、でも、それも自然かなって話し合いながら演じました。
-タエ子が舞台に立ってシェークスピア劇を演じる場面がありますが、松坂さんが舞台に立つことは珍しいと思います。このシーンを演じた感想は?
 一緒に舞台に立った劇団員の方々は、実際にお芝居をされている舞台役者だったので、緊張しました。舞台に舞い上がっている感じとか、体当たりでいいからぶつかっていこうという感じが、タエ子の設定と私との共通している部分だったので、オーバーラップしていて良かったのかなと思います。
-杏さんと共演した感想は?
 杏さんとは久しぶりの共演で、以前は繊細な印象があったのですが、今回はカッコいい女性に成長していて、お子さんのことをとても愛して大事にしていらして、充実している感じがしました。杏さんのお子さんと私の娘に共通することがあったので、途中からはママ友のように、学校のことや料理の話をしました。杏さんは、本当に充実して楽しそうにお仕事をしていらしたのが印象的で、良かったなあと感じました。
-杏さんとは、母娘役でぶつかり合うシーンもありますが。
 はい、丁々発止にやり合うところもありました。タエ子はゆったりと年を重ねて、夫の夢を一緒に歩こうという受け身なタイプですが、娘は現代的なキャリアウーマンで、バリバリ仕事に生きているので、強い娘と相変わらずの母・タエ子という関係でした。孫が一番よくできていて、一番大人なんじゃないかなという感じで、さりげなく間を取り持ってくれました(笑)。
-撮影時に印象に残っているシーンは?
 タエ子が、孫に「舞台上で生きることが大事よ」「一瞬一瞬を大事にしてね」と教えると、孫が「一瞬一瞬を大切にしたの。そうしたらみんなとつながった気持ちになったのよ」と返してくれる場面があるのですが、このせりふがこの作品のテーマの一つなんだな、改めていいせりふだなと思いました。
-人生100年時代を生きるタエ子の成長が描かれる作品ですが、松坂さんがこれから挑戦したり、新たに成長していきたいことは?
 出会った作品や役を楽しみながら演じていけたらいいなあと思います。個人的には『万葉集』が好きで、『万葉集』を仲間と一緒に朗読して、昔の人の生命力を思い出すひとときを過ごししているので、これからもライフワークとして続けていきたいです。
-最後に、ドラマの見どころを教えてください。
 子どもの頃はお父さんに反対されて実らなかったタエ子の夢が、夫や孫娘、10歳の頃のタエ子にも後押ししてもらって、新たに動き出す物語です。人と人との思いが温かくつながっていたり、人生100年時代に、新しい自分と出会って、夢や希望を持って元気に生きていく姿を楽しんでいただきたいです。家族で懐かしい思い出話をしながら見ていただいたり、家族の、思わぬ新しい話が聞けたりと、このドラマがそんなきっかけになればいいなと思います。
(取材・文/小宮山あきの)

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