須田景凪がたどり着いた境地、「言葉
としての音楽」
ラップトップからLIQUIDROOMへ
そしてここにまた新たな可能性がひとつ。ボカロ発のシンガーソングライター、須田景凪(すだ けいな)。4月7日に恵比寿のLIQUIDROOMで開催された彼の東名阪ツアー「須田景凪 TOUR 2019 “teeter”」の最終公演のチケットが完売。当日はパンパンのフロアの中、須田はアンコール含め17曲を熱唱しました。ちなみに、LIQUIDROOM以外の公演のチケットもソールドアウトしており、7月14日に中野サンプラザホールので追加公演の開催も決定しています。
実際、「teeter」の文字がステージ上に出現したときは身震いしました。一発目に披露されたナンバーは最新EP「teeter」に収録されている「farce」でしたけれども、この曲ひとつ取ってもエッジーなギターのリフは空間的な広がりがあったし、リズム隊のグルーヴにもずっと迫力がありました。その後に続く、1stアルバム『Quote』からの三連発(「街灯劇」、「idid」、「鳥曇り」)も躍動し、序盤から存分に須田景凪が立体的に再現されてゆきます。
楽曲としても「Cambell」は『Quote』屈指の名曲ですから、このシーンで喰らったオーディエンスも多いことと思います。
須田景凪が1, 2年前にLIQUIDROOMで観た
のは誰のライブであったのか?
このどれかではなかろうかと! 本命American Football、対抗Explosions In The Sky、大穴Thundercat…。どれでもなかったら愛想笑いをします。ちなみに開演前はひたすらÁsgeirの曲がかかっていました。なぜこんな些細なことにこだわるのかと聞かれれば、ボカロPが別名義でシンガーソングライターとして走り出すとき、ボカロ的な文法からどの方向へ逸脱するのかに大変興味があるからと答えましょう。恐らく、須田景凪はまだまだ懐に弾をたくさん持っていて、現時点で発露しているのはそのほんの一部であると思います。それがこれからどのような方向へ放たれるのか、個人的に(皆そうでしょうけども)とても楽しみなのです。
須田景凪がたどり着いた、言葉としての
音楽
鳴りやまぬアンコールの大合唱を聞きながら、須田景凪が「共通言語」になる未来を夢想しておりました。そんなに遠くない未来、それが実現する予感があります。
■ 須田景凪 TOUR 2019 “teeter”
2019年4月7日(日)恵比寿LIQUIDROOM
01.farce
02.街灯劇
03.idid
04.鳥曇り
05.Cambell
06.シックハウス
07.レソロジカ
08.morph
09.Dolly
10.mock
11.レド
12.シャルル
13.ポリアンナ
14.パレイドリア
15.浮花
en.1 メーベル
en.2 密
◎ツアー情報
【須田景凪 TOUR 2019 追加公演 “teeter”】
2019年7月14日(日)東京・中野サンプラザホール
須田景凪 オフィシャルサイト
須田景凪 Twitter
須田景凪がたどり着いた境地、「言葉としての音楽」はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。
ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。