「俺ガイル」3期が放送間近、江口拓也インタビュー

「俺ガイル」3期が放送間近、江口拓也インタビュー

「俺ガイル」江口拓也が見つめる、八
幡と自分自身の“他者との在り方”

「俺ガイル」3期が放送間近、江口拓也インタビュー(c)渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。完 渡 航氏の人気ライトノベルのアニメ第3期「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完」が7月9日から順次放送開始となる。ネガティブ思考、ひねくれた性格で“ぼっち”……そうした自分自身の在り方を貫きながらも“周囲をドン引きさせる方法”でさまざまな問題を解決してきた主人公・比企谷八幡は、「完」という言葉が冠された今作で、最後にどうあろうとするのか――。どこまでも不器用な方法で他者と向き合ってきた八幡。同キャラクターを演じてきた江口拓也に、八幡の、そして自分自身の「他者との在り方」を聞いた。(取材・文/編集部)
比企谷八幡はリア充もハーレムを望んでいない、だから葛藤する
――1~3期を通して、八幡を演じるうえで変化はありますか?
「こじれてる感」という部分は変わらないのですが、1期の時はコメディ感を重視したお芝居、2期はどちらかというとテンポや間といった会話劇、人間同士の関係性などを重視して作っているような感覚を受けました。
――「こじれてる」という言葉が出てきましたが、八幡の「こじらせてるけど、かっこいいところ」をあげるとしたらどこでしょうか?
(c)渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。完良くも悪くも、自分の心に嘘をつかないところでしょうか。自分の信条を曲げなければ、どんな行動をとってもかまわない。そういうルールのなかで生きている、彼のなかで“正解”が確立されていると思うんです。そういった意味で、思考を止めないということがすごい。こじれちゃうくらいの勢いで、いろんなことを考えて答えを出そうとする。生きやすさみたいなものを模索している姿が、自分を持っていてかっこいいですね。
――そうした「自分を曲げない」部分がある一方、1期から比べて八幡に変化を感じた瞬間はありましたか?
クラスのなかで上位カーストだといわれる人たちと関わるようになったことで、新たな価値観に触れ、少しマイルドになったように思います。とげとげしかったり、思春期ならではのもやもやしたものを抱えがちではありますが、だいぶ丸くなったんじゃないでしょうか。
――確かに、周囲と交流するようになったことによって、八幡の印象がやわらかくなったように思います。それもあってでしょうか、“ぼっち”を自称しながらも、なかなかハーレムな状況にも感じます……。
(c)渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。続一見そうですね。
――一見、なんですね(笑)。
はい(笑)。なぜなら、本人はそれを求めてないと思うんです。「ハーレムじゃん!」と喜べるタイプだったら、そもそも“ぼっち”になっていないので。自己肯定感も低いので、口ではいろいろ言うけれど、実のところ、そういう雰囲気が苦手なんだろうなと感じます。だから周囲に人が増えても、結局葛藤してるし、ある程度の距離感を保っている。でも、それが徐々に揺らぎ始めているから「こんなはずじゃなかった」ともどかしさを覚えている。その葛藤がまさに青春なのですが……八幡と同じ立場になるのは嫌だなと思います(笑)。

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